アクセルもブレーキも「意向」を伝えるだけ! いまのクルマは「人間の操作」に忠実に動いていなかった

この記事をまとめると

■現代のクルマは電気と電子制御で管理されているといえる

■サポカーの機能もコンピュータあってのもの

■EVはより精緻に効率よく、快適な走行状態を作り出すことができる

走り出す前の段階から電子制御で管理されている

 電気自動車(EV)に限らず、今日のクルマは電気と電子制御で管理されているといっていい。

 そもそも、クルマに近づいてキーのボタンを押せばドアが開錠されること自体、電気や電子制御のおかげだ。電子キーから電波が発信され、クルマがその鍵が自車であることを認識したうえで、ドアロックを開錠する。

 電子キーを、イグニッションスイッチの近くに置いて、あるいは運転者がポケットなどに持ち、スイッチを入れることで起動する。ガソリンスタンドで洗車を頼むときなど、うっかり電子キーを持ちかえってしまうとクルマが動けなくなってしまうのも、電気と通信と電子制御で管理されている証だ。

 エンジンのアイドリングストップも、停車したり停車する直前にエンジンを停止したりする判断をするのはコンピュータだ。また、信号が青になり、発進しようとしてエンジンが再始動する際、オートマチック車ならブレーキペダルから足を離すと起動し、マニュアルシフト車ならクラッチペダルを踏み込むと起動する。これも、ペダル操作の様子をセンサーが検知し、それを電気で伝えてコンピュータが運転者の操作を判断し、エンジンをかける。

 いずれにしても、クルマが走り出す前の段階から、現代のクルマは電気を使い、電子制御で管理されているのである。

いまのクルマは電子制御から逃れられない仕様となっている

 エンジン回転も、運転者のアクセルペダルの操作のとおりに上下を調整しているわけではない。パタパタと無駄なアクセル操作をしているとコンピュータが判断すれば、エンジン回転を一定に保って燃費を稼いでいる。逆に、フルスロットルに近いアクセル操作が頻繁に行われるようであれば、運転者が全速力を望んでいるとコンピュータは判断し、出力特性を変えている。これらによって、普段は燃費のよい走りを促しながら、運転を楽しみたい様子であれば、ペダル操作に対し応答のよい設定に切り替える。

 変速機も、一定速度で走る状況であれば、上のギヤを選んで燃費をよくする。加減速が多ければ低めのギヤを選んで瞬発力がよくなるようにしている。

 ブレーキも、急ブレーキのようなペダル操作になれば、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)を精緻に働かせ、クルマの姿勢を安定させるようにする。

 近年では、安全運転サポート車(通称サポカー)のように、障害物をカメラが確認すると、運転者がいくらアクセルペダルを踏んでも発進しなかったり、急停車したりするのも、コンピュータが装備されてこその機能だ。

 以上のように、クルマが走るさまざまな場面で電気を使い、コンピュータの判断によって最適な走行状況となることを促している。電気で走るEVになれば、より精緻に効率よく、そして運転者や同乗者にとって快適な走行状態を作り出すことができる。

 また米国のテスラのように、電子キーやカードを所持して近づくだけでドアを開錠したり、イグニッションスイッチを入れる操作をしなくても、走りだせるようにしたりすることも問題なくできる。

 旧車のように、シリンダーキーを使い、キャブレターでエンジン回転を調節し、マニュアルシフトで変速し、急ブレーキでは運転者自らポンピングブレーキ操作を行うのでなければ、現代のクルマは電気や電子制御から逃れられない仕様になっている。