
作家、心理カウンセラー、米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。東京大学教養学部卒業後、角川書店・博報堂・博報堂生活総合研究所を経て独立。著書に、『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』シリーズ(ともにディスカヴァー)、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』(新潮文庫)などがある。『スッキリ!!』(日本テレビ)を『この差って何ですか?』(TBS)をはじめ、テレビ、雑誌などのメディアに出演多数。
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今回のお題:頼む

多くの人が、夫や妻になんの気になしに言ってしまっているはず。でも常識ある大人同士の会話なら、次のように言うのが正解です。
「牛乳買ってきてくれる?」「醤油取ってくれる?」
コミュニケーションをまろやかにしたいとき、よい働きをしてくれるのが疑問形です。夫婦間で何かを頼むときは、命令形は避けて疑問形にしてみましょう。
夫婦によっては役割分担がきちんとされていて、妻か夫のどちらかがやると決まっているかもしれません。だとしても夫婦間で「相手がやってくれて当たり前のこと」なんて一つもないのです。 むしろ相手が何かをしてくれたら「やってもらっちゃってすまないねえ」と罪悪感を抱く、「借り」を感じるくらいがちょうどいいのです。
「してくれた」と言う。「してあげた」と思わない
そうやって相手の提供するサービスを当然と思わなければ、たとえば「このシャツ、洗った?」は「このシャツ、洗ってくれた?」と言えるようにもなるでしょう。「くれた」というたった3文字を足すだけで、そこに相手への感謝の気持ちが付け加わるのです。ちなみに、もう少し上級の疑問形テクニックもあります。
たとえば、相手にそろそろお風呂に入ってもらいたいのに、スマホやテレビに夢中になっていてその気配がまるでないとき。「早くお風呂に入ってよ!」ではなく、「お風呂に入っちゃってくれる?」のほうがベターです。
さて、相手がしてくれたことを「当然と思わない」のが重要である反面、自分が何かしたときに「してあげた」と思うのはNG。
「俺が皿を洗ってあげた」「私が料理を作ってあげた」などと恩着せがましく思うと、「これだけしてあげたのに、なんであなたは何もしないの?」という気持ちが芽生えてしまいます。
簡単ではないことは百も承知ですが、夫婦間では何かにつけて「してくれた」と言い、「してあげた」とは言わないことが大事。依存・甘えはそういうところからスタートするのです。
ポイント

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(文:五百田達成『不機嫌な妻 無関心な夫』(ディスカヴァー)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)