この記事をまとめると
■国産ワゴンは市場が縮小しており選べる車種が少ない
■ワゴンはSUVよりも使い勝手も走りも優れている場合が多い
■ちょい古モデルから最近のモデルまででオススメの中古ステーションワゴンを紹介する
SUVブームだからこそ今はワゴンに乗るべき!
空前のSUVブームで街中やリゾート地、アウトドアフィールドには国産、輸入SUVが溢れかえっている。素人目にはどれも同じようなカタチに見え、下手をするとブームに乗っかったクルマの選択……なんて思われるかも知れない。
そこで今、あえて”ハズシ”の美学で乗りたいのが、かつて一世を風靡したちょい古のオシャレなステーションワゴン。セダンに準じる運転感覚、取りまわし性の良さ、燃費の良さ、そして全高1550mm以下なら立体駐車場への入庫も容易な使い勝手の良さに加え、SUV以上に荷物の積載が楽な低フロアのラゲッジスペースを備えているのだから、普段使いはもちろん、アウトドア、キャンプの足にも最適とさえ言えるのである。
そんなステーションワゴンは現在、超高速走行性能が求められる欧州車には数多く存在するものの、国産車の新車では激減中。ミニバンやSUVにその座を奪われているのが実情だ。5ナンバーサイズで使いやすさ抜群のホンダ・シャトルも年内でその役割を終えることになっている……。
では、ちょい古のオシャレステーションワゴンにはどんな車種があるだろう。まず輸入車から見てみると、その筆頭がボルボ240シリーズだ。
日本では1980〜90年代にブレイクし、そのエステートと呼ばれるワゴンはカタカナ職業の人たちに絶大なる人気を得ていた。90年以降のモデルにエアバッグ、91年以降のモデルにABSが装備され、クルマの安全性能をリードしてきた1台でもある。
クラシックボルボエステートとして、今見てもむしろスタイリッシュでオシャレに感じさせてくれるほどである。この当時、ボルボは世界でもっともワゴンを製造していた自動車メーカーでもあったのだ。
そんな240シリーズの後継車となるのが、FRからFFレイアウトになった850シリーズだ。
1992年に販売が開始され、93年にワゴンモデルを追加。5気筒エンジンを搭載し、240以前の安全第一のイメージを払拭した、洗練されたスポーティイメージも加わった。セダンも用意されていたが、やはりエステート人気が圧倒的だった。
日本のワゴンに大きな影響を与えたのはもちろんで、850エステートは1994年度グッドデザイン賞を獲得したほど。セダンほど四角さが強調されないエクステリアデザインは、今見ても決して古さを感じさせない。
走りも見た目も積載力にも優れるオールマイティさが魅力
エクスクルーシブなちょい古ステーションワゴンを望むなら、メルセデス・ベンツのCLSシューティングブレークはどうだろう。
セダン版でさえクーペのような流麗なスタイリングの持ち主だが、このシューティングブレークはそのワゴン版。
シューティングブレークとは、狩りのためのクルマであり、ラゲッジスペースは同じメルセデス・ベンツのワゴンほどの広さ、高さは持ち合わせていないものの、クーペワゴンと言えるスタイリッシュさ、オシャレさ、そしてワゴンとしてのハイエンド感では他の追随を許さない。
マニアック×オシャレなちょい古ステーションワゴンとしては、BMWアルピナの3シリーズツーリングが最高だ。走りの素晴らしさは周知のとおりで、しかもリムジンと呼ばれるセダンではなく、ツーリングという選択がニクい。
先代型となる2013〜2015年モデルなら予算500万円程度で探せるかも知れない。
以上の輸入ステーションワゴンは探すのが大変だったり、中古車でも依然、安くはない価格を維持していたりするが、では、国産のお手頃価格で手に入るちょい古ステーションワゴンのお薦めモデルと言えば、筆頭は1994年から1997年まで販売された、2代目ホンダUSアコードワゴンだろう。
じつは、筆者もそのUSアコードワゴンを2台続けて所有していたほどで、走りの良さ、ワゴンならではの荷物を積載性の良さに加え、US HONDAエンブレムのカッコ良さも人気の秘密。今見ても、こう言ったら何だが、3代目よりずっとカッコいい。
※写真はアコードクーペ用のUSエンブレム
高性能なちょい古ステーションワゴンが望みなら、国産ワゴンに究極の1台がある。それは1998年デビューの3代目スバル・レガシイツーリングワゴンにあった、ポルシェデザインのエアロパーツを纏ったBLITZEN/ブリッツェン。当時、毎年限定車で発売されたものの、即完売の超人気車であった。
上記の6車種であれば、SUV全盛の今でも目立つこと請け合い。”ワゴンを愛する派”としてのこだわり、オシャレっぽさに、羨望の眼差しを浴びるかも知れない。