デジタル庁は、日本におけるデジタル社会の形成に向けて活動を開始しました。

先日は、デジタル化を議論する有識者会議「デジタル社会構想会議」の初会合を開催し、有識者からは不足するデジタル人材を「移民」で受け入れるという提言が出てきたわけですが、今更何を言っているんだ、という感じであります。

そもそも、なぜこれまで日本にデジタル人材含め、IT関連の高度技能人材が来なかったかという点が議論されていないのでありますが、一番の理由が、ぶっちゃけて言いますと、要するにお金なんですよね。

日本で働いても、他の先進国に比べてとにかく報酬が安いんです。

例えば、イギリスで年収1200万円程度もらえる仕事は、日本だと孫請けの人が年収480万円くらいでやっていたりします。 しかも英国では、デスマーチはほとんどなく、定時で家に帰れます。要件定義以上のこともあまり要求されません。

海外の人は、日本の環境の悲惨さを結構知ってるので、日本に来ないんです。

実際に手を動かす人がなんでこんなにもらえるかというと、中抜きがそんなに多くないからなんですよね。そもそも下請けに出すにしても、日本のような多重請負はあまりありません。

政府とか大企業案件の場合は、セキュリティの問題があることと、品質保証が難しくなるので、どこまで下請けに出せるかという規制があったりもします。大抵の場合は、最高で二次受けまでです。

どこにいくらで出したか、どの作業をしたか、といったことも報告しなければなりませんし、下請けの要員の専門性や経歴まで報告する場合があります。

下請けに出しまくると管理の手間暇も大変ですから、結局、自分の所でやった方が安く上がるし質も高くなるというわけなんですよ。結果的に現場で働く人の手により多くの報酬が残るわけです。

さらに、報酬が業界標準で大体決まっていますから、 それ以下のフィーにすると人が来ません。

現場の人は、安い仕事のオファーは本当に受けませんし、あまりにも安いとみんな怒ってその会社の悪口を撒きまくりますから、ひどい扱いをする会社というのは人が来なくなって下手をすると潰れるんですよね。

業界標準のそれなりのフィーを払っておく、というのは、リスク回避のためなんです。

こういう状況は、実はイギリスだけじゃなくて、他の先進国は大体同じなんです。IT業界は狭いですから、国は違っても業界で概ね状況が似る感じなんですよね。

では、なぜこういう当たり前のことが日本ではできないのか、ということなんですけども、 結局、ダンピングしている企業であるとか中抜きする企業などの存在やそのやり方について、政府が改善する気がないからなんです。

誰か得してる人がいるわけで、そういう人との関係は悪くしたくない、ということなんですよね。

しかし、日本のITは完全に他の国に負けてしまっており、国を潰しかねない状況になっているわけで、この辺を岸さんにはみっちり考えて頂きたいんですけども、有識者会議を見ている限り、どうもそうならないようですね。