北米は40倍! 欧州は80倍! 中国は200倍も日本に比べてEVが売れている! 日本で新車販売のたった1%しか電気自動車が売れないワケ

この記事をまとめると

■中国・欧州・米国では順調にEVの販売台数が増えている

■一方の日本は、EVの販売台数は新車販売台数の1%にも及んでいない

■日本でEVの普及が進まないのは金銭面の問題ではなく環境への国民の意識の低さが原因だ

中国では日本の約200倍のEVが売れている

 昨年、中国では290万台の電気自動車(EV)が販売されたという。欧州連合(EU)では120万台で、新車販売の10%を超えている。米国は60万台であった。中国やEUに比べ米国の数字は見劣りするが、2015年と2020年を除いて前年を上まわる台数になっているとのことだ。

 また、米国は、ZEV(ゼロ・エミッション・ヴィークル)法を導入する州とそれ以外ではEV購入に対する意欲が異なるはずで、米国全体としての台数が少なめになる傾向はある。

 いずれにしても、それら3つの地域は、排出ガスを出すクルマへの規制が行われ、あるいは二酸化炭素(CO2)排出量を規制するため、適合できないと罰金を伴う制度が実施されている。このため、EV販売が急速に伸びている。EUでは、すでにプラグインハイブリッド車(PHEV)の台数をEVが上まわっているとの話もある。

 これに対し日本は、新車販売の1%にも及ばない。台数では1万5000台ほどだ。欧米や中国に比べ、一桁も二桁も劣っている。

環境に対する国民の意識の低さが問題だ

 では、トヨタが世界初として1997年に発売を開始したプリウス以来のハイブリッド車(HV)はどうかというと、こちらは2020年の数値だが、92万台で新車販売の37%となっている。もっとも売れているのはガソリンエンジン車で138万台、新車販売の55%を占める。HVがなかったり、HVを選べる車種が限られたりするメーカーは、ディーゼルエンジン車の販売に力を注いできたが、その販売台数は14万台で、6%弱というところだ。

 いずれにしても、日本は、HVも含め電動化による排出ガスや燃費の対応で、今日なお欧米と中国に比べ遅れをとっている。しかも、日本の行政は、罰則を伴う厳しい導入計画を持たないため、今後もEVの急増は望めない。

 一方で、取り扱いが容易ではなく、燃料補給施設(水素ステーション)の整備も進まない水素に話題を集めようとする様子さえある。発電では、再生可能エネルギーへの依存を強めようとする動きがある。そして水を電気分解して水素を得ようとする構想もある。水素社会の実現が安倍政権時代からの方向だ。しかし、それではいつまでたっても脱二酸化炭素社会の実現は難しい。なぜなら、いずれも理にかなわず、原価が合わないからだ。

 EVは、先ごろ日産自動車とホンダが全固体電池の見通しを示し、性能はもちろん、日産は原価の低減にまで触れた。EVを普及させれば、ヴィークル・トゥ・ホーム(VtoH)など、家庭や施設などへの電力供給による、電力消費の平準化につながり、高効率な電力利用が実現する。

 最大の課題は、マンションなど集合住宅に普通充電設備の設置ができないことだ。しかもそれは金銭の問題ではなく、環境への国民の意識の問題である。真実を知り、意識の転換さえできれば、EVの普及と、それに付随した安心・安全な社会の構築につなげていくことができる。

 EVの普及は、たとえ自分が購入しなくても、日本の未来につながるという認識が国内に浸透する必要がある。それなくして、EV販売で欧米や中国には到底追いつけないのはもとより、環境とエネルギーに不安を抱えたまま、未来への希望を描けない国になってしまうかもしれない。