前回の記事(https://wirelesswire.jp/2020/09/77457/)では、ロックダウンによってイギリスでは Fintech サービスの需要が急上昇し、ユーザーが増加したというトピックをご紹介しました。

それまで Fintech を使っていなかったユーザーが、ロックダウンによってサービスを使わざる得なくなり、 しかし使ってみたら案外便利で気に入ってしまった、という話です。

このトピックに関して非常に面白いのが、金融サービスにおいても、コロナによる市場の変化のありかたが、先月ご紹介したストリーミングサービスと非常に似ているところです。これは、コロナ後の時代のニューノーマルであり、10年かかる変化がおそらくここ1年以内に起こるということです。

これまで、オンラインサービスを使っていなかった中高年層やテクノロジーに弱いグループが、ロックダウンによって、これまで縁がなかったサービスを使い始め、実際に使ってみたら案外良かったので新規の顧客になる、という流れは、金融だけではなくストリーミングでも顕著です。

イギリスの場合、DeliverooやUberEatsのような配送サービス、オンラインショッピング、オンライン講座、リモートエデュケーションなども同様です。使ってみたら案外良かったということで、ユーザーが定着し始めています。

イギリスの学校では、今後もロックダウンが起こることを予期して、オンラインとリアルのハイブリッドのような形態を前提にした制度設計を始めたところが多くなっています。

しかしこのような結果は、イギリスをはじめとする欧州各国と日本との間に、非常に深い溝を作ることになるような気がしています。

日本の場合は、ロックダウンが非常にゆるく、期間も短かったので、現在もロックダウンが再開されているイギリスやアメリカなどに比べますと、消費者がオンラインサービスに移行する動機が弱くなりがちです。さらに日本は高齢者の割合も高く、なかなかオンラインに移行できないという人も多いでしょう。

通信インフラが他の国に比べると世界最高水準で整っている日本であるにもかかわらず、その土台を十分に活用できてないというのは実に残念です。ユーザーの需要が他の国に比べて少ないということは、ビジネスのイノベーションもなかなか起きづらいということです。

北米や欧州では、10年で起きる変化がここ1年で起きる、ということを考えると、日本と海外との間の溝は、ますます広がっていくのではないでしょうか。これに関しては、日本のビジネスサイドだけではなく、政府もかなり深刻に考えるべきです。