みなさんは「パッククッキング」をご存じですか? ポリ袋を使用した調理方法のひとつで、湯煎を活用しながら複数の料理を同時に調理する方法ですが、効率よく料理を作れるだけでなく、ライフラインがストップしてしまうような非常時にも使えるんです。覚えておいて損はなし! 失敗しないポイントなどもあるので、ぜひ挑戦してみてください。

こんにちは♪ キャラ弁・フラワーケーキ講師のよんぴよままです。

近年、世界的にも異常気象が多発し、日本でも大雨や台風による被害や、地震による被害が幾度となく起こっています。大きな被害に遭わないまでも、ライフラインが止まってしまうことはいつでも起こりうることですよね。非常時のための備蓄や、避難場所の確認など、家族で取り組んでいるご家庭も増えてきているのではないでしょうか。

物質的な備えに目がいきがちですが、非常時には限られたものを上手に使って、無駄なく効率よく活用するスキルが求められます。これは知識としても必要ですが、実際に試してみてわかることや身につくこともあり、定期的に練習したり、慣れておくことが大切。

今回は非常時の備えとして、農林水産省や多くの地方自治体でも勧められている「パッククッキング」をご紹介します。

パッククッキングとは

「パッククッキング」とはポリ袋調理法のひとつで、ポリ袋に食材を入れて湯煎加熱して作る方法。少ない水や燃料で作ることができ、普段でも時短レシピとして活用することができます。

パッククッキングのメリット

衛生的

ポリ袋で調理を完成させるので、直接手で食材に触れる機会が少なく衛生的です。盛りつけや移動するときもこのままできます。

うまみを逃がさない

水でゆでたり煮たりすることもなく、ポリ袋に入れたまま加熱していくので、栄養やうまみが流れ出ません。

調味料が少なくて済む

空気を抜いて調理するので、食材に調味料がいきわたりやすく、味も染み込みやすくなります。

同時に複数の料理が作れる

袋を分ければ、一度に複数の料理を同時に湯煎できます。

1人分ずつ個別で作れる

同じ料理でも、はじめから袋を分けて個別にしておくことも可能。味つけや柔らかさの好みに合わせて変えることもでき、加熱後に取り分けて盛りつけることも不要になります。

片づけがラク

完成した料理をポリ袋に入れたまま食器にのせて食べれば、食器自体は汚れず、食べた後は袋を捨てるだけ。非常時には食器を洗う水がもったいないので、これがとても便利に。

水の節約

湯煎で使う水は、何度でも繰り返し使用可能。ポリ袋に入れる水も、片づけ時にも最小限しか使いません。

燃料・時間・手間の節約

空気を抜いて湯煎することで、真空調理と似た状態になります。火の通りも早くなり、味も浸透しやすいメリットがあります。放置している間に短時間で火が通り、その間にほかの調理ができて効率的。

パッククッキングをするときの注意点

耐熱性のあるポリ袋を使う

「ポリ袋」といっても、その機能性はさまざま。パッククッキングに使うものは湯煎加熱するので、耐熱性があるものを必ず使用しましょう。

熱に強い「高密度ポリエチレン」のもの、または耐熱温度が120℃程度あるものかどうかを確認してください。

鍋の底に耐熱皿を置く

耐熱温度が高くても、加熱時の鍋自体は高温になり、ポリ袋が鍋肌に直接当たった状態では破れてしまう危険が。湯煎するときにはポリ袋をそのまま入れるのではなく、鍋底に耐熱皿を敷いて、その上にのせるようにしましょう。

鍋の側面に当たりそうなときは、布巾を敷いて包むようにすると安心です。ご飯など蒸らし効果を高めたいメニューのときは、全体を布巾で包むようにすると◎

火の通りをよくする

パッククッキングを成功させる重要なポイントは、いかに均一に火を通すか。ポリ袋に入れる量が多ければ、中まで熱が伝わりにくくなるので、ひとつの袋には1〜3人分程度にしたり、できるだけ平らで厚みを抑えるようにしましょう。湯煎中に向きを変えるのも有効。

