SNS上のコミュニケーションでは、逆張りをしてみたり、ちょっと皮肉な発言をしたりする人が賢く見えることがある。しかし、このような人々は本当に賢いのだろうか。
人間の本性は善なのか? それとも、悪なのか?
突然、何を問い出したのだ、と思われたかもしれません。世の中には、人間の本性は善であると考える人もいれば、人間の本性は悪であり、一見善良そうに見える行動でも、その究極の動機は自分のため、つまり利己心であって、人間というのは利己心を満たすためならば何だってするものだ、と考える人もいます。今回お話ししたいのは、人間の本性が善なのか悪なのかということそのものではなく、むしろこの「ある人が、人間の本性を善だと思っているか、悪だと思っているか」についてです。
人間の行動の動機づけは利己心であって心からの善意なんてものはないのだ! と考える傾向のことを、英語では Cynical と表現します。シニカルさというと、「皮肉」や「冷笑」と関連付けられがちですが、今回に限っては、「性悪説的な人間観」に近いものと考えていただいた方が適切かもしれません。
こういった性悪説的な人間観を持つ人は、どのような人なのでしょうか。たとえば、賢そうでしょうか? それともあまり賢くなさそうでしょうか? 一般に「性悪説的な人間観を持つ人の方が賢そうだと思われている」ことを示したのは、ティルバーグ大学のスタヴローヴァ氏らです。研究参加者に「人間は利己的ではなく愛他的である」と信じている性善説的な人の認知テストの成績と「人間は愛他的ではなく利己的である」と信じている性悪説的な人の認知テストの成績とを予測させたところ、性善説的な人の認知テストの成績よりも性悪説的な人の認知テストの成績の方が高くなるだろうと予測されていました。
さて、問題はここからです。性悪説的な人は、実際の認知テストでも高い点数を取れるのでしょうか。スタヴローヴァ氏は、ドイツの成人を対象に実施された全国教育パネル調査のデータを分析しました。すると認知能力が高い人ほど、また、高い教育水準の人ほど、むしろ人間の善良さを信じているという結果になっていました。
さらに、ドイツ社会経済パネル調査のデータからは、性悪説的な人間観を持っていた16-18歳の男女は、数年後に受けた認知テストでの成績が低かったという結果も示されています。つまり、一般的な印象とは反対に、現実には、性善説的な人の方が認知能力が高いということになります。
なぜそんなことになるのでしょうか。
※本稿は、モダンタイムズ(https://www.moderntimes.tv/)に掲載された記事の前半部分です。
(「冷笑系」の行動心理の続きを読む(https://www.moderntimes.tv/articles/20240318-01psychology/#:~:text=%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%8B%E3%80%82-,%E4%BB%96%E4%BA%BA%E3%82%92%E4%BF%A1%E9%A0%BC%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%8A%E4%BA%BA%E5%A5%BD%E3%81%97%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84,-%E3%82%B7%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%81%95%E3%81%A8))
この筆者の記事をもっと読む(https://www.moderntimes.tv/contributors/Yuko-Morimoto/)
(https://www.moderntimes.tv/)『モダンタイムズ』の無料メルマガ受信はこちらから(https://www.moderntimes.tv/member/)


プロバイダならOCN











