携帯通信事業者のIoTへの取り組みが盛んだ。今週は、NTTドコモが一次産業向けのAIを活用したIoTソリューションの提供を、ソフトバンクはLPガスメーター向けのLPWA通信ボードの開発を、それぞれ発表している。

NTTドコモのソリューションは、農業や漁業などの一次産業に向けたAIを活用した新しいソリューションとの位置づけで、2017年9月中旬に提供を開始する。センサーから収集した数値データに加えて、カメラ画像や音声などの視聴覚データを利用してプラットフォーム上で蓄積・分析することで、精度の高い解析結果を導き出せるという。NTTグループのAI技術「corevo」を使ってドコモが開発した「自然対話エンジン」「画像認識エンジン」などのAI技術と、日本IBMの「IoT分析プラットフォーム」を連携して実現する。

例えば画像を使うことで、農作物の視覚的な情報から病気の兆候や生育状況の把握が可能になる。また音声に対応することで、熟練従事者の経験や知識を音声で蓄積し、センサーから得たデータと関連付けることで、熟練従事者の判断ロジックを可視化することができるようになる。ドコモでは新ソリューションの提供に先立ち、水耕栽培の実証実験をアプレと、マグロ養殖現場での実証実験を双日ツナファーム鷹島と、8月8日に開始した。

ソフトバンクは、3GPPのリリース13に準拠するCat.M1、NB-IoTといった次世代IoT通信方式に対応した通信ボードの開発を開始し、2018年度中の商用化を目指す。ターゲットとするのは、LPガスメーターからのデータ取得、活用の用途。次世代IoT通信方式に対応することで、電池による10年以上の長期駆動や、遠隔からのガスの制御が可能な双方向通信にも対応する。

開発する通信ボードは、次世代IoT通信方式に加えて、ガスメーターとの接続に使うNライン、Uバスのインタフェースを備えるほか、ガスメーター間の既存の通信方式である920MHz帯の特定小電力無線を利用するUバスエアにも対応する。このため1つの通信ボードを搭載することで、モバイル通信ネットワークとガスメーター間のローカルネットワークの双方に対応できる。通信ボードから得た自動検針データを活用することで、検針業務の合理化や、LPガス容器の配送業務の効率化を図るほか、双方向の情報通信機能を活用して保安サービスや付加価値サービスの提供も可能になるという。

KDDIは前週の8月2日にIoT通信プラットフォームを提供するソラコムを子会社することを発表している(関連記事:KDDIがソラコムの子会社化などIoTで攻勢(https://wirelesswire.jp/2017/08/60777/))。携帯通信事業者のポストスマホの取り組みとして、IoTソリューションでの覇権争いが一段と激化することになる。

【報道発表資料】
・1次産業向けにAIを活用した新たなIoTソリューションを提供(https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2017/08/08_02.html)
・LPガスメーターのデータ取得、活用に向けた次世代IoT通信方式を搭載した通信ボードの開発について(https://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2017/20170808_01/)