欧州で新型が出るも日本のマーチは10年放置! ファンが気になる「消滅回避の鍵」はe-POWERの浸透にある?

この記事をまとめると

■日産マーチの国内モデルは2010年以来11年にわたってモデルチェンジしていない

■欧州に投入された新型マイクラは3ナンバーサイズとなっており国内での競争力に欠ける

■シリーズ式ハイブリッドが普及すればマーチe-POWERという起死回生の一手も考えられる

欧州ではモデルチェンジするも国内モデルは旧型のまま継続販売

 日産自動車は、欧州ではマーチ(現地車名はマイクラ)を2017年にモデルチェンジしたが、国内では2010年に新型として以来11年にわたって変更されていない。

 それに対し、ノートは2012年に前型がモデルチェンジにより2代目となり、8年後の昨20年にフルモデルチェンジを果たし、人気を継続している。

 マーチのような小型ハッチバック車は、欧州で人々の日常の足となる重要な車種であり、日本でたとえれば軽自動車のような役目を果たしている。ディーゼルエンジン比率が高く、またマニュアルシフトで運転されるのがほとんどだ。

 欧州の競合車種、たとえばフォルクスワーゲン・ポロや、プジョー208などがいずれも、日本での3ナンバー車となった。したがって、欧州で販売されているマイクラの現行車も、車幅は1.7mを超え、日本で同じクルマを販売するなら3ナンバー車となってしまう。

 一方、国内での競合となるトヨタ・ヴィッツ(現行ヤリス)やアクア、あるいはホンダ・フィットはいずれも5ナンバーを守っており、マーチも国内で継続するなら5ナンバー車でなければ競争しにくいだろう。そこで、モデルチェンジの機会をうかがったまま現在に至っているのではないか。

今後登場する軽EVとノートに挟まれる微妙な立ち位置

 ノートも、昨年フルモデルチェンジをして5ナンバーを守っている。そのうえで、ノートオーラを新たに生み出し、高付加価値を与えるとともに3ナンバー車とした。これが実現できたのは、ノートとオーラを同時並行で開発したことだけでなく、両社ともハイブリッド専用車とすることにより、小型ハッチバックのエンジン車での価格競争を回避し、5ナンバー車のノートでも上級という付加価値に活路を見出した点にある。

 また、昨今のSUV(スポーツ多目的車)人気により、単に移動の足としての小型ハッチバック車という価値だけでなく、暮らしや休暇での利便性も加味することで、より多くの消費者の期待に応えられ、より多くの販売台数を見込めると読んだのかもしれない。

 日本での日常の足となるクルマはすでに述べたように軽自動車が圧倒的であり、来年には、日産と三菱自動車から軽EVが誕生する。

 ヤリスやアクア、フィットの人気は高いが、日産はe‐POWERとして認知度を高めたハイブリッド車(HV)を主体とした車種構成と、軽EVという新たな車種の創造により、独自の販売戦略を模索していると考えられるのではないか。

 そうしたなか、e-POWERと同様の機能を追加したアクアが人気をあげつつある。トヨタが1997年に売り出した初代プリウスが築いたパラレル式にシリーズ式の価値を加え、それがアクア人気を押し上げているとの見方もある。

 シリーズ式ハイブリッドの価値が市場により浸透すれば、マーチe-POWERの可能性もゼロではないかもしれない。

 いずれにしても、軽EVが出てくる以上、EVを軸とした電動戦略のなかで、日産が車種構成をどう考えていくかだ。マイクラが走る欧州も、EVが待ったなしの状況へ進んでいく。