ガチで古いクルマは故障が怖い……は間違い!? 旧車で起こるちょい古より激古のほうが維持しやすい「逆転現象」の正体とは

この記事をまとめると

■ネオクラシックと呼ばれる1980〜90年代のクルマは意外と維持が大変だ

■クラシックカーは壊れても簡単に直せるしパーツも思いのほか見つけることができる

■旧車に乗るのであれば世界中で名車と認められているシンプルなモデルがおすすめ

日本でもっとも売れたモデルなのに現存車種は少ない!?

 今年3月、某誌の取材で久しぶりに、日本シトロエンクラブのミーティングに、自分のGSで顔を出したときのこと。生産終了から半世紀近くになるクラシックDSより、日本でもっとも売れたシトロエンであるBXのほうが参加台数が少ないことに気づいた。

 でもこれ、旧車の世界ではよくある話。ネオクラシックと呼ばれる1980〜90年代のクルマたち、意外に維持が大変らしいのである。

 理由のひとつとして考えられるのがクルマの構造だ。

 もっとも信頼性が高いシトロエンは何かと尋ねたら、このブランドにくわしい人は多くの人が2CVと答えるだろう。たしかに基本設計は古いけれど、あまりにシンプルな作りなので壊れる場所がほとんどないし、仮にトラブルが起こっても、多くのメカが丸見えなので原因がわかりやすく直しやすいからだ。

 その点クラシックDSは、ハイドロニューマチックという凝ったサスペンションを持ち、同じ油圧でブレーキやステアリング、トランスミッションも動かしていたのでトラブルの場所は多くなるが、それ以外はさほど複雑な構造ではない。

世界的に名車と認められたモデルのパーツは今でも入手可能

 ところがBXなどのネオクラシックになると、エンジンがインジェクション制御になり、エアコンやパワーウインドウなど電気で動かす部分が増えたうえに、内装には劣化しやすいプラスチックを多用するようになった。構造が複雑になった分、アッセンブリー交換となる部分が増え、修理の際にお金がかさむようにもなった。

 加えて2CVやクラシックDSなどは、世界中で名車として認められているので、再生部品も多く供給されている。ネオクラシックで、まだそこまでの評価を受けていないモデルのほうが、部品の入手が大変という話はよく聞く。

 国別でも違いがあって、英国生まれのクラシックカーのなかには、今でも部品だけで1台作れるほどパーツが豊富なクルマもある。逆にフランスはもともと新しもの好きなのか、一部を除けば好ましい状況ではない。日本車も、旧いクルマの税金が上がることでわかるとおり、モノを長く使うことを美徳としていない国の生まれなので、部品供給も好ましくない。

 最近は一部の日本メーカーが部品の再生産を始めたけど、ごく一部のスポーツカーに限った話だ。そういう車種を趣味の対象とすれば苦労は少なくなりそうだけれど、市場もそれは織り込み済みで、相場が上昇中であることはご存じのとおり。

 となると、巡り巡って2CVのような、シンプルかつベーシックな旧車をお散歩代わりに乗って楽しむというのが、いちばん健全な旧車ライフになりそうだ。