ステップワゴンも廃止! 「横開き」のリヤゲートが最近のクルマから消えつつある理由

この記事をまとめると

■横開きのリヤゲートを採用するクルマが減っている

■ステップワゴンも先代までのアイコンだった「わくわくゲート」を廃止

■改めて横開きのリヤゲートのメリット・デメリットを解説する

新型ステップワゴンも「わくわくゲート」を廃止

 6代目となる新型ステップワゴンを見て、ふとこんなことを感じた。「リヤゲートの横開きがめっきり減った」。5代目ステップワゴンの場合はちょっと特殊で、わくわくゲートのサブドアと呼ばれるドアが横開き式で、もちろん、全体を縦に跳ね上げることもできた。ただ、左右非対称のデザインが、どうやら一部のユーザーに受け入れられず、新型ではわくわくゲートを廃止。通常の縦開き式に戻されたというわけだ(軽量化と縦の長さの縮小がポイント)。

 ダイハツの軽自動車のムーヴのリヤゲートも、5代目までは横開き式を採用。しかし2014年に登場した6代目からは、主にユーザーからの要望によって一般的な縦開き式に改められている。そのほか、日産キューブ、トヨタ・ラッシュ&ダイハツ・ビーゴ、トヨタ・ヴァンガードが横開き式リヤゲートを採用していたのだが、ステップワゴンのわくわくゲートなき今、横開き式リヤゲートを持つクルマは極めて少数派。背負いスペアタイヤの需要があるスズキ・ジムニーなど一部のSUVに限られている。

 では、横開き式リヤゲートのデメリットはなんだったのだろうか。たとえば、リヤゲート開口部横にヒンジを持つため、ラゲッジルームの開口幅が微妙に制限される、開閉時に強風の影響を受けやすい、リヤゲートを開けた際にひさしの役割を果たしてくれない(雨の日は雨水がラゲッジルームに吹き込みやすい)……といったことなどが挙げられる。

愛犬家にはメリット絶大!

 が、じつは横開き式リヤゲートにもメリットはある。まずは、開閉操作が軽く、ラクで、身長の低い人でも開けやすいこと。そして5代目ステップワゴンのわくわくゲートの横開き式サブドアが示すように、車体後方にスペースがない場所でも、リヤゲートを大きく開ける必要なしに荷物の出し入れがしやすい点などだろう。また、ペット関係の職業、愛犬家にとってもメリット絶大で、ガバッと開く縦開き式だと、ラゲッジルームに乗せた犬(ペット)が飛び出す可能性があるのに対して、横開き式なら少しずつ開けることができ、人の体でブロックしやすいため、安全に犬(ペット)を降車させることができるのだ。動物プロダクションやブリーダーなどが、横開き式バックドアを重宝している理由がそこにある。

 とはいえ、すでに説明した縦開き式のリヤゲートの操作性が重い……という点に関しては、ダンパーのおかげで比較的軽々と開け閉めできるようになっているし、より大きなリヤゲートを持つミニバンやSUVなどはパワーテールゲートを用意したり、新型ノア&ヴォクシーのように、パワー、非パワーテールゲートを問わず、カラクリによって任意の位置で開閉を止められるから、以前のような縦開き式リヤゲートのデメリットのほとんどが解消されているのも事実。加えて、縦開き式リヤゲートでも、ヒンジの位置の工夫で車体後方に大きくはみ出さない開閉が実現されているクルマもあったりするのである。

 ただ、現実的に駐車スペースの関係で、車体後方にスペースが取れず、大きく開く縦開き式リヤゲートだと使いにくい、という人もいるはずだ。ならば、ボックス型ミニバンなら先代ステップワゴンのわくわくゲート(中古車)を手に入れるか、輸入車になってしまうが、ルノー・カングーや、なんとリモコンキーで開くこともできるミニ・クラブマンのような観音開き式リヤゲートを持つクルマを選ぶといいだろう。観音開き式リヤゲートなら1枚ものの横開き式リヤゲートよりさらに省スペースでリヤゲートを開閉することができる。もちろん、テールゲートを日よけのひさしとして活用したり、雨宿りすることはできないけれど……。