速度を守るとむしろ危険!? 発炎筒はほぼ捨てられる運命! いまこそ見直し必須の「道交法」3選+1

この記事をまとめると

■「道路交通法」のなかでも時代に合わない法規をいくつかピックアップ

■発煙筒に関しては毎年1千万本以上が無駄になっている可能性が高い

■事故や渋滞の原因などになるものも多いので改善を求めたい

いまだからこそ見直すべき交通ルールをピックアップ

 日本の道路走行におけるルールを公的に定めているのが「道路交通法」。そのほか地方自治体による条例や、警察による制限速度の設定などが公的なルールとなっているのが現状だ。

 多くのルールは、円滑な道路交通に重要な役割を果たしているが、なかには「ん?」と首をかしげたくなるものもある。だからといってルール違反をしてもいいというわけではないが、現実と乖離していて、形骸化しているルールもあったりする。

 早急に見直すべきと思うのは高速道路ジャンクションにおける制限速度だ。

 高速道路の本線同士をつなぐジャンクションや、インターチェンジからの合流手前のエリアでは制限速度が40km/h程度に設定されていることが多い。たしかに曲がりくねった道を本線と同じ速度のまま走行するのは危険であるし、減速は必要だが実際には40km/hまで落としているドライバー、ライダーを見かけることは少ない。

 実際、本線への合流手前のエリアでの制限速度を厳格に守ると、車両のパフォーマンスによっては本線へ安全に合流するのが非常に難しい場合もある。本線の流れている速度が高ければなおさらだ。

 また、自動運転は制限速度を厳守することが基本となる。すでにジャンクションを自動運転技術によって走行できるクルマも登場しているが、そうしたケースでは制限速度を守るために前後のクルマとの速度差が生まれてしまい、時に危険な状況も生んでいる。

 ルールを守った自動運転車が、ルールを破っているクルマと接触するような事故が起き、それによって自動運転が懐疑的な目で見られるのでは本末転倒といえるだろう。

 自動運転技術は、日本の自動車産業の発展にとって欠かせないイノベーションであることは明らかだ。そうした点も考慮して、現実に即したルール改正を望みたい。

 円滑な道路交通という点で気になるルールとしては、踏切横断時の一時停止も挙げられよう。ただでさえ踏切は車両の往来を寸断してしまうことで円滑な交通のネガとなっているが、一時停止のルールによってさらに交通渋滞を引き起こしているケースもある。

 もちろん、列車との衝突事故は大きなものになるので、それを防ぐことが最優先というのは理解できるし、線路の部分は滑りやすく走りにくい路面なので一時停止によって減速するというのは意味がある。

 それでも、信号機をつければ一時停止が不要になるという例外規定があるのだから、交通量の多い踏切については何らかのルール変更もしくは信号機の設置といった対応をすべきではないだろうか。

法規のせいで大量の資源が無駄になっている!?

 ところでクルマに関するルールとしては、主に走らせ方を定めた道路交通法に注目しがちだが、公道を走っていい状態を定めた保安基準(道路運送車両法)についても忘れてはならない。

 現実に即していないという理由もあって、運行前点検の義務化は廃止されているが、そもそも運行前点検は道路運送車両法によって定められていた。そのほか定期点検の内容も簡素化されているが、これらは車両の進化に対応した変更だ。

 交通ルールは絶対に不変というわけではなく、時代に応じて改正することはあり得る。

 その意味で、なんらかの対応をすべきと思えるのが非常信号用具の搭載義務だ。現実的には「発炎筒」を搭載することが大半だ。国産車では助手席の足もとあたりに設置されている発炎筒はいつ何時でも外してしまってはいけないものとなっている。

 とはいえ発炎筒を使わないまま一生を終えてしまうドライバーも少なくないだろう。さらにいえば、発炎筒には使用できる有効期限(4年)が定められている。当然ながら保安基準で定められているので、有効期限を過ぎた発炎筒を積んでいても車検は通らない。

 日本には二輪を除いて7800万台以上の車両が存在している。それらが定期的に発炎筒を変えているとすると、単純計算で毎年1950万本の発炎筒が必要になるし、そのほとんどが廃棄されていることになる。それは、あまりももったいない。

 非常信号用具の搭載が必須という点は否定しないが、“発炎筒ロス”へなんらかの対応をしていくことは、今後求められていくことだろう。

 最後に指摘したいのは、法律ではきちんと整備されているのに、メディアなどの啓もう活動によって誤解を招いてしまっているケースだ。

 それは自転車の走行ルールである。気になっているのは、歩道走行の禁止についての社会的認識だ。

 自転車というのは法律的には軽車両であり、基本的には車道を走るべき乗り物であることという基本ルールはかなり広まっているが、車道を走らなくてもよい例外として13歳未満の子どもと70歳以上の高齢者が定められている点は知られていないような印象がある。

 とくに高齢者が「自転車は車道のみを走らなくてはならない」と思い込んでしまい、低速で車道を走ってしまうのは、かえって危険な行為といえる。そもそも自転車は危険だと感じたら歩道を徐行してもいいとされている。高齢化社会だからこそ、こうした例外がきちんとルール化されていることも啓もうしていく必要があるだろう。