体重・血圧、感染者数、天気予報、などのように、「データ」は私たちの生活や仕事のほぼ全ての領域に膨大な種類と数量で存在しています。それらのデータの意味を解析することで、その日の行動や作業が決まるといっても言い過ぎではないでしょう。

データの意味を読み解く時には、グラフなどで視覚化されたものを使うことが多く(データそのものの信憑性、調査・分析・統計的手法の確からしさが大前提となりますが)、最終的には自分自身がそのグラフをどう読み解けるか、あるいは論文などの場合には、視覚化されたデータでどの程度他人を説得できるか、共感してもらえるかが問われることになります。

一時期、インフォグラフィック(infographics)が流行しましたが、制作にお金がかかり過ぎる割りに誤解を招きやすいなどの理由からかなり下火になっている一方、「Tableau(https://www.tableau.com/ja-jp)」に代表されるBIツール(Business Intelligence tool)によるデータ分析が浸透し始めています。また、「3DARVI(https://www.anahd.co.jp/group/pr/202107/20210727-2.html)」のような被雷危険領域(誘発雷)予測技術を搭載した航空気象アプリも登場しています。

いずれにしてもデータの視覚化は、「相互に関連した膨大なデータをいかに正確に、緻密に、なおかつ分かりやすく伝えられるか」に挑戦してきた歴史でもあります。そして私たちにとっては、視覚化がほぼ唯一のデータとの接点、すなわちユーザインタフェースになっているといえます。

そういうわけで、今回の「シュレディンガーの水曜日」は、日本を代表するユーザインタフェースの第一人者である増井俊之氏(慶應義塾大学)に、データの視覚化の歴史、現状、注意点などについて講義していただくことにしました。日々、実験データの視覚化に腐心する研究者の皆さんの参考になると思います。(竹田)

募集要項
1月19日(水曜日)19:30開始
データ視覚化の注意点

講師:増井俊之(ますい・としゆき)慶應義塾大学・環境情報学部教授

講師:増井俊之(ますい・としゆき)慶應義塾大学・環境情報学部教授

東京大学大学院を修了後、富士通、シャープ、ソニーコンピュータサイエンス研究所、産業技術総合研究所、米Appleにて研究職を歴任。2009年より現職。「シュレディンガーの水曜日」ではレギュラーコメンテータを務める。

・日程:2022年1月19日(水曜)19:30-21:30(予定)
・講義は最初の30分程度。残りの時間を延々と雑談に費やすことで「気楽に参加できる放課後」というコンセプトで実施します。
・Zoomを利用したオンラインオンラインイベントです。前日までに参加URLをメールでお送りします。
・参加費:無料
・こちらのPeatixのページ(https://schrodinger013.peatix.com/)からお申し込みください。


「シュレディンガーの水曜日」は、毎週水曜日19時半に開講するサイエンスカフェです。毎週、国内最高レベルの研究者に最先端の知見をご披露いただきます。下記の4人のレギュラーコメンテータが運営しています。

原正彦(メインキャスター、MC):東京工業大学・物質理工学院応用科学系 教授原正彦(メインコメンテータ、MC):東京工業大学・物質理工学院・応用化学系 教授
1980年東京工業大学・有機材料工学科卒業、1983年修士修了、1988年工学博士。1981年から82年まで英国・マンチェスター大学・物理学科に留学。1985年4月から理化学研究所の高分子化学研究室・研究員。分子素子、エキゾチックナノ材料、局所時空間機能、創発機能(後に揺律機能)などの研究チームを主管、さらに理研-HYU連携研究センター長(韓国ソウル)、連携研究部門長を歴任。現在は東京工業大学教授、地球生命研究所(ELSI)化学進化ラボユニット兼務、理研客員研究員、国連大学客員教授を務める。

今泉洋(レギュラーコメンテータ):武蔵野美術大学・名誉教授今泉洋(レギュラーコメンテータ):武蔵野美術大学・名誉教授
武蔵野美術大学建築学科卒業後、建築の道を歩まず、雑誌や放送などのメディアビジネスに携わり、'80年代に米国でパーソナルコンピュータとネットワークの黎明期を体験。帰国後、出版社でネットワークサービスの運営などをてがけ、'99年に武蔵野美術大学デザイン情報学科創設とともに教授として着任。現在も新たな表現や創造的コラボレーションを可能にする学習の「場」実現に向け活動中。

増井俊之(レギュラーコメンテータ):慶應義塾大学環境情報学部教授増井俊之(レギュラーコメンテータ):慶應義塾大学環境情報学部教授
東京大学大学院を修了後、富士通、シャープ、ソニーコンピュータサイエンス研究所、産業技術総合研究所、米Appleにて研究職を歴任。2009年より現職。『POBox』や、簡単にスクリーンショットをアップできる『Gyazo』の開発者としても知られる、日本のユーザインターフェース研究の第一人者だがIT業界ではむしろ「気さくな発明おじさん」として有名。近著に『スマホに満足してますか?(ユーザインタフェースの心理学)(光文社新書)など。

竹田茂(司会進行およびMC):スタイル株式会社代表取締役/WirelessWireNews発行人竹田茂(司会進行およびMC):スタイル株式会社代表取締役/WirelessWireNews発行人
日経BP社でのインターネット事業開発の経験を経て、2004年にスタイル株式会社を設立。2010年にWirelessWireNewsを創刊。早稲田大学大学院国際情報通信研究科非常勤講師(1997〜2003年)、独立行政法人情報処理推進機構・AI社会実装推進委員(2017年)、編著に『ネットコミュニティビジネス入門』(日経BP社)、『モビリティと人の未来 自動運転は人を幸せにするか』(平凡社)、近著に『会社をつくれば自由になれる』(インプレス/ミシマ社)、など。