隠れ人見知りさんでも大丈夫。初対面でも会話が続き、相手とすんなり打ち解けるためのコツを、具体例とともにお届けします。

第1回⇒「人見知り女子は丸腰NG! 新年度を乗り切る準備3つ」
第2回⇒「初対面の緊張が一気にほぐれる「上から目線」の法則」

初対面の相手も緊張している! それを和らげるのがコツ

 第2回の記事「初対面の緊張が一気にほぐれる「上から目線」の法則」では、人当たりはいいのに初対面の相手や誰も知らないアウェーの場に弱い「隠れ人見知りさん」のために、初対面の相手とリラックスして会話できるコツをご紹介しました。今回はもう一歩踏み込んで、「相手がなぜか心を開いてくれる話し方・聞き方」をお伝えしたいと思います。

 前回の記事でもお伝えしましたが、初対面の相手と会うということは、自分だけが「初めて」なわけではなく、相手もまた同じです。ということは、「相手も自分と初めて会って緊張しているかもしれない」し、「自分からどう思われるか気にしているかもしれない」のです。

 相手もビクビクしている可能性大! ならば、その緊張をほぐしてあげる、というのがすんなり打ち解けるコツになります。

 相手の緊張をほぐしてあげることで、自分自身も自然とリラックスしてきます。というのも、目の前の相手のこわばりや警戒心がほぐれることで、そこに和んだ空気が生まれ、お互いに和気あいあいと会話が進みやすくなるからです。

 会話が進んでいく中で、相手が安心して心を開いてくれるようになり、初対面にもかかわらず、深い話をしてくれることも。それだけ打ち解けられたら、もはや「隠れ人見知り」は卒業できたようなものです。

 では次ページから、その話し方、聞き方の具体的なポイントをお伝えしていきます。

ほんの少しオープンマインドに! 親近感が増してくる

<方法その1>「軽めの自己開示で相手の緊張&警戒心を和らげる作戦」

 相手と話し始めた序盤、あるいは会話が少しずつ温まってきた中盤ぐらいに、自分の本音をほんのりオープンにしたり、自らをネタにした笑いを織り交ぜて場を和ませます。

その話し方の事例をいくつかお伝えしていきましょう。

(1)相手と話し始めた序盤

 まず、「自分が緊張している」という本音をそっと伝えます。すると、自分の緊張もほぐれますし、相手も「そうなんだぁ」とホッとしたり、「なかなかかわいげのある人だな」と思ってもらいやすくなります。
・「実は初対面の方とお会いすると緊張しちゃって。でも、〇〇さんがお優しい方でホッとしました(or 喉がカラカラでお茶が進んでしまいました!)」
・「(立食パーティーなどで)こういう初めての場ってちょっと気後れしちゃうんですよね。どうしたものかとオロオロしちゃいます(苦笑)」

(2)相手と会話が進んだ中盤

 会話が温まってきた中盤ぐらいに、自分の弱いところ、ダメなところ、失敗談などを笑いに変えるとより親近感が増してきます。
・「このお菓子、おいしいですね! ダイエット中なんですけど、おいしいものはついつい食べ過ぎちゃいます」
・「最近運動不足で、地下鉄の階段を上がるだけで息切れしちゃうんですよ(笑)」
・「ちょっと油断すると地元のなまりが出ちゃうんです。思わず出ちゃってたら教えてください!」
・「この前、ほろ酔いで電車に乗ったらだいぶ乗り過ごしちゃいまして(苦笑)。〇〇さんはお酒とか、飲まれます?」

 相手も共感できる程度の「あるある!」ネタがいいでしょう。自虐過ぎてもかえって引かれてしまいます。特に年齢と恋愛、結婚ネタは、初対面ではタブーだと思ってください。相手もリアクションに困ります。例えば……。

[NGな例]
・「いくつに見えます? いや〜もう結構な“おばさん”なんですよ」
⇒相手も同年代か年上だったら、ひとたまりもありません。

・「生まれてこの方(もうかれこれ10年も)彼氏がいないもんで。あはは」
⇒相手も笑っていいものか、困惑します。

・「縁遠くて、どなたかいい人いませんかね(苦笑)?」
⇒相手に重たいものを背負わせてはいけません。

 ともあれ、自分の本音や弱さをほんの少しオープンにすることで、相手も「この人は気さくだな」「この人と話しても大丈夫かも」と警戒心がほぐれてリラックスしてきます。すると相手も心を開いて話してくれるようになり、距離がググッと近づきます。

相手の話を聞くとき、ココに着目してほしい!

