ホンダの歴代セダンを振り返る! 特徴やおすすめモデルも紹介

この記事をまとめると

■過去と現在のホンダのセダンモデルを振り返る

■現在はアコードとインサイトしか残っておらず生産も終了している

■中古で買えるモデルは種類が豊富

ホンダのラインナップからセダンモデルは一時的に消滅

 SUVやミニバンに押され、国内セダンのラインナップは本当に少なくなりました。

 ハッチバックとともにセダンの名車を数多く登場させてきたホンダのセダンラインナップもわずか2車種となっています。

 今回は少なくはなりましたがホンダのセダンにフォーカスしていきましょう。

ホンダのセダンにはどのような車種がある?

 国内メーカーからセダンのラインナップが次々と減少している状況ですが、ホンダも例にもれず現在はアコードとインサイトの2車種のみとなりました。

 この2車がどのようなクルマなのかを紹介していきます。

 【現行車種】

アコード(10代目/国内販売時期:2020年〜)

 現在、国内で販売されているアコードは10代目となるモデル。北米市場では2017年から、国内では2020年から販売が開始されました。

 初代が1976年に誕生した長い歴史を誇るホンダの基幹車種ですが、現在の主要マーケットは北米。そのため全長4900mm、全幅1860mm、全高1450mm、ホイールベース2830mmと堂々たるボディを身にまとっています。正直、日本の交通インフラでは扱いにくいサイズですが、それでも先代モデルよりは小さくなりました。

 先程もお伝えしたように、現在の主要マーケットは日本ではなく北米となりますが、海外向けアコードが国内でそのまま販売されているわけではありません。北米仕様にはターボエンジンなどもラインナップされていますが、日本仕様のパワーユニットはハイブリッドのみが用意されています。

 アコードに搭載される「e:HEV」と呼ばれるハイブリッドユニットは、基本的にエンジンにより発電した電力でCVTに内蔵されたモーターを駆動するシリーズ式ハイブリッド。ただし、走行状況によりエンジンで駆動したほうが効率的なシーンでは、直結クラッチによりエンジン走行を行うのが特徴です。

「e:HEV」は2リッター直4エンジン+2モーターで、大排気量のマルチユニット並のトルクを発揮。「スポーツ」「ノーマル」「コンフォート」と3つのドライブモードを備え、変速はレバーではなくシフトボタンで行うことも特徴といえるでしょう。

 エクステリアは長寿命車の宿命ともいえる「ユーザーの高齢化」に対応するため若返りを目指しデザインされました。走りを売りにするアコードのイメージを鮮明にするため、ダイナミック性能を感じ取ることができるスポーティテイストなデザインを採用。見た目は先代から大きく変更されています。

 運転席周りを含めたインテリアデザインも先代から刷新。劇場に見立てたデザインを採用し運転時の臨場感、乗り込む際の高級感、降車した際の余韻まで楽しむことができる室内空間を目指しました。

 当然、大きなボディを有するアコードだけに居住スペースは広々空間。前後席ともに大人がくつろいで乗車することができます。

 ラゲッジルームも広大でハイブリッド車なのに573Lの容量を確保しました。先代は後席背面に配置していた駆動用リチウムイオンバッテリーを後席下に移動させたことが広大なラゲッジと実現した大きな理由となっています。

 車両価格は465万円(※1グレード)と、昔のアコードを知る身としてはやや高いと感じますが、走行性能や質感、先進運転支援装備などは充実。ホンダのセダンを求める人にとって魅力的なクルマであることは間違いないでしょう。

 ただし、アコードは今夏に国内仕様の生産終了を発表。流通在庫分のみの販売となるため興味がある方は即、ディーラーに向かう必要があります。

 (参照ページ)

 https://www.webcartop.jp/2020/06/532079/

インサイト(3代目/国内販売時期:2018年〜)

 インサイトといえば、ファストバッククーペで当時、世界最高の燃費性能を備えていた初代や、プリウスに対抗するため5ドアハッチバックとなった2代目を想像しますが、現在販売されている現行モデルは4ドアセダンとなった3代目です。

