話題の軽EV2台は結構違う! 「日産サクラ」「三菱eKクロスEV」ドッチにするの問題は悩ましかった

この記事をまとめると

■日産と三菱の軽EV両車の違いを解説

■日産は日産、三菱は三菱でキャラの違いを持たせているのが見所だ

■デザインだけでなく、ライフスタイルに合わせて選ぶというのも手段としてはアリだ

両社の軽EVにはどういう違いがあるのか

 デイズとeKワゴンなどと同様に、日産と三菱の合弁会社NMKVの企画・マネジメントの下、リーフ、アリアで培った日産の電気自動車に代表される先進技術、そしてアイミーブ、アウトランダーPHEV、エクリプスクロスPHEVを送り出してきた三菱の電動化技術を結集して登場させた軽規格かつ軽自動車のゲームチェンジャーになりうる電気自動車が、日産サクラと三菱eKクロスEVだ。

 両車はプラットフォーム、タイヤ、EVシステム、その出力、シティコミューターと考えていいWLTCモード180kmの航続距離、充電時間、電制セレクターのデザイン、基本的な安全装備などはまったく同じ。グレードごとの価格もほぼ同等だ。

 デイズとeKワゴンがそうであるように、軽EVとしての恐ろしく静かでスムースかつ軽ターボの倍近いトルクによる圧巻の加速性能の素晴らしさ、軽自動車らしからぬ操縦安定性の高さ、乗り心地の良さも変わらないと考えていい。

 しかしだ、じっくりと両車を比較していくと、あえてデイズとはまったく異なるものが与えられたサクラのエクステリア、インテリアデザイン、eKクロスをベースにしたeKクロスEVのエクステリア、インテリアデザインは別にして、微妙な違いがあることがわかってくる。

「軽EV」という共通点があるだけで決して似た者同士ではない

 まず装備類の違いから説明すると、自宅での充電も可能な200V充電用のコードはeKクロスEVが標準、サクラはディーラーオプション(3m/5万6100円、7.5m/5万8960円、15m/6万3910円)だ。ちなみにeKクロスEVには充電コードのレスオプションもあり、マイナス1万9800円となる。

 エクステリアは、サクラはミニ・アリアのようだし、eKクロスEVはeKクロスほぼそのままと言っていい別物のデザインだが、グレードによって14/15インチが組み合わされるホイールも、デザインとともに仕様が異なる。サクラはX、Gグレードともにアルミホイールになるのに対して、eKクロスEVのPグレードはアルミホイールながら、Gグレードはスチールホイールとなる。

 インテリアは、そもそもサクラはまったくの新設計。布張りの面積も大きく、高級感たっぷりだ。そして、eKクロスEVはeKクロスをベースにしている違いがあり、インパネデザイン、メーター、センターコンソール、シートデザインなどもまた異なる。

 先進運転支援機能は日産がプロパイロット、三菱がマイパイロットと称するが(内容は同一)、サクラの上級Gグレードには標準装備。Xグレードにオプションとなる。

 一方、eKクロスEVはG、Pグレードともにパッケージオプションなのだ(SOSコールなど含む)。この件に関してeKクロスEVの開発陣に問うと、eKクロスEVのユーザーはあまり高速道路を走らないと推測されるため、高速道路同一車線運転支援機能のマイパイロットは二の次と考える一方、BEVにとって寒さは大敵のため、寒冷地仕様を優先した……とのことだった。それぞれの考え方の違いが面白い。

 なるほど、雪国でも人気の三菱らしい……と思わせてくれるのが、シートヒーター、ステアリングヒーター、ドアミラーの熱線、リヤヒーターダクトなどが含まれる寒冷地仕様がeKクロスEVには標準装備されること(一部はPグレードに標準、Gグレードにパッケージオプション)。

 EVシステム、64馬力の最高出力、19.9kg-mの最大トルク、そしてタイヤサイズもグレードによって同じだから走行性能は変わらない……はずなのだが、じつは違いがありそうだ。

 筆者はサクラGグレード、eKクロスEVのPグレードに公道試乗済みだが、同じ日、同じ道を走ったわけではないので断定はできないものの、高速走行時の静粛性で微妙な違いがあるかもしれないと踏んでいる。

 というのは、サクラに対してeKクロスEVはダイナミックシールドの分厚い顔つきを持ち、ルーフレールを装着しているため(ドアミラー形状は同一)、高速走行時の風きり音などでやや不利になると思われる。

 が、eKクロスEVで高速走行をしても、ガソリンターボ軽と比較すれば圧倒的に静かでスムースなEVならではの走りが実現されているから、サクラとeKクロスEVを2台所有して、毎日高速走行をする……ような人でない限り、どうということはないレベルの違いになるはずだ。

 両車の選択は、そうした主な装備類の違いに加え、エクステリアデザインで選択することになるだろう。ミニ・アリア的な存在感、先進感あるデザイン性を求めるならサクラ。

 大ブレーク中のアウトドアに軽EVで繰り出し、自然のなかを排気ガスなしで走り、静かにアウトドアを満喫したい人にはeKクロスEVがぴったりではないだろうか。いずれにしても、軽自動車の概念を変える、そして電気自動車そのものの商品性、手の届きやすい価格に大満足できる2台だと断言できる。