グッドネーバーズ・ジャパンは1月13日、「ひとり親家庭の養育費受け取りの実情」に関するアンケート調査の結果を発表しました。多くのひとり親家庭が養育費をきちんと受け取ることができないだけでなく、その状況を変えることが難しいことがわかりました。

ひとり親になった経緯

養育費の実際の受け取り額は、取り決め額より低いことも明らかに

平成28年に厚生労働省が発表した「全国ひとり親世帯等調査」によると、養育費を継続して受け取っている母子世帯は24%ほどであることがわかっています。ひとり親家庭のフードバンク「グッドごはん」を実施する認定NPO法人・グッドネーバーズ・ジャパンは、主に離婚によるひとり親家庭の「養育費」の実情を把握するために調査を実施しました。

ひとり親になった経緯について聞くと、離婚が8割以上を占めるものの、未婚・非婚も約1割、死別などその他さまざまな事情が約1割でした。

「死別」など、養育費の受け取りの対象にはならない人以外に、扶養する子どもの人数を尋ねたところ、東京・大阪ともに「1人」が約半数と最も多い結果となりました。次いで多いのが「2人」で、それぞれ約4割弱です。大阪は若干、多子世帯が多い傾向があります。

扶養している子どもの数

養育費の受け渡しの取り決めをしたかどうかについて聞くと、東京・大阪ともに「取り決めはしていない」という回答が4割以上。公正証書や家庭裁判所を介して取り決めるなど、強制執行可能な方法で取り決めをした人は、東京で17%、大阪で12%でした。

養育費の受け渡しの取り決めをしましたか

養育費の取り決めをしたと回答した人に、具体的な取り決め金額を聞き、子ども一人当たりの金額に換算してみました。その結果、「月々2万円〜3万円台」の取り決めをしたと回答したひとり親が5割から6割を占めています。

子ども1人につきの取り決め額

最高裁判所のWEBサイトに掲載されている「養育費算定表」では、権利者の年収200万円、義務者の年収500万円の場合、14歳以下の子ども1人の養育費の目安は4〜6万円となっています。第3者を介さず、本人同士の口約束などで取り決めた場合などは、相場よりも低くなってしまう可能性が考えられます。

実際の養育費の受け取り状況について尋ねると、「毎月受け取っている」という回答は、東京19%、大阪13%でした。「今までに何度か貰えないことがあった」「毎月貰っているが減額されることがある」と合わせると、前述の全国ひとり親世帯等調査の「養育費を継続して受け取っている母子世帯は24%」と近い結果となっています。

「一回も貰えていない」と「数回貰った(あるいは貰ったことはあるが現在は貰えていない)」と回答した人は、合わせて東京70%、大阪74%と、7割以上のひとり親家庭が養育費を受け取れていない現状が浮き彫りとなりました。

実際の養育費の受け取り状況

また、実際に受け取っている養育費の金額(子どもが複数いる場合は合計額)は、1万円〜3万円が最も多くなっています。中には、1万円以下という回答もありました。前項で回答した「取り決めの金額」より、実際に支払われる金額は低くなっています。

実際に受け取っている養育費の金額

養育費を減額されたことがある・または貰えなかったことがあると回答した人に、養育費をもらえることができていない状況を改善することはできるか尋ねたところ、「できる」と回答した人は3割にとどまりました。

働きかけたことがない人にその理由を聞くと、「離婚に応じてもらうだけで精一杯だったため」「精神的ストレスになる為、トラウマ」「養育費の話をすると火がついたようにキレだす。これ以上言うと命の危険があると感じる」「DVが原因で離婚したので、怖くて連絡できない」などの声が寄せられました。

働きかけたことがあると回答した人からも、「何度か話し合いの場を設けたが、声を荒げ話合いにならなかった」「裁判所に勧告してもらったが、また数回だけで払われなくなった」「弁護士も手に負えないとのこと」などのコメントも寄せられています。弁護士や裁判所を通しても解決しない難しさがあることがわかりました。

調査概要

実施日:2021年6月

対象者:ひとり親家庭等医療費受給者証を持つひとり親で、ひとり親家庭のフードバンク「グッドごはん」に食品を申し込んだ主に30代〜50代の関東1都3県および大阪の利用者(東京は主に大田区、品川区、その他神奈川・埼玉・千葉/大阪は大阪府を指す)

有効回答数:1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)494名 / 大阪府388名 計882名

特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパン

https://www.gnjp.org/

(マイナビ子育て編集部)

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