長い鎖国を終えた日本には多くの外国人がやってきました。彼らが観察した日本住宅の特徴は「可動式の紙貼りの建具(襖)で仕切られている」「床は地面より高く、そこには畳なるものが敷かれていて、椅子・ソファ・ベッドの役割を担うと同時にテーブルとしてさえ利用される」「部屋の周りに廊下(縁側)がある」「必ず靴を脱がねばならぬので清潔」というようなものでした。そして明治政府は富国強兵・殖産興業というスローガンの元、積極的な欧米文化の導入による新しい近代国家の建設を急ぐことになりますが、この伝統的な日本家屋もその影響を受け、急速な変化を遂げていきます。まずは官衙(かんが)建築、学校建築の洋風化からスタートしますが、なぜか上流階級には「和洋館並列型住宅」が定着します。畳敷きの部屋を取り入れた洋館が増えていくのです。そしてこれを小規模化した中流階級の住宅も「和洋折衷住家」として普及していくことになります。

これは急速な欧米化に対する和室の“抵抗”であると同時に、和室の近代化とも考えられます。いずれにしても現在まで続く日本の“標準的な一戸建て”はこの明治から昭和初期における大きなうねりの中で、その和室的なるものを育んできたことは間違いありません。和室学第二回は、その実態や本質がどのようなものだったのかを神奈川大学・内田青蔵氏と建築家・上西明氏に解説していただきます。聴竹居(ちょうちくきょ)http://www.chochikukyo.com(http://www.chochikukyo.com) のような建物に興味のある方におすすめの講義になるでしょう。司会は第一回に引き続き松村秀一先生(東京大学)が担当されます。ぜひご参加ください。

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【新教養主義宣言・和室学第二回】10月13日(火曜)18:00〜20:00:和洋折衷という発明
新教養主義宣言・トークイベント vol.9

日 程:2020年 10月13日(火曜)18:00〜20:00
(17:50からオンラインになります。18時ちょうどに内田先生と上西先生、そして松村先生が登場します)
会 場:Zoomを利用したオンラインイベントです。peatixでお申し込みの方に事前に招待メールをお送りします。
参加料:¥3,000(税込):チケットの購入期限は当日10月13日の正午までとさせていただきます
申込み:こちら(http://ptix.at/0OrGS1)よりお申込みください
主 催:WirelessWireNews編集部(スタイル株式会社)


内田 青蔵(うちだ・せいぞう)
1953年生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科博士課程満期退学。工学博士。現在、神奈川大学工学部教授。著書に『あめりか屋商品住宅』住まいの図書館出版局、1987年、『日本の近代住宅』鹿島出版会、1992年(鹿島出版会SD選書で改訂版、2016年)、『同潤会に学べ』王国社、2004年、『「間取り」で楽しむ住宅読本』光文社新書189、2005年、『新版図説・近代日本住宅史』(共著)鹿島出版会、2008年、『受け継がれる住まい』(共著・住総研住まい読本)柏書房、2016年、『住まいの生命力』(共著・住総研住まい読本)柏書房、2020年など。

 

上西 明(うえにし・あきら)
1959年生まれ。建築家。東京大学大学院修士課程修了。工学修士。槇総合計画事務所(代官山ヒルサイドプラザ、名取市文化会館などを担当)を経て、上西建築都市設計事務所を設立。主な作品に、奈良県医師会センター、岩尾整形外科病院、大田区うめのき園分場など。共著に『都市のあこがれ』鹿島出版会、2009年、『劇場空間への誘い』鹿島出版会、2010年。

司会:松村 秀一
1957年生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。現在、東京大学大学院工学系研究科特任教授。著書に“Open Architecture for the People”Routledge、2019年、『空き家を活かす』朝日新聞出版、2018年、『ひらかれる建築−「民主化」の作法』筑摩書房、2016年、『建築再生学』市ヶ谷出版社、2016年、『建築−新しい仕事のかたち 箱の産業から場の産業へ』彰国社、2013年、『箱の産業』彰国社、2013年、『団地再生』彰国社、2001年、『「住宅」という考え方−20世紀的住宅の系譜−』東京大学出版会、1999年、『「住宅ができる世界」のしくみ』彰国社、1998年など。

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