新型コロナウイルスによって消費者の意識はどのように変化しているのか。定量的な行動データだけでなく、定性的な意識データを分析、把握することが、企業がウィズコロナ時代に生き残るための戦略として必要性が高まっている。日本テラデータは、そうした背景に対応できるように、新型コロナウイルスが及ぼした影響についての消費者の意識調査を実施し、その結果をオンラインの記者説明会で公表した。

消費者意識変化に関する調査で、大きく「社会での全体的変化」「身の回りでの外的変化」「自信に関する物理的変化/精神的変化」の3つのカテゴリーについて、13の質問(5尺度)で尋ねた。インターネットによるアンケート調査を実施し、性別、年齢、地域を日本の人口統計の割合に基づく割合になるようした1000サンプルを回収した。

結果では例えば、「社会での全体的変化」カテゴリーの「いつ終息するかわからない不安」への質問に対しては、より不安が強い側の2つの尺度の合計が57.1%となり、不安でないと感じる側の2尺度の合計の15.9%を大きく上回った。「身の回りでの外的変化」カテゴリーでは、「情報格差の拡大」の設問で、情報格差が格差あるとする2尺度の回答合計が47.0%、情報は平等だと考える2尺度の合計は13.1%と、コロナ禍における情報格差の拡大を意識していることがわかった。また「自身に関する精神的変化」のカテゴリーでは、「自分で何とかするという意思」について、「生活には自己管理」が必要と考える2尺度の回答が44.0%、「人々は助け合って生活」すると考える2尺度の回答は19.4%で、自己管理の意識の高まりが見て取れる。

▼「社会での全体的変化」に対する意識調査の結果(日本テラデータの説明資料より)

実際の分析にあたった日本テラデータ テラデータ・コンサルティング本部 アナリティクス・プラクティス ビジネス&ソリューション デベロップメント マネージャの豊冨聡氏は、「全体的な解釈として、以下の4つがわかってきた」という。それは(1)オンラインサービスを適切に使いこなせている消費者ほど、孤立感を感じにくく、社会やコミュニティーからの疎外感を回避できている、(2)一方で、ITリテラシーが高くない消費者は、社会における情報格差を感じ、疎外感を抱きやすい、(3)パンデミックと日本政府への不信感から自らを律しようとして自己管理の意識が高くなる、(4)SNSは情報収集ツールとの位置づけが主流だが、情報発信の増加も期待される――ということだ。

属性とのクロス分析の結果では、「不安感」や「政府への不信感」は女性のほうが高く感じ、「情報発信」ではSNSによる発信が男性により多く見られた。またコロナによる収入のインパクトがあった層のほうが、インパクトがなかった層よりも「不安感」「自己管理」「情報発信」の傾向が高かった。

▼性別とのクロス分析では、女性のほうがより「不安感」や「政府への不信感」が高くケアが必要と見られる(日本テラデータの説明資料より)

同本部でアナリティクス・プラクティス ディレクターを務める宮津和弘氏は、「こうした意識調査の結果を分析することで、消費者と企業に関連した解釈と示唆が生まれる。例えば、危機意識の高い消費者ほど最新の情報を集めたいと考え、同時に情報収集だけでなく情報発信の意向も高くなる。また、消費者と企業がオンラインでよりつながることで、消費者に対して直接役立つアドバイスやサービスの提供が求められるようになる。さらに、今後の企業ブランドの確立には、コロナ禍により不安感を抱く消費者に企業が共感して、寄り添うようなサービスや商品を提供して消費者の自己実現を支援する必要性が高まってくる」と語る。

テラデータは、データアナリティクスプラットフォームの「Teradata Vantage」を提供しており、多様なデータの分析を可能にしている。今回、日本テラデータのアナリティクス・プラクティスのチームで第1回目の消費者の意識調査を行った意義としては、意識調査のような定性的なデータも含めて分析することで、これまで以上に消費者の心的状況を的確に推測できるようすることが挙げられる。こうした分析により、企業が消費者の意識変化を捉えた施策を打てるようになる。

宮津氏は「ウィズコロナ時代には、いままでと違う価値観を企業が意識しながら消費者と関わっていく必要がある。それはどういう点なのか、そのためにはどんなデータやサービスが必要なのか。消費者の意識を捉えることで企業価値を高めるコンサルティングに注力していきたい」と語る。さらに、見えにくい消費者の意識を分析するために、機械学習などのAIを活用しながら消費者の意識変化を捉えることの必要性も訴えた。