ブームに乗った「お気楽すぎる」挑戦はヤバイ! 車中泊の最低限知るべき知識3つ

この記事をまとめると

■いま「車中泊」が空前の大ブームとなっている

■しかし準備を怠るとトラブルが発生することも

■この記事では押さえるべき3つのポイントについて解説する

「場所」「季節(天候)」「道具」の3つが重要!

 今、空前の大ブームとなっている「車中泊」。シングルの若い世代からファミリー、子離れ世代まで、自分たちのペースでいろいろな楽しみ方ができるのが車中泊の魅力です。タレントの優木まおみさんなど、著名人も「車中泊好き」を公言している人も増えていますね。

 ただ、なんの下準備も知識もなしに、好き勝手にクルマの中で寝ればいいと思っている人は、ちょっと待った。最近はそうした、安易な考えで車中泊をする人たちによる迷惑行為やマナー違反でトラブルが発生したり、最悪の場合には命の危険に晒されるような無謀な状況も増えているようです。初めての車中泊なら、「場所」「季節(天候)」「道具」の3つを考慮し、しっかりと準備をして行くのが安心で楽しい車中泊のための大前提。今回は、キャンピングカーではなく乗用車のマイカーで、休日を使って車中泊をしている人たちの声や、数カ月にわたり車中泊を中心として日本全国を旅した経験者の声を聞きながら、3つの押さえるべきポイントと、どの程度まで連泊が可能なのかなど、ご紹介したいと思います。

 まず1つ目の「場所」ですが、駐車可能な場所であることはもちろん、地面が水平で水道やトイレが近くにあるところが初心者にはおすすめ。道の駅や高速道路のSA、自治体が管理している公園の駐車場などは車中泊が禁止されているところも多いので、事前に確認が必要です。安心なのは、「RVパーク」「オートキャンプ場」「シェアリングスペース」の3つ。なかでも、日本RV協会が認定した車中泊専用の駐車場である「RVパーク」なら、トイレはもちろん入浴施設やコンビニ、レストランなどが併設されていたり、近くにあるところが多く、利用料が数千円と手軽なことや、有料ですがゴミ処理もお願いできるのが嬉しいところ。また、車中泊したい人と、空いている駐車場をマッチングしてくれる「Carstay」といったアプリを活用して、シェアリングスペースを探すのもおすすめです。

人が快眠できる気温は16℃〜26℃

 続いて「季節(天候)」のポイントを見ていきましょう。一般的に、人が快眠できる気温は16℃〜26℃といわれています。そのため暖房や冷房の設備がない車中泊では、やはり春と秋がもっとも適している季節といえるでしょう。ただ夏も、山間部や海辺などでは、昼間は30℃くらいの暑さでも、夜から朝にかけては10〜20℃台に気温が下がるところもありますので、標高が高い場所や風通しのいい場所なら快適性は増すと思います。それでも、長い休暇が取れるのは夏か冬、という人も多いので、気温の高い・低いに応じた暑さ・寒さ対策が必須になります。夏は持ち運べるタイプのスポットクーラーや冷風機、冬は電気毛布やポータブルファンヒーターなどが手っ取り早い対策になりますが、それらを使うには電源が必要。でも車中泊では乗用車はエンジンを切るのがマナーとされているので、電気自動車やPHVなど外部給電システムがあるクルマを除き、USBなど車載の電源は使えません。そこでポータブル電源を用意することになりますが、その電力容量こそが、どれくらい連泊が可能となるかの鍵を握っています。

 例えば、消費電力50Wの扇風機を6時間使用するには、300Whの電力容量が必要です。ポータブル電源のスペックは、価格が5万円前後の手頃なもので、400Wh程度が一般的。そうなると、2泊目の夜に電源が尽きてしまうことになりますので、夏場の車中泊は1泊〜1.5泊程度となるでしょう。冬の場合は、例えば消費電力5Wの電気毛布(弱モード)を6時間使用すると、30Whの電力容量が必要です。400Whのポータブル電源なら、13泊程度が可能という計算に。もちろん、電気毛布以外にも調理やファンヒーター、照明などで電源を使うならもっと少なくなりますが、カイロや保温マットなどで工夫することで、夏よりは冬の方が連泊は長くできる可能性が高くなります。また、RVパークなどで給電システム付きの場所を選べば、電源は確保できますので連泊もしやすくなるでしょう。

 続いて「道具」のポイントとして、必ず準備したいのがマット&クッション、シェード(目隠し)、寝袋もしくは布団、照明器具の4つ。とくにマットは、自分のクルマでシートアレンジを試してみて、凹んでいるところや隙間にピタリと埋まるものや、段差をなくしてくれるものを吟味しておくと、フラットなスペースで快適に過ごせます。さらに余裕があれば、換気のために窓を開けた時に虫などが入らないようなクルマ用の網戸や、食事などをするための折りたたみテーブル、ポータブル電源を揃えるといいでしょう。いずれにしても、いきなり山奥に行って車中泊をするのではなく、まずは戸建の家で駐車場がついているなら、そこで一晩、車中泊の予行演習をしてみること。もしそうしたスペースがないなら、自宅から近く、何か足りないものがあれば調達できるお店などへアクセスのしやすい場所を選んで、お試し車中泊をしてみると、何が不便でどんな道具が足りないのかが見えてきます。

 そして季節を問わず、車中泊で連泊が厳しくなる要素として、「ゴミが溜まってしまう」ということがあります。車中泊で出たゴミは、自分たちで持ち帰るのがマナー。公共施設のゴミ箱に廃棄するのはマナー違反です。連泊すれば、それだけゴミも溜まってくるので、匂いが出ない、液体が漏れないなど、車内で保管しておくための工夫も必要となります。

 ということで、車中泊を安心・安全に楽しむためのポイントをご紹介しました。まずは無理せず、自分たちに合ったスタイルを探しながらトライしていくことが大切ですね。