トヨタ・セルシオ&レクサスLSの歴代モデルを振り返る!

この記事をまとめると

■レクサスのフラッグシップセダン「LS」の歴代モデルを振り返る

■初代から3代目はトヨタ・セルシオだった

■現行モデルは2022年10月に一部改良を実施

日本を代表するフラッグシップセダンの魅力とは

 元々、国内ではトヨタの最上級モデル、セルシオとしてデビューしたレクサスLSが今年の10月に一部改良を実施しました。

 ただ、レクサスの最上級モデルではあるものの、イマイチ注目されていないように思えます。

 そこで今回はレクサスLSがどのようなクルマなのか、また初代から進化してきた過程を合わせて紹介していきましょう。

 2022年10月に一部改良を実施

 レクサスLSは2022年10月13日にリヤサスペンションの変更や最新マルチメディアの採用、インテリアレイアウト変更などを行う一部改良を実施することが発表されました。

 リヤサスペンションメンバー取付部のブレース形状を変更し剛性を高めたこと。また、ナビなどを操作する選択スイッチを運転席側に常時アイコンで表示することで操作性を向上したことなどが主な改良のポイントとなります。

 同時に価格も変更となりエントリーグレードのLS500“Iパッケージ”は1078万円となりました。

現行レクサスLSとは

 レクサスのフラッグシップとなるLS。現在販売されているのは4代目から11年ぶりのフルモデルチェンジで2017年に登場した5代目となるモデルです。

 新たなプラットフォームを採用し新たな高級車像を提案すべく、従来までの保守的なデザインではなく流麗でスタイルッシュなクーペフォルムに身を包み登場しました。

 パワーユニットは3.5リッターV6ツインターボエンジンと3.5リッターエンジン+モーターのハイブリッドをラインアップ。高級ブランドの最上級モデルに相応しい走行性能やパワーユニットを備えた現行LSですが、先代まで用意していたV8エンジンは廃止されています。

 駆動方式は従来同様、FRを採用していますがハイブリッド仕様を含めAWDも用意。

 安全支援システムも複数のミリ波レーダーやステレオカメラにより周囲の状況を確認・監視する「レクサス・セーフティ・システム+」と、支援機能を強化した「レクサス・セーフティ・システム+A」を装備するなど先代と比べ大きく進化しました。

 デビュー時「レクサス・セーフティ・システム+A」はエントリーグレードに標準装備されていませんでしたが、2020年に行われたマイナーチェンジで機能を強化するとともに全車に標準装備となりました。

 また2021年には高度運転支援技術「Lexus Teammate」の新機能となる、「Advanced Drive」を搭載したグレードも登場。

 同年6月には所属契約しているプロゴルファーの松山英樹選手がアメリカのプロゴルフツアー「マスターズ・トーナメント」で優勝を飾った記念の特別限定車が発表されています。

現行LSの特徴

パワーユニット

 現行LSに用意されたパワーユニットは2種類。

 そのうちのひとつが新開発の3.5リッターV6ツインターボエンジンで最高出力422馬力、最大トルク61.2kgmを発揮します。

 先代までLSにはV8エンジンが用意されていましたが、ダウンサイジングされて3.5リッターV6エンジンに変更されています。ただし、排気量こそ小さくなりましたが最高出力は400馬力オーバーと、先代に搭載していたV8エンジンよりパワーアップされました。フラッグシップモデルにふさわしい動力性能を備えているパワーユニットといえるでしょう。

 このエンジンはパワフルなことはもちろん、熱効率を向上させたことや燃料供給システムを工夫したこと、新開発の水冷式高効率式インタークーラーを備えたことなどで燃費性能も進化しました。

 もうひとつのパワーユニットは3.5リッターV6エンジンとモーターを組み合わせたマルチステージハイブリッド。このマルチステージハイブリッドシステムとは、モーターとエンジンの出力軸に変速機構を追加することで駆動力を向上。ハイブリッド車が苦手としている高速巡航走行時の燃費や静粛性を改善しています。

 このハイブリッドユニットは現行LSに先駆けて登場したレクサスLCと共有なシステムとなりますが、高級車らしいなめらかな走りを実現するチューニングが施されました。

 ガソリン、ハイブリッドともに組み合わされるトランスミッションは10速AT。システムはそれぞれ違うものですが、ガソリン、ハイブリッドとも多段化による燃費向上や低速域での加速感向上に貢献しています。