 流麗でクーペスタイルを取り入れたフォルムは大きな特徴といえるでしょう。

 3代目インサイトも2代目までとは違い主要マーケットは北米で、現地では国内販売より半年以上前から販売が開始されています。

 ボディサイズは全長4675mm、全幅1820mm、全高1410mm、ホイールベース2700mm。全幅こそやや広めですがアコードとは違い、日本での使用も問題ないサイズとなっています。

 現行モデルの日本仕様は歴代モデル同様、ハイブリッドのみのパワーユニットを用意しました。

 インサイトに搭載される「e:HEV」(デビュー時の名称は「i-MMD」)は1.5リッターエンジンとモーターを組み合わせたシリーズ式はハイブリッド。アコード同様にエンジンと駆動軸を直結するクラッチを備えていることでEVモード、EV+エンジン(ハイブリッドモード)、そしてエンジンドライブモードを走行状況に合わせて切り替えることが特徴です。

 現行インサイトは先代シビックをベースに開発されたことでリヤフェンダーやピラー、ウインドウなどを共用していますが、ダイナミックなフォルムのシビックとくらべ水平基調にこだわり落ち着いた佇まいを表現。また、北米仕様とは違い日本仕様は格子グリルを採用し精悍な表情を身につけました。

 またインテリアもシビックをベースに「おおらかな花」をモチーフとしたエレガントな造形で構成。シビックと比べて質感の向上も図っています。

 居住空間は大人が余裕をもってくつろげるスペースを実現。アコード同様、駆動用バッテリーを後席下に配置していることでラゲッジルームは519Lの大容量を確保しました。

 2代目とくらべ車格が上がったインサイトの車両価格は335万5000円〜356万4000円。国産セダンのラインナップが減少しているなか、使いやすいサイズで価格も(まあまあ)お手頃のインサイトは気になる存在です。が、残念なことにアコード同様、すでに国内仕様の生産が終了。在庫分のみの販売となっています。

 (参照ページ)

 https://www.webcartop.jp/2019/01/325073/

ホンダのセダンで人気の中古車車種とは?

 現在、ホンダの公式ページで紹介されているセダンは上に挙げた2車ですが、近年まで販売されていたセダンは少なからず存在します。

 過去に販売されていたホンダのセダンで人気の車種を紹介していきましょう。

シビック(10代目/国内販売時期:2017年〜2020年)

 2021年に販売が開始された現行シビックには残念なことにセダンは用意されていません。

 ただし、先代モデルには5ドアハッチバックとともにセダンがラインナップされていました。

 シビックといえば長らくホンダの象徴ともいえるコンパクトカーで国内でも大きな人気を集めていたことは御存知の通り。しかし、主要マーケットが北米に移行していったことやフィットが登場したことで9代目の国内販売は見送られ国内のラインナップからシビックの名は消えていました。

 約10年ぶりに日本で販売されたのが10代目だったわけですが、ハッチバック、タイプRとともに用意されたセダンはロー&ワイドの躍動感あるスポーティなフォルムが特徴。写真で見るより実車を見たほうがスタイリッシュに感じました。

 パワーユニットは1.5リッター直4ターボエンジンを搭載。ただし、タイプRには最高出力320馬力の2リッター直4ターボエンジンが搭載されました。

 シビックセダンはハッチバックと比べ販売数が多くなかったため中古車で出回っている車両も少なめ。全国で約80台出回っている車両の中古車相場を調べてみると155〜280万円。年式が比較的新しいため相場も高めです。

レジェンド(5代目/国内販売時期:2014年〜2022年)

 1985年に登場した初代以降、ホンダのフラッグシップセダンの座を務めていたレジェンド。

 残念ながら在庫分の販売が終了したことで、今年初頭、国内販売が終了しました。

 最近まで販売されていたレジェンドは5代目となるモデルで、最大の特徴は2代目NSXと同じハイブリッド・AWDシステムを搭載していたことでしょう。

「スポーツ・ハイブリッド SH-AWD」と称されたハイブリッドシステムは3.5リッターV6エンジンとCVTに内蔵されたモーター、そして後輪を駆動する2つのモーターで構成。システム最大出力は382馬力を誇ります。

 また先進支援運転技術「ホンダ・センシング」や各種快適装備も満載。ホンダのフラッグシップセダンにふさわしい内容を備えていました。

 5代目レジェンドの中古車を調べてみると全国で約75台が販売中でした。中古車相場は125〜700万円と今年まで販売されていたことで高めではありますが、マイナーチェンジ前の前期モデルであれば200万円後半で比較的状態が良さそうな車両を見つけることが可能です。

