現在、「少子化対策」としてさまざまな議論がなされ、新たな支援制度づくりがすすめられています。そうした状況のなか、今回は日本労働組合総連合会が働く親1,000人を対象に実施した「仕事と育児の両立支援制度に関する意識・実態調査2023」をもとに、とくに「子の看護休暇」の実態について具体的に見ていきたいと思います。

「子の看護休暇」とは

「子の看護休暇」は、ケガや病気にかかった子どもの世話をするために労働者が取得できる休暇のことで、育児・介護休業法で定められた仕事と育児を両立するための制度です。年次有給休暇とは別に取得することができます。対象年齢は小学校就学前とされていて、子どもが1人の場合は年間に5日まで、2人以上の場合は年間に10日まで、1日単位または時間単位で取得可能です。

対象年齢|約75%が現行では「不十分」

「仕事と育児の両立支援制度に関する意識・実態調査2023」によると、「子の看護休暇」の対象年齢について自分の考えに近いものを選んでもらったところ、「現行の小学校就学前までで十分」と回答した人は25.2%でした。一方、「小学校3年生修了までが必要」が36.4%、「中学校就学前まで必要」が38.4%となっており、現行の対象年齢では不十分だと考えている人が74.8%という結果になりました。

小学生以上でも看護が必要になる場合がゼロになるわけではもちろんないでしょう。現在の制度では子どもが小学生以上だと有給休暇を利用して休むほかない、という現状に不満を持っている人が多いことがわかります。なお、男女別では「現行では不十分」と回答した人は男性が70.8%、女性は78.8%と、女性の方が8ポイント多いという結果でした。

日本労働組合総連合会「仕事と育児の両立支援制度に関する意識・実態調査2023」より一部改変

取得できる日数|66%が「足りない」

では、取得できる日数は十分なのでしょうか?

「子の看護休暇」として取得できる休暇日数について自身の考えにあてはまるものを聞いた結果は、「現行のままで十分」が34.0%、「足りない」が66.0%となり、不十分だと思っている人が多いことがわかりました。

また、男女別のデータでみると、女性は男性と比べて「足りない」という回答が10.4ポイント多く、女性は71.2%、男性は60.8%でした。

日本労働組合総連合会「仕事と育児の両立支援制度に関する意識・実態調査2023」より一部改変

給与の有無|「有給」は37%にとどまる

「子の看護休暇」を取得したときの給与については、法律で規定されていません。そのため、企業によって有給か無給かが分かれることになります。

本調査でも、自身の働く企業・組織では「子の看護休暇」が有給や無給かを聞いていますが、その結果「有給である」が37.0%、「無給である」が18.1%となりました。また、「就業規則に子の看護休暇制度がない」は20.8%、「わからない」も24.1%と少なくありませんでした。この結果から、企業によってはこの制度がきちんと整備されていない様子もうかがえます。

なお、勤務先の規模別に見てみると、従業員数が多い勤務先ほど有給の割合が高くなっていることもわかりました。

日本労働組合総連合会「仕事と育児の両立支援制度に関する意識・実態調査2023」より一部改変

制度自体の認知度を上げることも重要

仕事と育児を両立するための支援制度の1つとして取得できる「子の看護休暇」ですが、子育てをしている当事者の声を見ると、その内容は不十分であり改善が望まれていることがわかりました。また、企業によっては「無給」や「就業規則に定めがない」というのが現状のようで、これでは子育てにやさしい社会とはほど遠いと言えます。厚生労働省では見直しが議論されているといいますが、早期の改正が期待されます。加えて制度内容の改善だけでなく、法律で認められている休暇としてもっと認知を広めることも大切ではないでしょうか。

(マイナビ子育て編集部)

調査概要

■仕事と育児の両立支援制度に関する意識・実態調査 2023/日本労働組合総連合会

調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする小学生以下の子どもがいる20歳〜59歳の働く全国の男女

調査時期:2023年8月10日〜8月16日

有効回答数:1,000名

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