とある休日、夫と娘は2人でお出かけ。青鹿さんは自宅で仕事をしていたところ、慌ててパニックになった夫から「娘が救急車で病院に運ばれた」と電話がかかってきて……。

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娘の手がエレベーターの戸袋に引き込まれた!?

「絶対怒られると思っていたからビックリした」

ある休日、夫と娘・ふーみんの2人は外出し、私は1人家で仕事をしていました。

すると、夫から電話がかかってきたので出たところ、声が震えていて、要領を得ない説明が聞こえてきたんです。イヤな予感を感じつつ、よくよく聞いてみると、「ふーみんがケガをしてしまい、救急車で大きな病院に運ばれた。保険証を病院まで持ってきてほしい」という内容でした。

「どんなケガ?」「何があったの!?」「今の状態は?」と聞きたいことは山ほどあったのですが、電話口の夫の声は震え、動揺しているのが手に取るようにわかります。今、電話口でケガの具合や状況を問いただしてもいいことはない。

ケガの状況などは医師に直接聞けばいいと判断し、とりあえず私に課せられた「保険証をもって指定された病院まで行く」ということを最優先で動きました。

幸いケガは軽症で、通院は必要なものの、後遺症などが残るようなものではありませんでした。泣き疲れて眠ってしまった娘を、青ざめた表情でしっかり抱きかかえている夫。医師の診察によって酷い状況でないことがわかり、少し落ち着いていたので改めて状況を聞くことにしました。

「ふーみんと一緒にエレベーターに乗ったとき、手はしっかり繋いでいたんだけど、僕はボーっとしていて。ふーみんがドアを触っていることに気づいていなくて、そのままドアが開いて、ふーみんの手が戸袋に引き込まれてしまったんだ」

子育てヒヤリハットでよく聞く状況です。

「大声で助けを呼び、すぐに戸袋から手を引き戻すことはできたんだけど、ふーみんは火がついたように泣いていたし、手がどうなっているかわからなくて。それで救けに来てくれた人から救急車を呼ぶことをすすめられ、つい呼んでしまった……。ふーみんにケガさせてしまったし、軽症なのに大事にしてしまい申し訳ない」

憔悴しきった夫は、私に深々と頭を下げました。

「今後は目を離さないようにするのはもちろんだけど、ドア側に立つのは僕というのを徹底する。二度とこんなミスを犯さないように、何重にも対応策を考える……自分が軽率なせいでふーみんに痛い思いをさせ、ユウには心配させて申し訳ない」

まだ顔色が悪い夫を見て、私が一言「よかった」と言うと、夫は「え!? 怒らないの?」とびっくりしていました。でも、私は夫はミスをしたものの、できることをきちんとしたと思うんです。

①自分だけでなんとかしようとせず、助けを呼んだこと

私は救命講習で、救助の第一は出来る限り周囲に助けを求めることと教わりました。

②ケガの程度を素人判断で軽く見積もらず、病院へ急いだこと

かかりつけの病院もやっていない日曜だったし、診てくださった医師からも「娘さんのケースは、複合的に考えて救急車を呼んでよかった」と言われました。

③自分の保身のために嘘をついたりしなかったこと

私へすぐ連絡したり、実際の状況説明を包み隠さずちゃんとしていました。

④今後どうしたらよいか自分でちゃんとわかっていること

すぐに手を繋ぐだけでなく、きちんと見守る、ドア側に立つなどの対応策を考えていました。

私が当事者だったとしても、この4点をするのが精一杯だったと思い、緊急時に自分がすべきことをしている人を責めることはないと伝えました。しかも、誰でもミスすることはあります。

夫は「絶対怒られると思っていたからビックリした」と言ったのですが、私が怒らないのは、過去同じような経験をした記憶があるからでした。(続く)

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#子育てヒヤリハット #ふうふう子育て

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(編集協力:大西まお)

青鹿ユウ
この記事の執筆者
漫画家
青鹿ユウ
漫画家。夫と娘と猫と暮らしている。自分の経験、専門家から学んだことを「気軽に楽しく読めて、ちょっとためになる」漫画にしたいと思っている。著書に『今日から第二の患者さん』(小学館)、共著書に『子どものアトピー性皮膚炎のケア』、『ほむほむ先生のアレルギー教室』がある。
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