発売1カ月で2万台を受注! それでも「日産ノート」が「売れている」とはいえないワケ

登録台数はまだ少ないが受注台数は2万台を突破

 新型ノートの売れ行きには、いろいろな評価がある。トヨタヤリスは2021年1月に8180台、2月には9950台を登録した(スポーツモデルのGRヤリスとSUVのヤリスクロスを除く)。これに比べてノートは、1月が7532台、2月は7246台と少ない。

 新型ノートは2020年11月に発表されたが、納車を伴う「発売」は12月23日だ。新型の登録が本格化したのは2021年1月以降で、新型ノートとしては絶好調に売れる時期に当たる。それが8000台以下では、売れ行きが低調という見方も成り立つ。

 ちなみにノートの1カ月の販売目標は8000台だ。この台数は生産を終えるまでの平均値だから、発売直後には目標を超える1万台以上を登録しないと、8000台の月販目標を平均して達成するのは難しい。

 しかしその一方で、2021年2月1日におけるノートの受注台数は、発売後1カ月で2万台を超えたと発表された。新型ノートの発表は2020年11月だから、実質的な受注期間は1カ月以上だが、2万台を受注したことに変わりはない。これに比べると2021年1/2月の登録台数は少ない。

 この点を日産の販売店に尋ねると、以下のように返答された。「新型コロナウイルスの影響もあり、最近は半導体が不足した。そのために1月にはノートの生産規模が縮小され、納期も長引いている。現時点(3月下旬時点)では、納期は1カ月半程度まで短縮されたが、依然として影響は残っている。たとえばディーラーオプションのETCユニットやドライブレコーダーは、装着が遅れる場合もある」。

 このようにノートの2021年1/2月の登録台数は、本来の人気度を反映していない。2万台の受注実績が、本来の実力ともいえるだろう。ただし2万台の受注も、驚くほどの台数ではない。ライバル車のヤリスは、発売後1カ月(実質的な受注期間はノートと同様に長かった)で3万7000台を受注したからだ。フィットも3万1000台と発表された。

やはり買い得グレードは必要なのでは?

 ノートが販売面で不利なのは、エンジンがハイブリッドのe-POWERに限られ、ヤリスやフィットのようなノーマルタイプを用意しないことだ。開発者は「先代ノートでも販売総数の75%をe-POWERが占めていた。内外装の質を高めることも考えて、価格が200万円を超えるe-POWERに絞った」という。

 その代わりライバル車と違って、価格が170万円前後の買い得グレードは選べない。先代型のe-POWER比率が75%でも、残りの25%はノーマルエンジンだったから、販売面に与える影響は大きい。仮に新型ノートにノーマルエンジンが用意され、e-POWER比率が先代型と同じ75%なら、受注台数は2万7000台に達していたと考えられる。

 またホンダにも当てはまる話だが、今の日産には売れ筋車種が少ない。直近の2021年2月において、デイズ+ルークス+ノート+セレナの販売台数を合計すると、この時期に日本国内で売られた日産車の62%を占める。そうなるとミニバンのセレナではカバーできない小型/普通車ユーザーをすべて引き受けるのがノートになるから、好調に売れないと日産の国内販売は成立しない。

 今後の日産がコンパクトカーのティーダやキューブを復活させたり、海外のマイクラを国内へ導入することは考えにくい。マーチの商品力を大幅に高める様子も見られない。従ってノートは、今後も日産の小型車ユーザーにとって大切な基幹車種であり続けるから、ノーマルエンジンを加えるなど、商品力をさらに強化して販売を促進させる必要があるのではないだろうか。