EVの台頭でハイパーカーはヤバイ領域に突入! もはや「2000馬力」「400km/h」が当たり前の時代だった

この記事をまとめると

■スーパーカーを凌駕する性能と価格を誇るハイパーカーにも電動化の波が押し寄せている

■電動化により最高出力は2000馬力を超えつつあり、最高速度も400km/h以上を記録する

■世界にはEVハイパーカーを市場に送り込もうと開発を進める新興メーカーが数多く存在する

1900馬力のハイパーカーはエンジニアの監視付き

 スーパーカー、そしてそれをさらに上まわるパフォーマンスとプライスでカーマニアを魅了するハイパーカーの世界にも、電動化の時代は確実に訪れている。とりわけフルエレクトリックのハイパーカーは、そのスペックシートに1000馬力、あるいは2000馬力を超えようかという数字を躍らせ、400km/h以上の最高速を可能にする。そのスタイリングは、いかにも現代に誕生した最新世代のスポーツカーといった斬新な美しさを持つものばかりだ。

 その象徴的な例としてまず紹介したいのは、ピニンファリーナが2010年代終盤から、ピニンファリーナ・セロのコードで開発プロジェクトを進めてきた「バッティスタ」だ。

 そのネーミングはピニンファリーナの創始者である、バッティスタ・ピニン・ファリーナに由来するもの。フェラーリのエンツォと同様、何よりも価値のある名を、ピニンファリーナはこのEVハイパーカーに与えたことからも、彼らがこの新型車に賭けた意気込みは良く理解できる。

 バッティスタのパワーユニットは、EV技術においてポルシェ、そして現在ではブガッティなどとも提携関係にあるクロアチアのリマック社と共同で行われた。バッテリーパックはフロアとセンタートンネル下に120kWh分を搭載。エレクトリックモーターは、4輪の各々に組み合わされ、最高出力は1900馬力、最大トルクは2300Nmにも達する。

 参考までにピニンファリーナによって発表された運動性能データによれば、0-100km/h加速が2秒以内。最高速は350km/hを実現する。一方で、フル充電からの最大航続距離は450kmを可能にするというから、実用性も十分に考慮されている。

 また、150台が限定生産されるバッティスタは、常時すべてのモデルがエンジニアによって遠隔監視されており、トラブルが発生すると即座にオーナーに連絡が入る仕組みとなっているのも注目に値するところだ。

電動化によってハイパーカーは新時代へと突入

 そのピニンファリーナにEV技術を提供したリマックは、2009年に設立された新興EVハイパーカーメーカー。最初のモデルは2011年に誕生した「コンセプトワン」で、その後2018年にはポルシェからの出資を受け、現在ではポルシェから45%の出資を受けるとともに、ブガッティと合弁会社を設立。ブガッティ・リマック社として新たな時代を迎えることになった。

 もちろん彼らがこれまで開発を続けてきた150台の限定車、「ネヴェーラ」の生産計画に変わりはなく、将来的にはブガッティと共同で新型車を誕生させるという魅力的なプランも発表されている。もちろんポルシェの電動化計画にも、ブガッティ・リマックの存在は大きな影響を与えることは間違いないところだ。

 ネヴェーラにも、前で紹介したバッティスタと同様に、エアロダイナミクスを強く意識した2ドアボディが与えられている。アンダーボディフラップやデフューザー、リヤウイングなどは可変式で、走行状況に応じてドライバーはハイダウンフォースとロードラッグの両モードを選択することができる。ちなみに前者を選ぶとダウンフォースは326%増加するというから、その役割は重要だ。

 バッテリーの容量は120kWhで、搭載位置はもちろんフロア下の低い位置。このネヴェーラも4モーター方式を採用しており、最高出力は1914馬力、最大トルクは2360Nmをトータルで発揮する。0-96km/h加速は1.85秒、最高速は412km/hに達し、ドライバーは7タイプのドライビングモードから(そのうち2タイプはカスタムモードとなる)好みのモードを選ぶことができる。

 世界には、ほかにもEVハイパーカーを市場に送り込もうと、虎視眈々とその開発を進める新興メーカーが存在する。中国のNioなどはその例のひとつ。彼らが開発した「EP9」は、わずか20台のみの生産を計画したモデルだったが、4モーターでトータル1360馬力を発揮させ、あのニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで、6分45秒9というラップタイムで、当時の公道走行可能なモデルによる記録を更新。世界最速のEVという称号を確かに自らのものにしたのだった。

 これからも魅力的な、というよりも驚愕のスペックを誇るEVハイパーカーは続々と誕生してくるだろう。スーパーカー、ハイパーカーの世界は今、確実に新しい時代を迎えつつあるのだ。