プラットフォーム

 現行LSにはGA-Lプラットフォームを採用。このプラットフォームはハイブリッドユニット同様、レクサスLCが先に採用としていましたが、LSはホイールベースを255mm延長しています。

 その他、セダンに求められる広大なトランクスペースを確保するためリヤまわりもオリジナルの設計。またリヤサスペンションもクーペのLCよりストロークがますことで、タワー部の設計が異なるところも違いとなります。

 サスペンションはLCと同じくフロント・リヤともにマルチリンク式を採用。ただし4WD仕様のフロントサスペンションはアームなどの設計が変更されました。

 現行LSにはブレーキやアクティブステアリングなどを制御する走行安定システムVDIMや前後輪操舵システムLDHなど、走行性能や操縦性を高めるシステムを装着。乗り心地や路面状況に合わせた車両の制御などに貢献しています。

デザイン

 初代から4代目までのデザインとは大きく異なるエクステリアデザインを採用した現行LS。

「センシュアル・アグレッシブ」をテーマにデザインされたエクステリアは、4ドアクーペかと思わせるほどの攻めた6ライトの斬新なフォルムを採用しています。

 先代にも採用されていたスピンドルグリルは斜め格子柄とし、さらにFスポーツには小さなL字を配置した独自のメッシュ柄を採用しました。

 インテリアもエクステリア同様。先代とは大きく違う水平基調で上下二段構えにデザインしたインパネを採用。グレードに合わせ色や素材を変えるなど、多彩なカラーコーディネートを用意しています。とくにFスポーツはフレアレッドやブラック、ブラック&ホワイトの3パターンが用意されました。

装備・ユーティリティ

 レクサスのフラッグシップとなるLSには、当然のように多彩な快適装備が備わっています。

 センターコンソールに備わるディスプレイは横長12.3インチの超ワイドディスプレイ。ナビはもちろん、エコ走行推進する「ハーモニーアス・ドライビングナビゲータ」など各種インフォメーションも表示されます。

 また上位グレードには4席独立温度調整が可能なオートエアコンを装備。現行モデルは後席のみならず、前席にもマッサージ機能を内蔵しました。

 その座席ですが、作りが良いのはもちろん細かいシート調整を行うことが可能。後席の頭上や足元スペースは広々しており、乗降時に車高が上がり背もたれも起きることで乗降性を楽にする機能が一部グレードに備わっています。

 ラゲッジルームも当然広々。後席下にバッテリーを搭載するハイブリッド仕様でも、ゴルフバッグを4つ積載することが可能なスペースを備えました。

グレード

 現在、ラインアップされているグレードは上記の通り。グレードはガソリンエンジンを搭載するLS500とハイブリッドユニットを搭載するLS500hに大きくわかれ、装備や駆動方式、スポーツモデルかラグジュアリー仕様かにより細分化されています。

 デビュー時にはエントリーモデルが980万円で購入できましたが、現在LSは1000万円以下で購入できるグレードはなくなりました。

歴代セルシオ&レクサスLSを振り返る

  現在、レクサスLSとして販売されている同車ですが、もともと国内市場ではセルシオとして販売されていたことは御存知の通り。初代セルシオから始まったLSの歴史を振り返っていきましょう。

初代(1989〜1994年)

 ボディサイズ:全長4995mm×全幅1820mm×全高1400mm、ホイールベース2815mm

 パワーユニット:1UZ-FE型4リッターV8

 国内ではセルシオ、アメリカ市場ではレクサスLSとなる初代は1989年10月にデビュー。

 初代は新たにアメリカで展開するレクサスのフラッグシップモデルとして開発されますが国内ではクラウンの上級モデルとしてラインアップする計画でした。

※写真はトヨタ・セルシオ(初代)

 初代は端正なスタイリングと全長4995mmのゆとりあるボディを採用。ライバルとしてメルセデス・ベンツSクラスやBMW7シリーズを想定して開発された初代ですが、ボディサイズだけでなく上質な佇まいもライベル車たちにひけを取らない存在感を備えていました。

 また、他の高級車と比べ際立っていたのが静粛性。エンジンや車体のノイズ発生源を遮音材などで抑え込むのではなく、元から断ち切る「源流対策」を施し圧倒的な静粛性を実現したのです。

