リーフ・ホンダe・エクリプスPHEVもみんなボディ外側! MIRAIの外部給電口だけがボンネット内にあるワケ

プラグインハイブリッドは充電口も兼ねている

 トヨタ最新のレクサスLSにも採用されるGA-Lプラットフォームを用いた、水素社会をけん引する世界唯一の水素をエネルギーとして走る量産FCV=燃料電池自動車のMIRAIは、後輪駆動の高級セダンとしても注目すべき新型車だ。

 そんなMIRAIを目の前にして、PHV(PHEV)やEVに詳しい人から見ると、ひとつ、大きな疑問が湧くに違いない。それは、車内とラゲッジルームにあるAC100V/1500Wコンセントとともに用意される、トヨタのHV、PHVではすでにおなじみの外部給電システムについてだろう。

 アウトドアや災害時に、HVやPHVのAC100V/1500Wコンセントが便利なのは、一度でも使えば納得のいくもので、今やプリウスに標準化されるほど(太っ腹!!)の装備になっている。

 一方、外部給電システムは、災害時に外部、家庭などに電源を供給できるもので、トヨタが「救電」と呼んでいるくらい、万一の際には頼りになる“わが家の発電所”になってくれる機能なのである。

 ところが、だ。プリウスPHVやRAV4 PHVなど、ほとんどの外部給電システムを持つクルマのアウトレット(もちろん充電口でもある)は、ガソリン給油口のように、ボディ外側にある。

 しかし、FCV(燃料電池車)であるMIRAIの外部給電アウトレットは、なんとボンネット内のガソリン車ならエンジン(カバー)に相当する、燃料電池スタック部分に用意されているのだ。つまり、ボンネットを開けたままにしないと使えない場所にある。それって面倒じゃない? と一瞬思ってしまって当然だろう。

 ただその心配は、MIRAIがFCV(燃料電池自動車)であることを十分に理解していないことに起因する。酸素と水素があれば、その化学反応で電力を生み出すことができるFCVは、PHVやEVのように充電のためのインレットが不可欠で、そこを外部給電用アウトレットとしても使う仕様とは異なり、そもそも充電する必要がない。

 PHVやEVは、当然、頻繁に充電口を使うことになるのだが、MIRAIの外部給電システムは、災害時、非常時の公共の場で大容量の給電を行うことを想定した設計、機能であり、できれば使わない(災害、非常事態が起こらない)ことに越したことはなく、だから、ボディ側にアウトレットを付けて目立たせてしまうより(エクステリアの美観にもかかわってくる)、ボンネット内に、目立たないようにスマートに設置したほうがよい、とも解釈できる。

 一般ユーザーがMIRAIを所有している間に、外部給電を必要とする大災害に合わなければ、一切使わずに済む機能(そうであってほしいが……)とも言える(災害・緊急対応車として導入する場合は別だが)。

外部給電に必要な機材の価格のほうが気になる……

 また、燃料電池スタック部分に外部給電アウトレットがあるのは、余計な配線不要で、同時にロスをなくすための配慮でもあるそうだ。

 さらに、心配性の人は雨の日、ボンネットを開けたままで、MIRAIの心臓部となる燃料電池スタック部分を丸出しにして、電気を外部に給電するなんて、大丈夫かっ!! と思うかもしれないが、ボンネットが雨よけにもなるし、もちろん、トヨタが雨天における使用(水濡れ)についてもその安全性の車両評価をしっかりと行っているから、心配無用である。

 むしろ、心配すべきは外部給電に必要な、MIRAIから取り出したDC(直流)電力をAC(交流)に変換するニチコン製のパワームーバー可搬型給電器(V2H)といった別売の機器の価格ではないだろうか。これはPHVやEVの外部給電にも必要不可欠なものだが、なんと約70〜80万円もするのである(車両同様、補助金あり)。むしろ、こちらの値段、出費のほうが、ボクなんかはドキドキしたりしてしまう……。

 とはいえ一般ユーザーの場合、MIRAIの所有・駐車環境を含め、外部への電力供給は、1500Wまでの照明、省電力の湯沸かしポットなどの家電品が使えるふたつのAC100V/1500Wコンセントだけでも、圧縮水素燃料が入っている限り、十分、とも言えそうだ。

 話をまとめると、MIRAIの外部給電アウトレットの位置はほとんど気にしなくていい、ということだ。