国家資格と言えば、医師や薬剤師、公認会計士や美容師など様々なものがある。その中でもトップクラスの受験者数を誇るのが、「宅建士(宅地建物取引士)」だ。

 宅建士は簡単に言えば「不動産のプロフェッショナル」であり、宅地や建物の売買などの不動産取引の際に、顧客に対して重要事項の説明などを行う。

 一見、不動産業界に勤める20〜30代がキャリアアップのために取得する資格のように思えるし、実際そのような方の受験生は多いのだが、宅建士試験の申込者の約3割は実は40代〜50代の方なのである。

 平成27年度の試験においても、申込の33.5%が40〜50代で占められていた。なぜこの年代の方たちが取得を目指すのか? 今回は、宅建士(宅地建物取引士)について分析していきたい。

第2の人生に向けての準備

 不動産業界に勤める方のうち、「20代、30代のうちに宅建士資格を取得できなかった」という層が、40代になりこの資格を狙うことも考えられる。しかし、私が推測する最も多い理由は「第2の人生に向けての準備」をする層である。

 40代となればリストラなり、最後の転職の機会かもしれないと考えたり、色々と人生において思い悩んだりすることがある。50代になれば、定年後に何か仕事をできないかとセカンドライフについて考え始める。

 「宅建士」は、不動産業界への転職への大きな切り札となるのだ。不動産業界が未経験でも、「宅建士」を取得することにより、不動産業界への道が拓けるというのがこの資格の美味しいところである。現に私の知り合いの50代男性も、宅建士資格を切り札にまったくの未経験である不動産業界へ転職した例がある。

 宅建士は不動産業界では必要不可欠な資格であり、法的にも不動産業を営むためには、各事務所ごとに5人に1人以上の割合で宅建士を設置することを義務付けている。そのため資格を保有すると、不動産業界からニーズが発生する。