家が欲しい、マンションが買いたいという気持ちが高まったら、物件を見に行く前に、5つの質問で自分の気持ちを最終確認してみましょうということを前回お伝えしました。その上で、「やっぱり買いたい」という気持ちが「固まった」ら、次のステージは、「自分が無理なく買える家(マンション)の値段」を知ることです。独身女子が買いたいと思うのは一軒家よりもマンションのほうが多いと思うので、今回も、マンションを購入することを前提に、お話していきたいと思います。

■「家を買いたい」と思う人は、前回の記事もぜひ読んでください → 「独身女子が家を買いたいと思ったときに確認する質問5」

 実は、「無理なく買えるマンションの値段」を知る方法は、簡単! 3ステップで計算できます。

ステップ1 無理のない毎月返済額はいくら?
ステップ2 無理なく返せる借入金額はいくら?
ステップ3 無理なく買えるマンションの金額は?

ステップ1 無理のない毎月返済額はいくら?

 現在の家計をモトにして、住居費にかけることができる金額を出しましょう。

 例えば、月収30万円で今の家賃が8万円、マンションを買った後も毎月の住居費が8万円で生活にもゆとりがあるのなら、8万円が住居費ということになります。ただし、8万円がそのまま住宅ローンの返済額にはならないため、注意が必要です。

 一戸建てと異なり、マンションは毎月、管理費や修繕積立金がかかります。全国平均値では、この2つの合計額は月額約2万円(国土交通省:平成25年度マンション総合調査)。さらに、車がある人は駐車場代などもかかります。

 そのため、1カ月の想定住居費が8万円で、住宅ローンも8万円で組んでしまうと、実際の住居費は管理費と修繕積立金を合わせて10万円になってしまいます。そこで、1カ月の想定住居費8万円から2万円を差し引いた6万円を、無理のない毎月返済額として、計算していきます。

無理のない毎月返済額=1カ月の想定住居費−管理費・修繕積立金2万円

ステップ2 無理なく返せる借入金額はいくら?

 無理のない毎月返済額が分かったら、そこから借入金額を逆算します。この「逆算」がカギです。

 多くの人は、欲しい物件を決めて、物件価格から自己資金で足りない金額の住宅ローンを組みます。そうなると、目の前に欲しい物件があるため、少々無理なローンでも組んでしまう可能性が高まります。安心してローンを組み、そして、返済するためには、無理なく返せる毎月返済額で借りられる金額を知ることが重要なのです。

 そして、その借入金額は、早見表を見ればすぐに分かります。

 日経ウーマンオンラインの読者なら、一般的に住宅ローンの完済年齢とされる80歳まで35年ある方が多いでしょうから、「定年までに返したい」というのは、後で考えることとして、ひとまず35年ローンで借りることができる金額を見つけましょう。

 35年の住宅ローンを借りていて、後から繰り上げ返済で早く返すことはできても、後から期間を延ばすことは原則できません。まずは、最長期間で考えてみましょう。

 表は、例えば毎月返済額が6万円で、35年返済、金利1.5%の借入金額なら、1960万円というように使います。

ステップ3 無理なく買えるマンションの金額は?

 ステップ2で、無理なく返せる借入金額が分かったら、いよいよマンションの予算です。

 シンプルに考えると、借入金額と自己資金の合計金額が物件価格になりそうなのですが、ここにも注意ポイントがあります。

 マイホームを買うときには、住宅ローンの諸費用や「このマンションは私のものです」という登記をするための諸費用、火災保険などの費用がかかります。新築物件は仲介手数料等がかかることは少ないですが、主に中古物件では、物件価格の約3%の仲介手数料がかかります。

 そのため、一般的にかかる諸費用は、新築なら物件価格の5%、中古なら物件価格の8%で見積もり、借入金額と自己資金の合計額から、諸費用分を差し引いて予算を計算するのです。新築物件の場合は、「借入金額と自己資金の合計額」を1.05で割って予算を出します。中古物件の場合は1.08で割ります。

 借入金額1960万円の例で考えてみましょう。

 今までに頑張って貯蓄をして自己資金が500万円という場合、合計金額は2460万円です。新築なら1.05で割ると2342万円。中古物件なら1.08で割って2277万円。これが「無理なく買えるマンションの金額」になるのです。

 もし、自分の貯蓄と親からの贈与を合わせて自己資金が1000万円ある場合は、合計金額は2960万円。諸費用を省くと、無理なく買える新築マンションの金額は2819万円。中古物件なら2740万円です。

□ 主に新築マンション(仲介手数料が不要な場合)
無理なく買えるマンションの金額=(無理なく返せる借入金額+自己資金)÷1.05
□ 主に中古マンション(仲介手数料が必要な場合)
無理なく買えるマンションの金額=(無理なく返せる借入金額+自己資金)÷1.08

 この3ステップで、まずは、今の生活をそのまま続けた場合で、無理なく買える物件の予算を出してみてくださいね。

 この予算額が自分が買いたい物件価格に近ければ、ひとまず安心して物件探しができるでしょう。

 でも、「私が買いたい物件はもっと高い!」という場合は、現在の家計を見直すことが必要です。そこで次回は、買いたいマンションに向けての家計の見直し方をお伝えします。

文/前野 彩 写真/PIXTA

Profile前野彩(まえの・あや)
Cras代表取締役。FPオフィス will代表。大阪在住のファイナンシャルプランナー。中学・高校の保健室の先生から、結婚、退職、住宅購入、加入保険会社の破たんを経て転身。働く女性や子育て世帯が、お金の安心と可能性を実感できる「知れば得トク、知らなきゃソンするお金の知恵」を伝える。講演やテレビでも活躍。新著に『本気で家計を変えたいあなたへ〈第2版〉 書き込む“お金のワークブック”』(日本経済新聞出版社)。