日本に向けて作った感が薄い「スープラ」「GT-R」「NSX」! 北米では売れているのか?

高付加価値なスポーツカーとして安定した需要

 日本車なのに、日本国内ではほとんど姿を見ないホンダNSXや、たまに見かけるスープラは、アメリカではどうなっているのだろうか? また、これら2モデルとのガチンコライバルであるGT-Rについても、次期フェアレディZがコンセプトモデルの世界発表で北米市場重視の色合いを強く出したこともあり、アメリカでの動向が気になるところだ。

 まずは、販売実績から見ていこう。スープラの2020年12月は704台で前年同月の404台から大きく伸びた。2020年の通年では5887台となり前年からほぼ倍増した。NSXは2020年12月に9台で、通年では114台と前年から半減。 GT-Rは通年で、304台と前年の331台から微減だった。

 次に、それぞれのモデルのアメリカ市場での立ち位置はどうか? スープラだが、そもそも「86から乗り換えられるような、兄貴っぽいクルマが欲しいが、それはどう考えてもスープラだ」というアメリカでの声を、86とスープラの担当主査である多田哲哉氏が、アメリカのユーザーやディーラーから直接聞き取り調査をして量産化の道を進んだクルマだ。

 そうした市場からの要望どおりの姿が、スープラの現時点でもアメリカの立ち位置である。BMWとの協業という製品企画の手法についても、アメリカ人は十分に理解した上で、ずっと欲しかった新たなるスープラを購入している。

 NSXについても、コンセプトモデル登場時から、アメリカ人によるアメリカ生産を全面に押し出すという、アメリカ色が強いモデルである。フェラーリなどの、いわゆるスーパーカーというよりは、高付加価値ブランドであるアキュラの最上級車として、実用面での信頼性の高さを評価するアメリカ人が多い印象だ。

 こうしたスープラとNSXに比べると、アメリカでのGT-Rユーザーはアメリカ起源という文脈でGT-Rを見ようとはしないし、そもそもそうした要素がGT-Rにはない。しいて言えば、R35の走行実験を日産との関係が深いレーシングドライバー・鈴木利男氏がアリゾナ州内のテストコースなどで行ったことだろう。

 アメリカ人のGT-Rに求める姿は、匠の技とモータースポーツに裏打ちされた、日本らしいクルマ作りを突き詰めたという、作り手の心情をアメリカにいながらにして感じたいことなのだと、筆者は思う。

 最後に、これら3モデルについて付け加えるならば、いわゆる25年ルームによって、80スープラ、R32/33 GT-Rがアメリカ国内で高値で売買されるなか、アメリカ人ユーザーは最新型のスープラ、NSX、そしてGT-Rの社会における立ち位置を再認識しているのではないだろうか。