和室は世界に誇る日本の文化である。今回、東京大学大学院工学系研究科特任教授・松村秀一氏が塾長を務める「新・和室学―世界で日本にしかない空間文化」をここに開講いたします。

日本には、固有の歴史の中で独自に育まれ洗練されてきた建築等の空間とそこでの文化的な営みのかたちがあります。様々な生活文化が国境を超えて同質化へと向かう現代にあって、この国で独自に洗練されてきた空間文化は後退しつつあるようにも見えながら、その実、その可能性を大きく広げ世界で輝く時を、今か今かと待っています。本講では、世界で輝く時を待つ日本独自の空間文化について、異なる専門家の様々な視点からのガイダンスによって具体的な理解と思考を深めていきます。

第1回、ゲストは奈良女子大学教授・藤田盟児氏(建築史)。テーマは、《日本にしかない空間「和室」の起源を考える−それは「平等」から始まった》です。

今から6年ほど前、このままでは日本固有の空間文化の中心である「和室」は、日本の住宅からも徐々に姿を消していくのではないかという危機感から、「和室」の世界遺産的な価値を考える研究会が立ち上がりました。藤田盟児さんは、その準備会からのオリジナル・メンバーで、その折に拝聴し、目から鱗だったのが、「和室」の空間としての本質はその「平等」性にこそあるという、建築史家としての藤田さんの説でした。

多くの日本人が「和室」という言葉でイメージするのは「座敷」であろう。藤田さんはその「座敷」の形成過程を明らかにします。話は中世に遡り、かつて「デイ」と呼ばれた空間は、武家屋敷の「会所」に。そして、それが「座敷」、即ち「和室」へと形を整えていきました。また、藤田さんは、他にも「ウへ・シタ」と「カミ・シモ」からみた日本の原文化と文字の関係を紐解きながら、空間からみた日本文化の独自性を語られます。「和室」の成立よりも更に歴史を遡る、いわば藤田説の背景にもなっている文化論です。日本文化の空間性と時間性、即ち日本文化の様々な形式が空間と時間に対する共通の感性を基盤にすることにも注目すべきとも。ウェビナー当日は、「和室」の平等性に関する話から、この藤田さん独自の文化論まで、欲張ってお話いただきます。

お申込みいただいた方が当日お時間に都合がつかなくなった場合には、動画アーカイブでオンデマンド視聴を提供しますので、ご安心ください。

開催スケジュール等

●日 程:2022年1月27日(木曜)19:00〜21:00(予定)
●会 場:Zoomを利用したオンラインイベントです。
お申し込みはこちら(http://ptix.at/UvJd76) http://ptix.at/UvJd76(http://ptix.at/UvJd76)
お申込みいただいた方には、前日までに参加URLをメールにてお送りします。
●参加料:¥1500(税込)
※チケットの購入期限は当日1月27日の18:00までとさせていただきます。
●主 催:WirelessWireNews編集部(スタイル株式会社)

メインコメンテーター

松村秀一松村秀一
1957年生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。現在、東京大学大学院工学系研究科特任教授。著書に“Open Architecture for the People”Routledge、2019年、『空き家を活かす』朝日新聞出版、2018年、『ひらかれる建築−「民主化」の作法』筑摩書房、2016年、『建築再生学』市ヶ谷出版社、2016年、『建築−新しい仕事のかたち 箱の産業から場の産業へ』彰国社、2013年、『箱の産業』彰国社、2013年、『団地再生』彰国社、2001年、『「住宅」という考え方−20世紀的住宅の系譜−』東京大学出版会、1999年、『「住宅ができる世界」のしくみ』彰国社、1998年など。

ゲストコメンテーター

藤田盟児藤田盟児
1984年、東京大学工学部建築学科卒業(工学士)、1991年、東京大学大学院工学研究科博士課程修了。工学博士。奈良国立文化財研究所、名古屋造形芸術大学助教授、広島国際大学教授を経て、現在、奈良女子大学教授。著作に、『和室学』平凡社、『日本建築様式史』美術出版、『中世的空間と儀礼』東京大学出版会、『中世の空間を読む』吉川弘文館、『日本美術全集』小学館、ほか共著多数。