グレイス(国内販売時期:2014年〜2020年)

 フィットをベースに開発されたコンパクトセダンのグレイス。東南アジアなどではシティとして販売され高い人気を誇ります。

 国内で見ると、正直パッとしないクルマですがタイなどではショーファー的にも使用されており、現地でブラックに仕立てられた車両を見ると「お、カッコいいじゃん!」と思ってしまいました。

 ユーティリティ性能が高いフィットをベースに仕立てているためグレースの居住スペースもゆとりある空間を実現。4.5mを切る全長しかないセダンとは思えないほどの広さです。

 デビュー時は1.5リッター+モーターのハイブリッド仕様のみが用意されていましたが、デビューから1年後には1.5リッター直4ガソリン車を追加。

 2017年のマイナーチェンジで先進運転支援システム「ホンダ・センシング」を装備するなど改良が進められましたが2020年に販売終了。グレイスの名も消滅しました。

 新車販売台数が少なかったことで中古車として販売されているのも全国で200台弱と少なめ。中古車相場は65〜230万円と比較的リーズナブルなためコンパクトセダンを探している方には最適な1台かもしれません。

クラリティ(国内販売時期:2016年〜2021年)

 ホンダが発売してきた歴代セダンの中でもとくに希少なのがクラリティ。

 クラリティは2種類用意され、1台はFCV(燃料電池車)のフューエル セル、そしてもう1台がプラグインハイブリッド(PHEV)仕様となります。

 トヨタ・ミライとともに市販FCVとして話題を集めたクラリティ フューエル セルは燃料電池パワートレインの小型化に成功し世界で初めてセダンのエンジンルーム内に収めたクルマです。

 一方のクラリティPHEVは1.5リッターエンジン+モーターのパワーユニットを搭載し2018年に国内での販売を開始しました。燃費は28.0km/L、EV走行は114.6km(ともにJC08モード)と実用性も十分。EV走行距離ではプリウスPHVの68.2km(JC08モード)を大きく上回っていました。

 両タイプともに2021年に生産終了となったことでPHEVの販売年数はわずか3年と短命に終わっています。

 さて、クラリティの中古車ですが原稿執筆時点でPHEVがわずか1台ほどしか出回っていません。そもそもフューエル セルに至ってはデビュー時からしばらくの間は企業や官公庁向けのリースのみ。個人向けリース販売が2020年にやっと開始されるなど中古車を見つけることは不可能ともいえます。

編集部のおすすめ!

 さて、ホンダが生産していたセダンについてここまで紹介してきましたが、選択肢は少ないながらもタイプ別にお薦めした車種をあげていきましょう。

先進装備と最新技術を味わいたいなら:レジェンド

 すでに中古車でしか買えないレジェンドですが、「スポーツ・ハイブリッド SH-AWD」がもたらす走行性能と快適装備が満載なところは魅力大!200万円で走行距離が5〜7万kmの車両があれば迷わず買いでしょう。

適度なサイズのハイブリッドセダンを求めるなら:インサイト

 まもなく販売が終了するインサイト。いまや数少ないアッパーミドルのセダンを必要とするならお薦めしたい1台です。燃費と走りの良さを兼ね備えたパワーユニットや先進運転支援システムも備わっているところも魅力的です。

いまや貴重! コンパクトセダンが欲しいなら:グレース

 ひと昔前まで選択肢が豊富だった4.5m以下の国産コンパクトセダンは、現在、現行カローラと併売されているカローラアクシオがあるくらい。少なからずいる「トヨタ車には乗りたくない」と考えるユーザーにとってグレースは貴重な存在です。リーズナブルで状態が良い中古車を探すことは、決して難しくありません。

まとめ

 改めて調べていくと現在販売しているアコードとインサイトともに在庫のみが販売されており、セダンのラインナップの消滅が迫っているホンダ。

 今後、セダンの復活があるかは微妙ですがラインナップからなくなると寂しいことも確か。アコードやシビックなど海外ではまだ主力車種としてホンダのセダンが活躍していることが救いではありますが、いつの日かラインナップにセダンが新たに加わることを期待したいものです。