「日本の伝統を次世代につなぎたい」という想いで、各地の伝統工芸の職人さんたちと一緒にオリジナル商品を生み出す矢島里佳さんが、日々の暮らしを豊かにする道具を紹介しつつ、忘れられがちな日本文化の魅力を発信していきます。

 春といえば、桜。美しい桜を楽しむお花見。毎年恒例のこの季節がやってきた。しかしながら、時を同じくして、くしゃみ、鼻水、喉のイガイガ、目の痒みがやってくる。そう、花粉症。私は小学生の頃から患っている、もはや国民病とも言えるレベル感で、多くの日本人が苦しんでいることは間違いない。特効薬の開発を切望しながら生きている。なんとか漢方薬で乗り越えたいのだが、今年はあんまりにもひどくて、耳鼻科で大量の薬を処方された……。

私の人生を変えた「桜の徳利と盃」

 毎年2月中旬頃から4月中旬頃まで続く。あまりの辛さに昨年は国外逃亡を図り、英語でプレゼンする機会も増えてきたので、英語のスキルアップを目的に、2週間ほど花粉症から逃れた。まさに天国だった。とにかくこの時期は外出を控えるのが一番なのだが、やはり美しい桜も愛でたい……。相反する悩みを抱えながら、毎年この時期を迎えていた。今年こそ、この悩みを解決し、お花見を楽しもうと一念発起。昨年、あるアイテムを入手した。そのアイテムとは……!

写真提供:筆者 写真を拡大

 じゃじゃん!!これぞまさしくお花見用晩酌セット。

 見事に咲き乱れる桜。(あぁ……なんと美しいのだろうか。一目惚れしてしまった)

 この子たちの出生は、岐阜県高山市の山奥。かれこれ5年程前、当時25歳だった私が、山の都・匠の国、飛騨高山の経済観光アドバイザーとして有識者会議の委員に就任させていただいたご縁からはじまる。このお仕事で、人生初の高山へ訪れた。それから毎年通わせていただき、気がつけば、飛騨春慶、飛騨木工、一位一刀彫、有道しゃくしなどなど、様々な伝統産業・工芸の職人さんと出逢う機会も頂戴した。

 実は、第2回の連載でウィスキーを入れていた吹きガラスのコップも、高山の作家さんが作ってくださったもの。そんな中、渋草焼という焼き物をお父様と兄弟で作られている職人一家とも仲良くなった。

 通い始めて3回、いつも目に留まったのが、この桜の徳利と盃だった。なぜか私の目を奪って離さない。そしてついに3度目の正直、ついにこの子達をお家に連れ帰った。それから、私の人生は変わった。実は、もともと絵付けの器はあまり好まず、家にある器たちは、ほとんど無地ばかりであったのだ。そんな中、この桜の絵付けは、はじめて絵付けの魅力を私に教えてくれたのだ。