走行距離1〜2kmの車両でも「中古車扱い」! 「お得」とは限らない未使用中古車の「落とし穴」

この記事をまとめると

■中古車市場に目を向けると走行距離が1〜2kmの車両が並んでいる

■走行距離が短い個体が存在する理由を解説

■また購入時の注意点についても述べる

正体は「登録済み(届け出済み)未使用中古車」

 通常の新車の納期は、特殊な車種を除くと1カ月から2カ月だが、今は半導体などの不足で生産が滞る。納期が3カ月なら短い部類に入り、半年から1年以上を要する車種も増えた。

 納期が極端に遅延した結果、受注を停止させる車種も珍しくない。クルマを売りたくても、販売できない状態に陥った。そのために中古車価格も高騰している。

 その中古車の品ぞろえを見て気付くのは、軽自動車を中心に、走行距離が1〜2kmの車両も多いことだ。メーカーで製造されたあと、販売店に届けられるまでに多少は走るから、走行距離が1〜2kmではまったく使われていないことになる。

 このような車両を「登録済み(軽自動車は届け出済み)未使用中古車」と呼ぶ。登録や届け出を済ませてナンバープレートも装着する中古車だが、実質的には使われていない車両になる。

  

 登録済み未使用中古車が生まれる理由は、メーカーが生産効率を優先させ、なおかつ販売台数を粉飾するためだ。軽自動車は薄利多売の商品で、メーカーとしては生産効率を下げたくない。

 しかしクルマのニーズは増減するから、生産が過剰になった時は、在庫車として保管する。メーカーと販売会社の契約により、供給台数が増えて在庫車が生じることもある。軽自動車は1台当たりの粗利が少額で値引きしにくいが、在庫車はディーラーオプションのサービス装着を行ったりして、なるべく短期間で売却する。長期間の保管には、多額のコストを要するからだ。

 それでも在庫車として残る時は、仕方がないから、新車として販売できる車両なのに、販売会社が自分で届け出を行って中古車市場に卸す。この時もユーザーに販売したのと同様に扱われるから、販売台数の粉飾にも役立つ。こういった経緯により、中古車販売店には、走行距離が極端に短い新車のような中古車が並ぶわけだ。

 登録済み未使用中古車の損得勘定は、慎重に行いたい。価格は新車よりも安いが、登録済み未使用中古車を扱う販売店によっては、多額の諸費用を徴収する。登録済み未使用中古車と、同じ仕様の新車で見積りを取り、価格ではなく「支払い総額」で比べることが大切だ。

 また最初に登録された時期にも注意したい。たとえば2023年に通常の新車を買えば、当然2023年式だが、登録済み未使用中古車には2022年式の車両も含まれる。購入して3年以内など短い期間で手放すと、2022年式は、2023年式に比べて売却額が下がる。こういった点に注意して、登録済み未使用中古車を判断したい。