この記事をまとめると
■道路照明に関しては国土交通省が設置基準を定めている
■都市部の高速道路などで街灯が設置されるのは周囲の明かりで幻惑されないようにするため
■郊外では高速道路も一般道も街灯が設置されていない場合が多く、ハイビームを使うのが基本だ
高速道路ではIC・料金所・SA・トンネルなどに設置
高速道路で郊外へ抜けると、路肩の照明がない区間がある。周囲は真っ暗で、クルマのヘッドライトの明かりだけが頼りだ。一方、都市が近づくと街灯が設けられ、道路全体が明るく照らし出される。
道路照明については、国土交通省で定められている。高速道路については、インターチェンジ、料金所、サービスエリアなどの休憩場所に設置することになっている。ほかに、トンネル内はもちろん、道筋がわかりにくい場所や、橋梁区間、バスの停留所なども、必要に応じて照明が設置される。
一方、都市の高速道路などでは、ほぼ全線にわたって街灯が設けられている。これは周囲の街の明かりにより幻惑されないようにするため、連続的に照明が施されている。
夜間に陰影があると、思わぬ錯覚を起こすことがあるからだ。
暗い道を走行する際はハイビームにするのが基本
一般道でも、郊外へ行くと照明がなく、高速道路以上に不安な気持ちにさせられることがある。ルームミラーで後ろを見たときなど、後続車がなければ真っ暗で、前後とも周囲の様子も確認できない。
いずれにしても、郊外では高速道路も一般道も街灯が設置されていない場合が多い。理由として考えられるのは、クルマのヘッドライトは基本的にハイビームを使うことになっているからだろう。対向車の運転者を幻惑させないため、都市部ではロービームで走るのが基本だが、クルマのライトの基本はハイビームなのだ。したがって、高速道路や一般道の郊外でも、ハイビームを点灯して運転すればかなり照射範囲は広く、また遠くまで視界が届き、走行速度に適した前方確認ができるだろう。
もちろん、対向車がある場合はロービームへ切り替える。そのとたん、周囲の様子が部分的にしか認識できず、不安な気持ちになる。
そこで近年のクルマに採用されているのが、LEDを活用した照明範囲を切り分ける機構だ。これを装備することで、前を走るクルマや対向車の部分はロービームとし、それ以外はハイビームのまま周囲の様子を認識できるようになる。
クルマの歴史を振り返れば、当初はクルマの台数も少なく、もちろん街灯もなく、ヘッドライトはハイビームであることが前提であったはずだ。しかし、クルマが増え、人口も増え、市街地が増え、そこに街灯が設置されるようになり、ロービームで走ることが常識的になっていった。それは、クルマ社会が繁栄したひとつの証ともいえるだろう。
とはいえ、街灯の無い区間では、動物などの飛び出しの可能性もあり、ライトで認識できる前方視界のなかで、安全に走行できる速度で運転する意識を持つことも大切だ。