ペナントレースの前半戦最終日だった先週12日、ジャイアンツ球場へ巨人の三軍戦を見に行ってきた。ルートインBCリーグとの交流戦で、相手は今年参入した新球団・栃木ゴールデンブレーブス。両チーム22安打が飛び交う乱打戦の末、6−10で三軍が敗れている。「きょうは栃木の選手たちの気迫を感じた」と、川相昌弘監督が振り返った。

 「栃木はBCリーグでは前期最下位で、ウチと4試合で4連敗してたんですよ。だから、きょうは絶対勝つんだと必死になってましたね。大体、いずれNPBの球団でプレーしたいと思ってる選手ばかりだから。独立リーグのチームといえども、こっちがスキを見せたら嵩(かさ)にかかって攻め込んでくる」

 この日は関東で二軍の試合がなかったこともあり、ヤクルト、DeNA、オリックスなど各球団の編成担当が多数球場に集結していた。栃木の選手たちにすれば、少しでもプロの目にとまり、今秋のドラフトにかけてほしい、という思いもあったに違いない。

 一方、巨人三軍のメンバーは、二軍の控え選手や一軍の試合に出場できない育成選手がほとんど。支配下選手契約を勝ち取り、一軍ベンチ入りするには、こういう試合で首脳陣にアピールしなければならない。彼らをどう教育しているのか、川相監督が言う。

 「確かに、ここには一軍のようなホームランを打てるバッター、キレやスピードのある球を投げられるピッチャーはいません。それでも、何かいいところがあって、将来一軍で役に立つ可能性がある、と認められたからこそここにいるはずなんですよ。

 野手なら、長打が打てなくてもファウルで粘ったり、バントの構えで相手バッテリーを揺さぶったりはできる。四球を選んで、塁に出ることならできる。塁に出たら、リードを取ってプレッシャーをかける。スキを突いて盗塁する。勝利に貢献するため、いま自分にできることは何なのか、常にそういうことを考えてプレーしろと、選手に言っています」

 実際、三軍のチーム盗塁数は非常に多い。一軍が40個台にとどまっていた前半戦で、三軍では3倍以上の134個を記録。この日の栃木戦も、初回に先頭打者の新人・松原聖弥(育成ドラフト5位、明星大)が四球で出塁すると、二盗、三盗を立て続けに決め、続く川相拓也(3年目・桜美林大、川相監督の次男)のタイムリーヒットで先制した。

 その後も、この回に川相が三盗、2点目のタイムリーを打った青山誠(4年目、日大)も2盗。さらに三回にも得点にこそ結びつかなかったものの、北篤(11年目、日本ハムから移籍)、青山で重盗を成功させた。