「シエンタ&フリード」にはお互い以外ライバル不在!? 輸入車も含めて「ほかの選択肢」を考えてみた

この記事をまとめると

■国産コンパクトミニバンとそのライバルをピックアップ

■国産メーカーではコンパクトミニバンは現在2モデルしか存在していない

■2列シート+大容量ラゲッジで探すと輸入車も選択肢に入れることが可能だ

コンパクトミニバンは国産車では2モデルしかなかった?

 日常の扱いやすさと多用途性で売れているのが、国産コンパクトミニバンだ。そのジャンルの国産車はホンダ・フリードとトヨタ・シエンタの二択だが、2022年10月の新車販売台数ランキングで発売されたばかりの新型シエンタがなんといきなり2位に! フリードも10位につけているほどである(2022年4-9月期ではフリードは5位)。

 とはいえ、フリードとシエンタの二択というのは、ちょっとつまらない。そこで同種の輸入車を探してみたが、これが意外なことにないようである。

 3列シートのコンパクトミニバンという切り口ならBMW2シリーズのグランドツアラーだ。BMWと言ってもFFプラットフォームを使うモデルで、全長4585×全幅1800×全高1640mm、ホイールベース2780mmと、BMWとしてコンパクトなボディサイズながら3列シートを備え、荷室は最大1820リットル(2/3列目席格納時)と、アウトドアにもうってつけ。国産車との比較になるとパワーユニットは3気筒1.5リッターガソリンの218iグランドツアラーになり、それでも450万円〜の価格になるが、FFでも国産車とは一線を画すBMWらしいスポーティな操縦性、切れ味ある走りを味わわせてくれる。

 ただし、3列目席はシエンタやフリードとは違い、完全なる緊急席または子ども席になる。しかし、簡単な操作で手動格納すれば、開口地上高約65cm、 開口幅114cm、開口高75.5cm、フロア奥行き98cm、フロア幅最大133cm、高さ最小77cmという完全にフラットかつ広大なスペースが出現する。さらにラゲッジ側 面にあるレバーを引けばリモートで2列目席を倒すことができ、そうなると2列目席部分にやや角度は付くものの、フロア奥行きは164cmに達する(運転席背後までは 184cm!)。

2列仕様車で考えればライバルは存在!

 ところで、新型シエンタは、アウトドアブーム全盛の時代だけに、3列シートのコンパクトミニバン仕様だけでなく、2列シートの大容量コンパクトワゴンと呼べる仕様もまた売れているという。もちろん、フリードにも3列シートを取り払った2列シート+大容量の荷室を持つフリード+がある。それを基準にすれば、輸入車の選択肢も拡大する。

 とくに新型シエンタは先代までの個性的すぎるエクステリアデザインから一転、全車、サイドプロテクトモールを配したクロスオーバーテイストあるモデルに進化。

 とすると、コンパクトモデルとしてシトロエンC3エアクロスSUV、シトロエン・ベルランゴ、DS3クロスバックといった、異国の仮想ライバルが揃う。国産コンパクトミニバンは、ガソリンまたはHVのパワーユニットになるものの、そうしたフレンチコンパクトにはクリーンデイーゼルモデルもあり(EVも!)、クルマ生活を一変させてくれるほどの個性、魅力を味わうことができる。

 いずれもいわゆる「なんちゃってSUV」の域を出ないFFモデルだったりするが(DS3クロスバックの最低地上高は180mmと立派)、たとえばDS3クロスバックのパリが香るエクステリアデザイン、ダイヤモンドをモチーフにしたアートのようなインテリアデザインは、決して日本車では成立しないオシャレ度があり、まさに日本車が苦手とする小さな高級車を実現しているのだ。

 いまどきのフレンチコンパクトは静かで乗り心地はさすがフランス車。その上で、収納、荷物の積載に関してもかなり実用的である。もっとも、エアコンの利きは日本車が圧倒的に優位だが……。

 国産車乗りとして、いきなりフランス車の世界には敷居があって飛び込みにくい……という人なら、VWのポロをベースにしたクロスオーバーモデルのT-CROSSはどうだろう。全長4125×全幅1785×全高1580mm、3気筒1リッターターボエンジン+DSGのパワーユニットで、価格は約300万円から。維持費の点でもVWは国産車と大きく変わらず、初めての輸入車としてもぴったりな1台だ。実際、2021年度輸入SUV販売台数NO.1の人気ぶりである。3気筒エンジンながら、トルキーでスムースな走りはさすがVWと言えるもので、リヤビューのカッコ良さもまたゴキゲンだ。

 国産コンパクトミニバンを選択肢とするなら、予算的にはオーバーするものの、もう少し視野を広げてみるのもいいだろう。国産コンパクトミニバンでは得られない世界が、間違いなくそこにある。