同じミニバンなら広いほうがいいに決まってる! 後席まわりを「実測」して広さランキングを決めてみた

この記事をまとめると

■国産ミニバンやトール軽を寸法のプロ(!?)が徹底比較!

■軽自動車でも普通車より広い車内を持つクルマがある

■LLクラスミニバンの車内は圧巻の広さだった

車内の寸法を徹底考察! 広くて快適なクルマはどれ?

 筆者はこれまで、数々のクルマの寸法を、1台につきおよそ30項目以上、計ってきた。かつては雑誌CARトップで「すぐ計る課」という連載を持っていたぐらいで、新車を計りまくる性分なのである。で、ここでは、後席のニースペース、つまり足もとのスぺ―スに特化して、クラス別の広さをランキングしたい。意外なのは、コンパクトカーだから狭いということはもはやなく、パッケージの妙によって、ちいさなクルマでも足もと広々なクルマはあるし、広くて当たり前の大型ミニバンでも、2列目席のシートのグレードによって、広さが変わる面白さもあるのである。

 この時代、クルマを走らせ、環境のいい場所でワーケーションにいそしむクルマの使い方もあるわけで、そんなとき、後席は広いほうがいい。仕事の効率もはかどるというわけだ。なお、後席/ミニバンの2列目席に着座時の寸法は、身長172cm、体重65kgの筆者がドライビングポジションを決め、シートを後端位置にセットし(スライド機構がある場合)、その背後に座ったときのもの。実際に座る人の身長や体形によって寸法は異なるものの、他車との比較においては参考値になると思う(数値はすべて筆者の特殊ツールを使った実測値)。

 まずは、国産LLクラスミニバンの2列目席から紹介したい。今ではトヨタ・アルファード(とヴェルファイア)、日産エルグランドの2台のみになってしまったが(オデッセイはLクラス)、エルグランドは頭上250mm、膝まわり430mmだ。

 一方、アルファード(ヴェルファイア)は2列目席が8人乗りベンチシート、7人乗りリラックスキャプテンシート、7人乗りエグゼクティブパワーシート、最上級のエグゼクティブラウンジシートと、4種類あるのが特徴で、じつはそれぞれ、寸法が異なる。

 まず、ベンチシートは頭上260mm、膝まわり460mm。リラックスキャプテンシートは頭上185mm(サンルーフ仕様)、膝まわり510mm、2脚のシートを中寄したスーパーリラックスモード870mm。エグゼクティブパワーシートは頭上260mm、膝まわり510mm。エグゼクティブラウンジシートは頭上270mm、膝まわり460mmとなる。

 つまり、後席膝まわり空間がもっとも広いのは、2列目キャプテンシートでも、シートスライド量がもっとも長い、スタンダードなリラックスキャプテンシートのスーパーリラックスモードの870mmということになり、ここまで2列目席の膝まわり空間が広いクルマは、一般的な市販車ではほかにないと言っていいだろう。

 よって、後席の広さクラス別選手権では、堂々の1位ということになる!!

 それでは、アルファード(ヴェルファイア)クラスの弟分と言える、Mクラスボックス型ミニバンはどうだろう。ここでは、日産セレナ、ホンダ・ステップワゴン、トヨタ・ノア&ヴォクシーが揃う。

 結論から言えば、アルファード(ヴェルファイア)のスーパーリラックスモード同様のシートスライド機構を備えるノア&ヴォクシーがリードする。具体的には、ノア&ヴォクシーが頭上260mm、膝まわり300mm、リラックスモード600mmだ。

 次はセレナで、こちらもロングスライド機構を持ち、頭上280mm、膝まわり360mm、ロングスライド時520mmとなる。

 ステップワゴンは頭上290mm、膝まわり360mm固定である。2列目膝まわり空間がもっとも広いのは、ノア&ヴォクシーとなり、セレナがそれに迫る、という構図である。

 ちなみに、Lクラスのホンダ・オデッセイは頭上250mm、膝まわり335mm。三菱デリカD:5は頭上210mm、膝まわり260mmである。

 ここで、比較参考値として、先代メルセデス・ベンツSクラスのデータを示すと、後席は頭上130mm、膝まわり230mmである。上記のミニバンたちの2列目席居住空間がいかに広いかが分かるだろう(JAL B777-200のクラスJの膝まわり空間は200mm)。

売れ筋のSクラスや軽自動車でもガチンコ対決!

 では、同じミニバンでも、Sクラスはどうか。ここではトヨタ・シエンタとホンダ・フリードの対決である。

 シエンタは頭上200mm、膝まわり220mm。

 フリードは頭上180〜230mm(シートタイプとスライド位置による。最大値はキャプテンシート最後端位置)、膝まわり220mmと、ほとんど同じ2列目席スペースを持つことになる。

 プチバンと呼べる、2列シートのハイトワゴンは、スズキ・ソリオとトヨタ・ルーミーの対決だ。ソリオは頭上215mm、膝まわり最大360mm(後席スライド位置後端)、ルーミーは頭上190mm、膝まわり最大385mm(後席スライド位置後端)。頭上空間ではソリオ、膝まわり空間最大値ではルーミーの勝ち、ということになる。
※後席の乗り心地や静かさは考慮外。

 最後は、まさに下克上的パッケージ、後席の広さを持つ、4台が揃うスーパーハイト系軽自動車の対決だ。膝まわり空間の広い順に並べると、ホンダN-BOXが頭上265mm、膝まわり最大420mm。日産ルークス(三菱ekスペース)頭上250mm、膝まわり最大400mm。ダイハツ・タントが頭上270mm、膝まわり最大355mm、スズキ・スペーシアが頭上280mm、膝まわり340mmとなる。

 ズバリ、コンパクトミニバンのフリードやシエンタより広々としているのだから、繰り返すが、室内空間の広さという点では下克上的パッケージであり(その分、ラゲッジスペースの奥行きはバーターで制限されるが)、軽自動車にしてワーケーションにも十分使える快適広々空間が確保されていることになる。前席シーバックテーブルがあれば、なお効率的に仕事ができるに違いない。

 結論としては、トヨタ・アルファード(ヴェルファイア)のリラックスキャプテンシートの2脚のシートを中寄したスーパーリラックスモード870mmが最大値となり、間違いなしに優勝である。とはいえ、Mクラスボックス型ミニバンの2列目キャプテンシートのロングスライドさせたときのトヨタ・ノア&ヴォクシーの600mm、日産セレナの520mmもすごい。

 前後席の会話が遠くなるぐらい広い! つまり、この3台が、国産車の後席の広さクラス別選手権の金、銀、銅メダルということになるだろうか。ひとつの目安、比較値として、参考にしてほしい。