2023年に開業するプロ野球日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールド北海道」(北海道北広島市)のファウルゾーンの一部が規定より狭くなっているという問題が話題となった。現時点では、とりあえず現状のままで23年の公式戦を実施することとなり、同年のシーズンオフから2年がかりで改修工事を行うということとなった。

 この騒動だが、ストーリー全体がメチャクチャである。

日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」。ファウルゾーンの一部が「規定違反」とされた(時事)

米国の「翻訳」のはずが、生まれた齟齬

 まず、そもそもの原因は日本の野球規則にある。日本の野球規則は、過去長い間米国の "Baseball Official Rules" を1年遅れで翻訳したものとして、これに独自の検討を加えるという運用をしてきた。

 例えば、米国のMLBには引き分けはないが、日本の場合は公的交通機関に終電があるので引き分けがあるなど、日本の事情により多少の独自性がある。コロナ禍対策も日米では違いがあった。

 けれども、その他の主要な部分に関しては、米国版の規則を忠実に翻訳して日本の規則としているはずであった。

 ところが、問題の箇所に関して、「米国版の "Rule 2.01 Layout of the Field"」では、“It is recommended that the distance from home base to the backstop, and from the base lines to the nearest fence, stand or other obstruction on foul territory shall be 60 feet or more.”と表現。

 対して、「日本版の『2.01 競技場の設定』」では、「本塁からバックストップまでの距離、塁線からファウルグラウンドにあるフェンス、スタンドまたはプレイの妨げになる施設までの距離は、60フィート(18.288メートル)以上を必要とする。」という訳が採用されているようだ。

 つまり「リコメンド(推奨する)」という表現が「必要とする」という強制規定になっているのである。