 その他、走行性能なども高いレベルで身につけた初代は国内外で大ヒット。北米市場でレクサスのブランドイメージを1台(1代)で高めることに成功しました。

2代目(1994〜2000年)

 ボディサイズ:全長4995mm×全幅1830mm×全高1415mm、ホイールベース2850mm

 パワーユニット:1UZ-FE型4リッターV8

 世界的なヒットとなった初代のあとを受け1994年に登場した2代目LS(セルシオ)。

 デザインやコンセプトは初代からのキープコンセプトで違いこそわかりにくかったものの、当然中身は別物。とくに走行性は初代と比べ大きく進化したとの評判を集めました。

※写真はトヨタ・セルシオ(2代目)

 室内空間、とくに後席の足元スペースを拡大するなどフォーマルなシーンで使用されるセダンの資質を高めていたことも特徴といえるでしょう。

 とはいえ初代のイメージを引きずりすぎた見た目の影響なのか、販売台数は初代ほどの成功を収められずにいました。

 そこで2代目は1997年にマイナーチェンジを施しHID式ヘッドランプを装着するなど、とくにフロントマスクを一新。エンジンもVVT-iが装備されたことで最高出力が280馬力へ向上するなど人気回復を図りました。

 結果、初代ほどではないですが販売的にもまずまずの結果を残し、3代目へとバトンタッチしました。

3代目(2000年〜2006年)

 ボディサイズ:全長4995mm×全幅1830mm×全高1470mm

 パワーユニット:3UZ-FE型4.3リッターV8

 2代目のあとを受け3代目が登場したのが2000年8月。このモデルが最後にセルシオとして国内販売されたLSとなります。

 静粛性を追求する「源流主義」などは初代から受け継ぎつつ、欧州のライバル車たちを凌ぐ走行性能を目指し開発された3代目はLSの存在価値をさらに高めたモデルとなりました。

※写真はトヨタ・セルシオ(3代目)

 レクサスというよりも国産車の価値を大きく向上させたクルマともいえます。

 走行性能を高めるためパワーユニットは排気量を300ccアップした3UZ-FE型4.3リッターV8エンジンを搭載。

※写真はトヨタ・セルシオ(3代目)

 エンジンとともに空力性能を見直しCd値は0.25を達成。従来、空気抵抗が増すボディの出っ張りにカバーをつけて整流していたことに対し、3代目は出っ張りそのものをなくす設計としたことなどで達成しました。

 また2003年のマイナーチェンジでミリ波レーダーによるプリクラッシュ・セーフティシステムが装備されるなど、新世代の高級車に求められる安全性能も確保。

※写真はトヨタ・セルシオ(3代目)

 レクサスブランドが国内でも展開されることが決定したことで、この3代目でセルシオの名称が廃止されることになり4代目からはレクサスLSとして国内販売されています。

4代目(2006〜2017年)

 ボディサイズ:全長5030mm×全幅1875mm×全高1465mm

 パワーユニット:1UR-FSE型4.6リッターV8他

  レクサスLSとして販売されることとなった4代目。新世代のV8エンジンを搭載し、先進安全装備もプリクラッシュ・セーフティシステムだけでなくミリ波レーダとステレオカメラを用い、歩行者の検知や近赤外線投光器による夜間の検知機能向上など大きな進化を果たしました。

 また海外モデルのみに用意されていたロングボディを導入したことや、ハイブリッド仕様のLS600hが初めて用意されました。

 4代目の大きなトピックスは2012年に行われたビッグマイナーチェンジ。すでにフルモデルチェンジが行われてもよいタイミングでマイナーチェンジが行われたのはリーマンショックに端を発した経済危機により、新型LSの開発がストップしたことによるものです。

 デビュー時とは違いスピンドルグリルデザインを採用したフロントマスクを備えるなど見た目の印象を大きく変更した4代目は、結局、11年というロングライフとなりました。

まとめ

 日本が誇る最上級セダンのレクサスLSは初代から現行モデルまで、その時代に合わせた高級車像を提案してきたことがよくわかりました。

 今後、カーボンニュートラルの実現が求められていくなか、LSがどのように進化していくのかが興味深いとともに、歴代モデルが発展していった過程を見ると次世代LSの方向性が国産車の進むべき方向性を示すベクトルになるのではないかと思えてなりません。