お絵かきと散歩が大好きな上田麗奈さんによるフォトコラム「この色、いいな」。上田さんがいろんな場所を訪ね歩き、おもしろい「モノ」や「コト」、そしてお気に入りの「色」を探します。

連載43回目で訪れたのは“深川資料館通り”。その名の通り、深川江戸資料館に沿った道に、昔ながらの下町情緒を残した建物が連なる一方で、近年はカフェやギャラリーが相次いでできたりと、新旧のオシャレが混在する場所です。

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おばあちゃんやおじいちゃんと一緒にいるみたいな、安心感のある色合いの街。

ちょっとザラザラしていて脂っこい部分もあって、生気に溢れている印象を受けました。

各ご家庭の色がしっかり感じられるところも、とても素敵でした。

上田麗奈

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◇撮影を終えて

――この連載では1年ぶりの浴衣姿でしたが、前回の“金魚坂”の時とは柄の印象がだいぶ変わりましたね。

上田:前回は雨の中、金魚をメインに、というような水にまつわるイメージでしたが、今回はお日さまの元で明るい景色の中を歩く、というイメージだったので、この前とは逆に暖色を取り入れている明るい雰囲気で撮れたら面白いかなと。これまでも撮影で浴衣を着せてもらうことは何度もあったんですが、寒色系の柄が多かったんです。だから、今まであまり着たことのない色味のものを着たいな、というのもありました。

――最初に入ったカフェは、店内がカフェらしからぬ感じがありましたね。

上田:美術館とかアトリエ、ギャラリーのような雰囲気でしたね。チョコレートで作ってある置き物がとてもハイセンスでした。メニューやパッケージの箱もおしゃれだし、中身のチョコレートも可愛らしくて。撮影中、色がついている丸いチョコレートを頼んでいただいたのですが、チョコレートが入ることによって写真が映えましたよね。

――飲み物は何を飲んでいたんですか?

上田:アイスチョコレートです。実は、昔は好きだったけれど最近は甘いものがだんだん苦手になってきているんです。チョコレートは久しぶりだし大丈夫かな……と不安だったんですけど、甘すぎず、ココアに近いような香り高い感じで。さらっと飲めるし、かといって味が薄いというわけでもなくて、甘みとほろ苦さがありつつ、すっと切れ味が良くあとに残らないようなチョコレートでした。飲みやすかったです。

――そんなおしゃれでスマートなカフェがあったかと思えば、付近には古い家屋やお寺が並んでいたり、軒先にたくさん植物が茂っていたり、下町らしい雰囲気もたっぷり残っていて、不思議な味のある通りでした。

上田:安心感がありますよね。マンションが立ち並んでいると、外観はわかるけれど、その中に住んでいる人たちのライフスタイルみたいなものはあまりわからないな、と思うんですが、一軒家だと、玄関にある鉢植えだとかそういうもので「きっとここに住んでいる人はこういう人なんだろうな」という想像が膨らむんです。それがきっと安心感を生んでいるし、きっと隣のおうちとの繋がりも多いんだろうな、と想像するとそれも素敵だなと思いますね。あと、和菓子屋さんにすごく猫がなついていました(笑)。

――あの猫にはびっくりでしたよね。近寄っても店の前からまったく動かないし。

上田:ここに来れば餌がもらえる!ってわかっているんでしょうね。ずっと玄関に張り付いていて。すごく人慣れしていましたし、都心だとまず見かけない光景だろうなって。

――下町だからこそですね。あとは、町中に立ち並んでいた案山子も印象深かったです。

上田:あれ、もっと数があるといいですよね。あの場所だけでなく、商店街全部に5メートルおきにくらいにいろんな案山子が飾ってあったらいいなって。それぞれに名前とか性格もつけて(笑)。案山子の町、きっと面白いですよね。