 続いて、相手が心を開きやすくなる聞き方をお伝えします。相手の話すことに耳を傾けて、しっかりうなずいたり、相づちを打つことはもちろん大切なのですが、その際にぜひ心掛けたいことがあります。

 それは相手の話すテンポやトーン、呼吸のリズムに着目することです。そこに意識を向けて相手にチューニングを合わせていくと、心地よく会話が進み、打ち解けやすくなります。

<方法その2>「相手の心が開いて会話が心地よく進む、チューニング作戦」

 相手がどんなテンポで話す人なのか? 声のトーンはどのような感じなのか? よく観察してみてください。例えばテンポでいうと、おっとりとゆっくり話す人、早口で小気味よく話す人、ゆっくりでもなく早口でもなく、ほどよいテンポで話す人など。トーンでいうと、かわいらしい高い声で話す人、落ち着いた低いトーンで話す人、ガツンとエネルギッシュに話す人などなど、いろんな人がいると思います。

 まずは、相手の話すテンポやトーンを観察して、そこに自分を同調させていきます(チューニング)。具体的には、うなずきや相づちのタイミング、声のトーンを相手の調子に合わせるのです。

 速いテンポの人なら、おのずとうなずきのタイミングは速くなり、回数も多くなるでしょうし、豪放らいらくな元気な人なら、こちらも声はやや張り気味で快活に話します。すると、相手が気持ち良く話をしてくれて、会話がポンポン弾むんですね。

 これは私自身、インタビュー時に無意識に行っていたのですが、心理学の手法でいう「ミラーリング効果(相手のしぐさや言動をまるで鏡<ミラー>のようにまねることで、相手から好感を持たれやすくなる)」に通じるものがあります。

呼吸を合わせると本当に息が合ってくる

 ちょっと難易度は上がりますが、「呼吸を合わせる」というのも効果大です。相手が息継ぎをする様子を見て、息を吸うとき、吐くときのタイミングを合わせるのです(相手が息を吸うときに自分も吸い、相手が息を吐くときに自分も吐く)。分かりにくい場合は、肩の上がり下がりを見ると呼吸の様子が分かります。

 呼吸を合わせると、まさに「息が合う」というように、互いの間に安心感や一体感が生まれます。

 ただ、相手のテンポ、トーン、呼吸に合わせることを意識し過ぎてガチガチになるのは本末転倒ですので、まずは家族や友人と話すときに練習してみるといいかもしれません。

 また、初対面の相手でも「この人とは合わせたくない!」と思ったら、おやめくださいね(笑)。変に相手のペースに巻き込まれて消耗するという危険性もありますので。

 例えば、相手が気持ち的に焦っていて猛烈に早口になっている場合、それに同調して合わせてしまうとこちらもパニックになっていきます。その場合は、あえてスローペースで落ち着いた調子で相づちを打つと、相手の勢いにのまれず、さらには相手の心の状態もクールダウンしていきます。

 さて次回は、相手の話を聞くときに気を付けたい「嫌われる相づち」や、逆に「好感の持てる相づち」について具体的にお伝えします。

文/望月まろん 写真/PIXTA

Profile望月まろん(もちづき・まろん)
文筆家(エッセイスト&インタビュアー)、産業カウンセラー。人材派遣会社を経て、日経ホーム出版社(現・日経BP社)で就職情報誌の編集に携わる。2001年に独立後、雑誌、書籍などで様々な業界で働く人に仕事観や人生観を1000人以上にインタビュー。「働く人の心の悩み」にも寄り添うべく、産業カウンセラーの資格も取得した。公式サイトはこちら