時速60kmまでの超小型EV「トヨタC+pod」に「本当の実用性」はあるのか?

この記事をまとめると

■C+pod(シーポッド)はトヨタの超小型電気自動車

■2020年より法人向けの限定販売が開始されている

■機能や使い勝手などについて解説する

コンセプトモデルとほぼ変わらぬ姿で量産

 トヨタの超小型電気自動車(EV)であるC+pod(シーポッド)は、一昨年の2019年東京モーターショーで公開された。そのあと昨年の12月から、法人向けの限定販売が開始された。個人の消費者へは、来2022年中を予定している。

 グレードは2とおりあるが、それぞれ補助金を適用すると約150万円で手に入れられる。2人乗りで、最高速度は時速60kmまで。市街地での利用を前提とし、高速道路(都市高速など自動車専用道路も含む)は利用できない。車両には、アクセサリーコンセント(100V)が助手席の座面下側にあり、またヴィークルパワーコネクターを車体前面の充電口に差し込むことで、それぞれ車外への給電機能もある。

 法人への限定販売では、中部電力カミライズとのワンストップサービスや、関西電力および東京電力エナジーパートナーとの提携によるサービスも公表されたが、具体的な姿はあまり目に届いていない。

 神奈川県横浜では、トヨタレンタカーの7カ所の拠点で、ショートタイムレンタカーの取り組みが行われ、1時間800円から乗ることができる。

 C+podは、東京モーターショーへの出展の際とほとんど変わらぬ様子で量産に持ち込まれたようだ。それほど出展時の完成度が高かったといえる。運転席に座ると、何か特別な印象を与えることもなく、普通に運転することができる。ただ、EVであることと、超小型モビリティであることにより、多少操作に違いはある。

走行騒音の大きさが一般的な乗用車と超小型モビリティの違い

 スイッチは鍵で操作するが、前進や後退の切り替えはボタン式スイッチを押して行う。また、一般的なオートマチックと異なり、パーキング(P)のスイッチはなく、ニュートラル(N)にしたらサイドブレーキをきちんと引くのを忘れないように。あとは、通常通りの運転操作だ。

 モーター駆動であるため、アクセル操作に対し正確に、また的確に速度を上げていき、アクセル全開にしようと床までペダルを踏み込んでも、猛然というような加速はしない。一般公道を走る際の追い越し加速などで不自由しない程度の速力であり、十分な加速性能である一方、驚くような加速でもない。一般公道を時速60kmまでの速度で交通の流れに乗るのに十分な速さと感じた。

 パワーステアリングはなく、ブレーキの倍力装置もない。それでも、車両重量が700kg以下なので、きちんと運転操作をすれば、操作が重すぎることはない。

 ドアに設けられた窓は、手動で開閉する。ここが超小型モビリティならではの簡素さだ。空調は取り付けられており、窓の開け閉めを行うことはあまりないかもしれない。

 EVならではの、車両接近通報装置の音が直接的に室内に届き、それが解除されたあとはタイヤのロードノイズが車内へ入り込む。したがって走行騒音は結構大きく、常に耳に届く。一般的な乗用車と超小型モビリティの違いを実感する点だ。

 狭い街並みや、公共交通機関が十分に整備されていない地域で利用するには便利な乗り物だ。一方、首都圏のような、都市高速が整備された地域では、自動車専用道路も走行できないため、移動に不便を感じるかもしれない。来年、日産と三菱自から軽自動車のEVが、補助金を利用した支払額200万円ほどで買えるとしたら、都市部では価格競争力に不足するかもしれない。