かつてはそこそこ人気だったのにスッカリ下火! JEEPグラディエーター導入をきっかけに日本で「ピックアップ」は復活できるか?

この記事をまとめると

■ジープ・ラングラーの後部を荷台にしたグラディエーターが2021年冬に日本導入される

■アメリカンピックアップは過去にフォードのモデルが正規輸入されていた

■日本で買える国産ピックアップはハイラックスのみだが、昔は多くの車種が販売されていた

久々のアメリカンピックアップの正規輸入に期待!

 ジープ・ラングラーをベースにしたピックアップトラック、グラディエーターが日本でも販売されることになった。我が国でジープのピックアップが売られるのは、これが初めてだ。

 ただし生まれ故郷のアメリカには、ジープのピックアップは昔からあった。そもそもルーツのウィリスMBは1/4tトラックと呼ばれていたし、終戦後まもない1947年には、キャビンと荷台を分けた本物のピックアップも誕生している。グラディエーターという名前も初めてではなく、ワゴニア・ベースで1963年型として生まれたピックアップの名前に使われている。つまりリバイバルだ。

 正規輸入されるアメリカンピックアップはグラディエーターが初、というわけでもない。かつてフォードのピックアップが輸入されていたからだ。

 輸入元はフォード自動車(日本)で、近鉄モータースや北海自動車工業、ニューエンパイヤモーターなど全国各地のディーラーが販売を担当していた。当時のフォードはトラクターも生産しており、北海道など向けの輸入もしていた。こうした経緯から、フルサイズのピックアップであるF150も導入していたのだろう。

 その後、輸入元がオートラマを経てフォード・ジャパン・リミテッドになると、今度はSUVのエクスプローラーをベースとしたスポーツトラックが輸入された。

 エクスプローラー・スポーツトラックはダブルキャブで、サスペンションもSUVと基本的に同じ4輪独立懸架だったこともあり快適性は高かった。当初は4リッターV6のみだったが、途中で4.6リッターV8も追加されている。

スペース効率の悪さで日本・欧州では人気が出ていない

 一方の日本勢は、現在はトヨタ・ハイラックスが販売されているが、その前は三菱トライトンがメジャーだった。直線基調のハイラックスと比べると、大胆な曲面を多用したデザインが個性的だった。エンジンはハイラックスは2.4リッター直列4気筒ディーゼルターボだが、トライトンは3.5リッターV6ガソリンだった。

 ただしハイラックス、トライトンのどちらも日本製ではなく、タイで生産される輸入車だ。タイは東南アジア諸国のなかでは珍しくピックアップが人気で、日産やいすゞなどもここでピックアップを作り、世界中に輸出している。

 昔はほとんどの日本メーカーが国内でピックアップを作り売っていた。日産のダットサンやサニートラック、マツダ・プロシードなど、いくつものクルマが思い浮かぶ。

 ではなぜ日本でピックアップトラックの人気が下火になってしまったのか。スペース効率が悪いからだろう。ヨーロッパも同様の考え方で、ピックアップはトヨタや日産などがたまに走っているに過ぎない。

 しかし、北米や南米、東南アジアやアフリカなどでは、今も根強い人気を持つ。前輪とエンジンの上に運転席があるキャブオーバーと比べて快適性が高いうえに、スポーティな走りも楽しめるからだろう。

 つまり、効率よりも余裕を重視したクルマ選びをする人がそれなりにいることになるわけで、日本ももう少し余裕を持ったカーライフを楽しめるような社会になってほしいものだ。