毎週のようにAmazonを愛用している人は多いだろう。4月ごろより、そのAmazonの個人や業者が出品できる「マーケットプレイス」で詐欺事件が多発している。どのような詐欺が起きていたのか、どのようにすれば避けられるのかをご紹介したい。

注文しても商品を発送しない不正アカウント詐欺

 Amazonマーケットプレイスで詐欺が多発した。商品を市場より大幅に安い価格で出品し、大量の注文を受けておきながら商品を発送しない詐欺だ。ユーザーは、到着予定日になっても届かないことから詐欺に遭ったことに気付く。

 そのようなアカウントは、購入者によるレビューが数年前で止まっているものが多かった。それまでのレビューは決して悪いものではないにもかかわらず、なぜそのような詐欺行為につながったのか。実は、休止している業者の出品アカウントが乗っ取られ、悪用されたと考えられるのだ。

 Amazonは、商品が到着しないなどのトラブルがあれば返金し、違反している出店者に対して早急な処置を取っている。つまり詐欺に遭っても金銭的な被害はないのだが、購入時に詐欺師に個人情報が渡ってしまい出品者情報として悪用されるケースもある。詐欺者に資金を与えたくもないし、詐欺に遭わないようにすることはとても大切だ。

事実上審査がないAmazonマーケットプレイス

 Amazon側もそれなりに対策はしている。例えば筆者の元にも後述する2段階認証のお願いがきていた。しかし、Amazonのセラーフォーラムによると、詐欺アカウントは執筆現在も完全に駆逐されたわけではないようだ。これまでの詐欺アカウントは商品を1円や100円などの破格に安い値段で販売するところが多く、出品国も海外になっていることが多かったが、最近は市場の半額で出品者情報も国内の住所になっているなど、手口がより巧妙になっているようだ。

 もともとAmazonのマーケットプレイスが急成長したのは、他社よりも販売手数料が安く、手続きが簡単ですぐに出品できたためだ。裏返せば事実上審査がなかったことが、この詐欺まん延につながっていることは間違いない。Amazonには今後、審査を厳しくしたり、詐欺アカウントを停止させるなど、審査・管理を徹底してもらいたい。

詐欺に引っかからないためのチェックポイント

 詐欺に遭わないためにはどうすればいいのか。購入する場合はなるべくAmazonが出品・販売している商品に限定すると安心だ。マーケットプレイス上で第三者が販売する商品を購入する場合は、出品アカウントがAmazon以外にも出品しているような信頼できる店のものか、Amazon内の評価・レビュー・取引回数はどうか、値段は適正なものかなどを確認しておきたい。

 業者のアカウントが乗っ取られた理由は、2段階認証をしていなかったためだ。2段階認証をすると、ログイン時にパスワードの入力の他に、セキュリティーコードを入力しなければならなくなるため、アカウントのセキュリティー強化に有効だ。出品アカウントを持っている人は必ず2段階認証を有効にし、購入するだけの人も万一のために有効にしておくといいだろう。

文/高橋暁子 写真/PIXTA

Profile高橋 暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育等について詳しい。元小学校教員。「スマホ×ソーシャルで儲かる会社に代わる本」「Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本」(共に日本実業出版社)他著書多数。近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎/出版社のホームページ)。
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