食材のカットも薄め、細かめにすると火の通りがよくなります。生のままでも食べられるものや、元々加熱済みの食材を使うと、安心です。

非常時は体調を崩しやすいので、いつも以上に消化の負担がかからないよう注意が必要になることも。缶詰めなどを上手に活用すると◎

パッククッキングの基本のやり方

① ポリ袋に材料を入れる

パッククッキングは、基本的にとてもシンプルな方法で完成します。メニューや食材によって多少変わってきますが、基本的な方法は同じです。

まずはポリ袋に材料を入れます。

② 空気を抜く

ポリ袋から空気を抜きます。これは空気が入っていると、湯煎時に浮いてきてしまうから。

水を張ったボウルにポリ袋ごと沈めたうえで作業すると、空気が抜けやすくなりますよ。

③ ポリ袋の口を縛る

湯煎すると空気が膨張して膨らんでくるため、ポリ袋の口は上のほうで結びます。

④ お湯を沸かす

鍋に水を半分程度入れて耐熱皿を敷き、沸かします。

⑤ 湯煎加熱する

ポリ袋を入れて約20分加熱。

※料理や食材によって変わることもあります。

⑥ 余熱で蒸らす

火を止めて蓋をして、15分ほど余熱でしっかり蒸らして完成。これも料理や食材によって調整します。

パッククッキングレシピ

メニューによって多少手順や加熱時間は変わりますが、パッククッキングは基本的には食材をポリ袋に入れて湯煎するだけ! 具体的にどんな料理ができるのか、レシピをご紹介します。

ご飯

温かい白いご飯は、日本人の食生活に欠かせない主食。これが上手くできるようになると、非常時でも一気に食生活が改善。

材料

・米……1合

・水……米に対し1〜1.5倍の量

米と水が1:1だと固め、1:1.5だとやわらかめです。

作り方

① ポリ袋に米を入れて水(分量外)を注いで洗って捨てる。

② 水を入れて空気を抜いて袋の口を上のほうで縛り、30分浸水させる。

③ 沸かしたお湯に浸けて中火で約20分湯煎加熱し、火を止めて蓋をして約15分余熱で蒸らす。

炊き込みご飯

具材や調味料を加えれば、炊き込みご飯やピラフもできます。

材料

・米……1合

・水……米に対し1〜1.5倍の量(ご飯のやわらかさは前述参照)

・やきとり缶……1缶(タレごと使用)

・油揚げ……1/2枚

・にんじん……20g

・乾燥ひじき……2g

・顆粒だし……小さじ1/2

作り方

① ポリ袋に米を入れて水(分量外)を注いで洗って捨てる。

② 水を入れて30分浸水させる。

③ にんじん、油揚げは太めの千切りにし、ほかの材料も一緒に袋の中に加えて混ぜ、空気を抜いて袋の口を上のほうで縛る。

④ 沸かしたお湯に浸けて中火で約20分湯煎加熱し、火を止めて蓋をして約15分余熱で蒸らす。

豚丼

食べやすい丼物のレパートリーがあるといいですよね。豚丼は大人も子どもも大好きなメニュー。うどんにかけて肉うどんにしても◎。このままおかずにしてもOK!

材料(2人分)

・豚肉…200g

・たまねぎ……1個

・顆粒だし……小さじ1/2

・砂糖……大さじ2

・しょう油……大さじ2

・水……100ml

作り方

① 豚肉は食べやすい大きさに切り、たまねぎは薄切りにしてほかの材料と一緒にポリ袋に入れて揉みこむ。

② 空気を抜いて袋の口を上のほうで縛る。

③ 沸かしたお湯に浸けて中火で約20分湯煎加熱し、火を止めて蓋をして約15分余熱で蒸らす。

④ 袋の上からほぐして火が通っているか確認。

ハンバーグ

ハンバーグも簡単にできちゃいます。手が汚れずにこねられ、非常時でも問題なく作れます。

材料(2人分)

・ひき肉……200g

・卵……1個

・パン粉……大さじ2

・フライドオニオン……大さじ3

・ガーリックパウダー……小さじ1/2

・小麦粉……小さじ1

・ケチャップ……大さじ3

・ソース……大さじ3

・塩こしょう……適量

ガーリックパウダーやフライドオニオンは保存期間が長く、常備しやすく使いやすいアイテム。あれば生のものを使ってOKです。

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作り方

① ポリ袋にケチャップとソース以外の材料を入れて袋の上からこねる。

② 2個になるよう成形する。

③ ケチャップとソースを混ぜて袋に入れ、空気を抜いて袋の口を上のほうで縛る。

④ 沸かしたお湯に浸けて中火で約20分湯煎加熱し、火を止めて蓋をして約15分余熱で蒸らす。

非常時に普段と変わらないおかずが食べられると、ほっとしますよね。

4種の野菜の和え物

野菜不足になると体調も崩しがちに。野菜があれば和え物にして積極的に食べるといいですよね。味つけはお好みで変えてください。

材料(2〜3人分)

