「働き方改革」の一環として、残業時間を減らそうという取り組みが広がっています。皆さんの残業時間は、昨年に比べて減っていますか。全国の20〜59歳の公務員・会社員1万123人を対象とした2018年の「残業時間」調査を紹介するとともに、2017年3月の調査結果と比べて、その変化や働く人の本音に迫ります。

【アンケート概要】
「fabcross for エンジニア」によるインターネット調査
◎調査期間:2018年7月26日〜9月2日
◎調査対象:全国の20〜59歳の公務員・会社員1万123人

1カ月の残業時間、昨年よりわずかに減少

 「平均的な1カ月の残業時間」を聞いたところ、「1〜10時間」が35.9%で最も多く、「11〜20時間」が15.9%、「21〜30時間」が9.8%でした。「0時間」という人も21.3%います。8割以上の人は、1カ月の平均残業時間が30時間以内でした。平均は17.7時間で、2017年調査より0.6時間、つまり約36分は残業が減っています。

残業時間が長いのは、教育と運輸関係

 では、残業時間が長い人はどんな仕事をしているのでしょうか。業種別の割合で見ると、11時間以上残業をしている比率が最も高いのは「教育・学習支援業」(56.5%)で、平均残業時間は31.6時間に上ります。平均残業時間の長さでは、続いて「運輸業・郵便業」「学術研究・専門・技術サービス業」「建設業」となっています。

 時間の平均で見ると、職種別では、11時間以上残業している比率が最も高いのは「教育・保育関連職」(61.2%)で、平均残業時間は34.6時間でした。平均残業時間の長さでは「交通・運輸関連職」「建設・土木系エンジニア」が続きます。先ほどと同様、教育と運輸関連は残業が多いことが明らかになりました。

残業時間が長いのは50代、短いのは20代

 「平均的な1カ月の残業時間」を年齢別に見てみましょう。割合で見ると、下記の結果になりました。

 時間の平均で見ると、一番長かったのは「50〜54歳」と「55〜59歳」で、ともに19時間でした。反対に残業時間が短いのは、20代から30代前半でした。

昨年より残業が減った人は3割弱

 「昨年と比較して残業時間は減っているか」という質問に対しては、「大きく減っている」「多少は減っている」を合わせると29.7%でした。

 では、残業時間が減ったという人に、残業が減ったことについてどう思うか聞きました。「嬉しい」人が61.9%に対して、「嬉しくない」人が13.0%いました。

残業が減ったメリットは「体を休められる」、デメリットは…

 「残業が減ったことによるメリット」のトップ3は、「体を休めることができるようになった」(44.5%)、「趣味や娯楽を楽しむ時間ができた」(39.0%)、「家族や友人と過ごす時間が増えた」(35.2%)でした。

 反対に「残業が減ったことによるデメリット」は、44.4%の人が「収入(残業代)が減って困っている」を挙げています。また、「業務に遅れが出ている」(17.6%)、「自分の残業が減った分、他に負担がかかっている」(13.2%)、「クライアント対応などに支障が出ている」(10.1%)という声もあり、必ずしも仕事がうまく回って残業が減っているわけではないという実態が明らかになりました。

残業時間が変わらない人の7割は「生産性を高める取り組みをしたことがない」

 昨年と比べて残業時間は「変わらない」と答えた5369人のうち1100人を対象に、「生産性を高めるために、何かしらの取り組みを行ったことがあるか」を聞いたところ、「ある」と答えた人は28.0%でした。やはり残業時間が「減った」人(34.2%)に比べると6.2%低くなっています。

 「昨年より残業時間が減った」人が3割弱いたのは、いい傾向といえそうです。一方、残業が減ったことで、自分の業務や周りの人に支障が出ているケースもありました。単に残業時間を減らすだけでなく、業務自体の進め方を見直す必要がありそうですね。

文/佐々木恵美 イラスト/PIXTA