CNNが9月17日、米中央情報局(CIA)のデビッド・コーエン副長官が「習近平国家首席が、2027年までに台湾を武力制圧する能力を持つように部下に指示した」と伝えている。27年は、中国人民解放軍の創設100年に当たる年であり、習近平国家首席が続投していれば、3期目の任期を終える節目の年である。

台湾有事においては、海上封鎖の戦略が有力視されている(新華社/アフロ)

 昨年3月にもインド太平洋軍のトップだったフィリップ・デービッドソン氏が、米議会公聴会で「27年に中国が台湾へ侵攻する」と述べており、その年の米国防総省の年次報告書にも反映されている。中国の台湾侵攻は、8月のペロシ米下院議長の台湾訪問の際に行われた海軍、空軍、ロケット軍、戦力支援軍、統合後方支援軍が参加した大規模な軍事訓練のようなものではなく、米国の最新の研究では、機雷を敷設する海上封鎖が、中国軍や米軍の最も現実的シナリオとして想定されているようだ。

費用対効果に注目

 ネイバル・ウォー・カレッジ(Naval War College Review)の最新号である22年冬号に「中国に対する攻撃的な機雷敷設作戦」と題するマシュー・カンシアン(Matthew Cancian)氏の論文が掲載されている。マシュー・カンシアン氏は、元海兵隊大尉の退役軍人であり、マチューセッツ工科大学で政治学の博士号を取得。現在は、ネイバル・ウォー・カレッジで軍事作戦を研究している人物である。

 論文によると中国の台湾侵攻を阻止するには、台湾海峡に多数の機雷を設置した機雷原を敷設することが、戦闘的作戦よりもリスクの低い危機対応の方策だとしている。一般に爆撃機による機雷敷設は、延べ出撃数に対する損失率(Combat Losses)は1%未満であり、都市部への爆撃より遥かに低い損失で、第2次世界大戦の日本への攻撃では、潜水艦による船舶への攻撃の9倍もの費用対効果があったと分析されている。

 マシュー・カンシアン氏は、「水雷(機雷)は歴史的に有効な兵器であることは間違いないが、米国はあまりに無関心である」とし、軍事オプションとしての機雷戦への準備を怠らないようにと述べている。