・小松菜……80g

・キャベツ……100g

・にんじん……20g

・もやし……100g

・ツナ缶……1/2缶

・ごま……大さじ1

・ごま油……大さじ1

・めんつゆ(3倍濃縮)……大さじ1

・塩こしょう……適量

・かつお節……適量

作り方

① もやしの大きさに合わせてほかの野菜も切る。

② ポリ袋に野菜を入れ、空気を抜いて袋の口を上のほうで縛る。

③ 沸かしたお湯に浸けて中火で約20分湯煎加熱し、火を止めて蓋をして約15分余熱で蒸らす。

④ ツナ缶とごま、調味料を加えて混ぜ、仕上げにかつお節をかける。

ツナコーンオムレツ

卵料理も子どもが喜びそうな一品。具はお好みでアレンジしてください。

材料

・卵……2個

・ツナ缶……1/2缶

・コーン……20g

・たまねぎ……40g

・チーズ……20g

・牛乳……小さじ2

・塩こしょう……適量

作り方

① たまねぎをみじん切りにし、ほかの材料と一緒にポリ袋に入れて混ぜる。

② 空気を抜いて袋の口を上のほうで縛る。

③ 沸かしたお湯に浸けて中火で約20分湯煎加熱し、火を止めて蓋をして約15分余熱で蒸らす。

※温かいうちに、布巾で包んで整えるときれいな形になります。

温泉卵

ほかのメニューを作るときの余熱でできてしまう温泉卵。丼物のトッピングにぴったりです。黄身の固さは様子をみて時間調整してください。

作り方

① ポリ袋に卵を割り入れ、小さじ1の水を加える。

② 空気を抜いて袋の口を上のほうで縛る。

③ 余熱中の鍋に約15分程度入れる。

蒸しパン

軽食やおやつにオススメの蒸しパン。具材を加えて栄養もプラスできます。

材料

・ホットケーキミックス……100g

・卵……1個

・豆乳……100ml

・かぼちゃ……40g

・レーズン……20g

・油……大さじ1

・砂糖……大さじ1〜2

作り方

① かぼちゃとレーズン以外の材料をポリ袋に入れてよく混ぜる。

② かぼちゃを細かく切り、レーズンも一緒に加えて混ぜる。

③ 空気を抜いて袋の口を上のほうで縛る。

④ 沸かしたお湯に浸けて中火で約20分湯煎加熱し、火を止めて蓋をして約15分余熱で蒸らす。

※温かいうちに、布巾で包んで整えるときれいな形になります。

牛乳寒天

常温で固まる寒天は、オススメのデザートです。冷蔵庫が使えない状況でも大丈夫!

材料

・牛乳……300ml

・水……200ml

・粉寒天……4g

・みかん缶……1缶

・砂糖……大さじ4

作り方

① ポリ袋に水と寒天を入れて15分置く。

② 砂糖、牛乳を加えてよく混ぜ、空気を抜いて袋の口を上のほうで縛る。

③ 沸かしたお湯に浸けて中火で10分湯煎加熱する。

④ 取り出してみかんを加えて冷ます。

※寒天がよく溶けるよう、湯煎途中でゆすって混ぜるようにします。

非常時に備えて練習しよう!

実際作ってみると、好みの固さや味つけなど、調整が必要なこともわかってきます。非常時になって初めて作ると失敗したり、好みでなかったりすることもあるので、試しに作ってみることが備えとなります。

定期的に家族で試作して、試食会をしてみるのもオススメ。非常時で緊張が続く中で、食べ慣れた味というのはほっとするものなので、普段から慣れておくのも大切です。

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まとめ

非常時に役立つ「パッククッキング」はポリ袋調理のひとつです。食材と調味料を袋に入れて湯煎するだけで完成するので、簡単で無駄もなく効率的に温かい料理を作ることができます。

実際作ってみると好みや改善点も見えてくるので、まずは試してみて、いざというときに活用できるようにしておくといいですよ♪

よんぴよまま
この記事の執筆者
よんぴよまま
男の子3人、女の子1人の母。 自宅にてフラワーケーキ、キャラ弁教室を主宰。 料理、クラフト作り、ラッピングなどものつくりが大好きです。 生活に役立つ情報を発信したいと思います♪
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