自分のクルマの「RS」の意味を知ってる? マニアが思わず「ピクッ」と反応するRSはメーカーによって千差万別だった

この記事をまとめると

■クルマの車名やグレード名に「RS」が入っているのをよく見かける

■同じ「RS」でもメーカーによって意味が異なる

■レーシング・スポーツ、ロード・セイリング、ランナバウト・スポーツなどがある

同じ「RS」でもクルマによって意味が異なる!

 クルマの車名やグレード名を見ていると、よく見かける「RS」。なんとなくイメージ的に「スポーツモデルなのかな?」と思うものの、じつのところどんな意味があるのか、よくわからないことも多いですよね。おおむね、通常グレードよりもスポーティなチューンが施されたグレードという位置付けが多いものの、メーカーによって「RS」に込められた意味が少しずつ異なっているのが面白いところ。今回はそんな「RS」の違いをご紹介したいと思います。

 まず、「RS」と聞いてたぶんこんな意味じゃないかな? と想像することが多い、レーシング・スポーツの頭文字をとってつけているメーカーはたくさんあります。その有名なモデルといえば、日産の6代目スカイライン、R30型。西部警察シリーズに登場したり、モータースポーツシーンで大活躍して人気となり、とくにマイナーチェンジで登場した愛称「鉄仮面」こと2000ターボRSは、4気筒エンジンながら1リッターあたり100馬力を達成し、史上最強のスカイラインと呼ばれることになりました。排ガス規制などの影響で伝統の6気筒を捨て、GT-Rを名乗らなかった時代のスカイラインでしたが、スーパーシルエットレースでの大活躍もあり、まさにレーシング・スポーツを地でいく代表的なモデルとなっています。

 そして、ドイツ語でレーシングスポーツを意味するRennsport(レンシュポルト)の頭文字をとっているのが、ポルシェ911のカレラRS。いわゆるナナサンカレラは、レーシングテクノロジーを存分に注いだ2.7リッターエンジンをリヤに搭載し、RRというレイアウトが特徴的。鋭い吹き上がりとパワフルさ、RRゆえの扱いの難しさがファンを虜にしています。そしてル・マンをはじめモータースポーツシーンで人々を魅了したカレラRSRターボは、レーシングスポーツを意味するRSに、さらにドイツ語でレーシングカーを意味するRennenwagen(レネンワーゲン)の頭文字を追加。マルティニカラーのカレラRSRは、今見ても迫力があってカッコイイですよね。

 また、TT RSクーペなどアウディのモデルに付けられているRSも、同様にドイツ語でレーシングスポーツを意味するレンシュポルトに由来しています。

 続いて、シビックRS、フィットRS、N-ONE RS、ジェイドRSなど、代々グレード名にRSを設定してきたホンダが込めた意味は、「ロード・セイリング」。これは風を受けて大海原を進むヨットのように、颯爽と道を駆け抜ける様子をイメージした言葉です。最初にRSが登場したのは、2022年で50周年を迎えたシビックですが、これは初代が登場した1972年当時、厳しい排ガス規制でスポーツモデルへの風当たりが強い風潮となっていたのですが、どうしてもスポーツモデルを諦めきれなかったための苦肉の策とも言われています。

 1974年に特別仕様車として追加されたシビックRSは、通常グレードが66馬力で4速MTだったのに対して、76馬力/5速MTとなっていたのが特徴。ワインディングロードなどを楽しく操れるモデルとして多くのファンに愛されました。近年のモデルにはRSはなくなりTYPE Rとなりましたが、そのほかの車種では伝統的なスポーツグレードとして続いています。

「RS」ではなく「R.S.」と表記されるモデルとは?

 次に、長年ワンメイクレースを続けているヴィッツRSや、ラリーのイメージが色濃いGRヤリスRSなど、トヨタ車に付けられているRSは、Runabout Sports(ランナバウト・スポーツ)の頭文字。このRunaboutはクルマのボディ形状を表していて、小型スポーツカーを意味しています。キビキビとスポーティに走れるモデルというイメージが込められており、このRunaboutという言葉はMR2やMR-Sの車名にもミッドシップ・ランナバウトとして使われています。

 そして、RSをロード・スポーツの頭文字としているメーカーが、スズキとスバル。スズキにはスイフトRSがあり、スイフトスポーツがモータースポーツシーンを想起させるハイパフォーマンスモデルであるのに対して、スイフトRSは走行性能に関しては通常モデルと変わらず、外装がちょっとだけスポーティな味付けとなっているようなイメージです。でも、もともとスイフトは欧州での走り込みを丹念に行って開発しているので、通常モデルでも走りの楽しさはお墨付き。コスパもいいと高評価です。

 さて、RSではなく、「R.S.」と表記されるモデルを伝統的に用意してきたルノーでは、ルノー・スポールの頭文字となっています。ルノー・スポールとは、1976年に設立された、ルノーのモータースポーツを一手に引き受ける部門です。ル・マンで勝利し、すぐにF1参戦を開始。F1で初めてターボエンジンを採用したのがルノーで、最初の数年間は苦戦しましたが、1979年に初勝利。ラリーやパリダカでも勝利を飾ったルノーですが、2000年代のフェルナンド・アロンソとともに築いたF1黄金時代は、印象に残っている人も多いと思います。こうしたF1をはじめとするモータースポーツで培った技術をフィードバックして作られているのが、メガーヌR.S.、ルーテシアR.S.、トゥインゴR.S.といったモデルたち。R.S.トロフィーという、かなりタフなスポーツ性能を与えられているモデルもあります。ただ、2021年5月にルノー・スポールはアルピーヌに統合され、新たなスタートを切っており、R.S.と名がつくモデルは現行型が最後になりそうです。

 ということで、メーカーによって異なる背景、思想、目標などが反映されている「RS」。その意味を知って乗ると、さらに楽しさや愛着が増すかもしれませんね。