昔、日本では根拠のない「3歳児神話」が流布され、子どもが小さいうちは母親が面倒をみるのが当たり前でした。今ではそうではありませんが、まだ名残りが……。そのため、青鹿さんも悩んでいたのです。

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何かあれば、その時に変えたらいい

母だけが子に影響を及ぼす? それは父に失礼

「母親である私が仕事をしたいという理由で、娘・ふーみんを保育園に預けるのはかわいそうなのでは」と思い悩む私に、夫が言った驚きの一言がこちら。

「僕は保育園に通ってたけど、めっちゃ楽しかったし、かわいそうでもなんでもなかったよ」

私は知らなかったのですが、夫は幼少期に保育園に通っていたそうです。夫の経験からすると、保育園の先生が大好きだったし、友達ともたくさん遊べて楽しかったというのです。

「お母さんが仕事をしていたから、自分は我慢ばかりしていた」と思う子もいれば、夫のように「保育園が楽しかった」と言う子もいる。確かに子どもだって一人ひとり性格も環境も違うし、受け取り方だって違います。「子ども」という同じ生き物はいません。だから、受け取り方は子どもの性格や環境によると言われたら、本当にその通りだと思いました。

そうして納得し、少し安心した私を尻目に、夫は別の角度で少し憤っていました。

「それにしても『3歳児神話』って、母の育児だけが子どもに影響を及ぼすと言っているようなもので、父に失礼じゃないか」と。子どもが生まれてからずっと私と同じように悩み、喜び、必死で育児をしてきた夫の言い分はもっともです。

確かに子どもと向き合う時間は大切だけど、保育園に24時間ずっと預けるわけではないので、帰宅してから両親ともにしっかり関わればよいのではないかと夫は言いました。

何より我が子から頼まれたわけでもないのに、先回りして親が自分のやりたいことをやめ、後で「子どものせいで、私はやりたいことができなかった」と八つ当たりしてしまったり、そういう気持ちをほのめかしたりするほうが悪影響だとも夫は言いました。

じつは、私はワンオペの母に育てられたのですが、いつも「私は子育てしているから自由がない。1人で外にも出られない。好きなことは何もできない、何が好きか忘れてしまった」と言っていました。父親も「子どもが小さいうちはしょうがないだろう」と母親の自由をいつも却下していました。私はそういった会話を聞くたびに、とても重苦しく感じていたんです。

「周りがこう言うから」「相手がこう思うだろうから」で自分の希望を曲げたり蓋をしたりして我慢した結果、当たってしまうのだとしたら、夫や周りを頼りながら、納得できる形でやりたいことをしたほうがいいと思いました。

それに保育園にいったん入園したら、絶対に退園してはいけないというルールはありません。それこそ、ふーみんが不満や不安を覚えるのであれば、そこから家族で方向転換すればいいのです。

だから私たちが一番気をつけるべきなのは、ふーみんが思っていることをいつでも言える環境を作れるように努力すること。私たち親も含めて、苦しいことは苦しいと素直に言える家族でいたいと思いました。

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#夫婦の保育園ルール #ふうふう子育て

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青鹿ユウ 漫画家。夫と娘と猫と暮らしている。自分の経験、専門家から学んだことを「気軽に楽しく読めて、ちょっとためになる」漫画にしたいと思っている。著書に『今日から第二の患者さん』(小学館)、共著書に『子どものアトピー性皮膚炎のケア』、『ほむほむ先生のアレルギー教室』がある。

Twitter:@buruban
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(編集協力:大西まお)