緑茶に含まれるカフェインと、妊娠中の飲み方について助産師が解説します。豊かな香りとすっきりした味わいで人気の緑茶ですが、妊婦は飲んでも大丈夫なのでしょうか?推奨量など、詳しくお伝えします。

この記事を解説してくれた先生 坂田 陽子先生
看護師、助産師、国際認定ラクテーションコンサルタント。 葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院のNICU・産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。その後、都内の産婦人科病院で師長を経験。現在は出張専門の助産院”My Midwife”を開業している。
HP:http://ameblo.jp/mymidwife-yoko/

緑茶のカフェイン含有量はどれぐらい?

近年、さまざまなメーカーからいろんな商品で登場している緑茶。こだわりの製法で作られたものも多く、茶葉特有の香りとふくよかな旨味で人気の高い商品ですよね。緑茶が好きで毎日のように飲んでいるという人もいると思いますが、妊娠しても飲み続けて大丈夫なのでしょうか? まずは緑茶に含まれるカフェイン量について見ていきましょう。

そもそも、緑茶ってどんなお茶?

緑茶と一言で言っても、商品ごとにさまざまな種類がありますよね。緑茶と聞くと漠然と“緑色のお茶”を想像しますが、そもそも緑茶とは具体的にどのようなお茶なのでしょうか?

緑茶とは、生のお茶の葉を発酵させずに製造した不発酵茶の総称。つまり、あるひとつのお茶の種類ではなく、特定のお茶をまとめた名称なんです。具体的には、煎茶(せんちゃ)、抹茶、ほうじ茶、玄米茶、番茶、玉露(ぎょくろ)などがこの分類に入ります。これらは不発酵という点は同じですが、茶葉の栽培方法の違いによって味わいや風味が変わってきます。

ちなみに、また、一方の発酵茶には紅茶、半発酵茶としてはウーロン茶などがあります[*1]。

緑茶にはカフェインがどれぐらい含まれる?

現代の日本で一般的に“緑茶”と呼ばれる(=日常的に飲む緑茶の)種類は、そのほとんどが煎茶(せんちゃ)です。

煎茶のカフェイン含有量は100mlあたり20mg。これは、ウーロン茶やほうじ茶と同等の値となります。コーヒーには100mlあたり60mgのカフェインが含まれるので、これに比べると1/3の割合になりますね。

その他の主な不発酵茶のカフェイン含有量は、以下のようになります[*2][*3]。

<主な不発酵茶の、おおよそのカフェイン濃度>

飲料名 カフェイン濃度 浸出方法 煎茶 20mg/100ml 茶葉10gを、90℃のお湯430mlで1分 ほうじ茶 20mg/100ml 茶葉15gを、90℃のお湯650mlで30秒 玄米茶 10mg/100ml 茶葉15gを、90℃のお湯650mlで30秒 番茶 10mg/100ml 茶葉15gを、90℃のお湯650mlで30秒 抹茶 48mg/70ml 茶葉15gを、70〜80℃のお湯70mlで 玉露 160mg/100ml 茶葉10gを、60℃のお湯60mlで2.5分 table { border-collapse: collapse; margin: 0 auto; } th { border: solid 1px; padding: 0.5em; text-align: center; } td { border: solid 1px; padding: 0.5em; }

上記を見ると、煎茶とほうじ茶、玄米茶、番茶は比較的カフェイン含有量が少なく、逆に抹茶と玉露は多いことがわかります。抹茶と玉露の含有量は、コーヒーや紅茶など、他の主なカフェイン飲料と比べても多い部類に入ります。

妊娠中は緑茶を飲んでも大丈夫?1日何杯までならOK?

では、妊娠中は緑茶(煎茶)をどれぐらい飲めるのでしょうか?そもそも、カフェインを妊娠中に摂ること自体は問題ないのでしょうか?

妊娠中のカフェイン摂取はOK?

結論から申しますと、妊娠中のカフェイン摂取は厳禁ではありません。摂取量に注意は必要ですが、適量であれば摂っても心配はないと考えられています。

具体的には、健康な妊婦の1日のカフェイン摂取上限は200〜300mgということが、海外の各機関によって勧告されています[*2]。日本でも、基本的には上記を基準にカフェイン摂取についてアドバイスされることが多いでしょう。

これは、妊娠中は血液からカフェインがなくなるまでの時間が通常より遅くなるため、非妊娠時より人体への影響が大きくなりやすいと考えられているためです。ちなみに、非妊娠時の上限は、健康な成人の場合で1日の上限として400mgが推奨されています[*2]。

では、妊娠中にカフェインを多く摂りすぎてしまった場合は、どのようなリスクが起こり得るのでしょうか?

妊娠中のカフェインの過剰摂取は、胎児の発育阻害、出生児の低体重、早産や死産と関連する可能性が研究により示唆されています。赤ちゃんにも影響する可能性があるので、基準の範囲内で楽しみましょう。

妊娠中に飲める煎茶の目安量

妊婦の1日のカフェイン摂取目安とカフェイン含有量を考えた場合、現代の日本人が日常的に飲む“緑茶”である煎茶は、単純計算でマグカップ(200ml)で5杯程度、ペットボトル(500ml)では2本が上限となります(カフェイン摂取上限を200mg/日とした場合)。

ただし、浸出する際に使われる茶葉の量などによってカフェイン濃度は変わってくるので、商品ごとに少しずつ異なってくるでしょう。また、カフェインの感受性には個人差があるともいわれ、飲める量を一概に設けることは困難ともされています。

このような理由から、煎茶は1日にマグカップに2〜3杯、500mlペットボトルなら1本程度など、「上限よりも少なめ」を目安にすることをおすすめします。

煎茶以外の緑茶はどれぐらい飲める?

カフェイン含有量で見たとき、ほうじ茶、玄米茶、番茶の1日の目安量は、煎茶と同程度で考えるといいでしょう。抹茶と玉露はカフェイン含有量が格段に高いので、注意が必要です。できれば妊娠中は習慣的に飲むのを避けるましょう。

飲みたい場合は、抹茶ならば小さめの湯飲み(70ml)に2杯、玉露は小さめの湯飲み(70ml)に1杯程度にとどめることが望ましいです。

まとめ

緑茶とは不発酵茶のことで、煎茶(せんちゃ)、抹茶、ほうじ茶、玄米茶、番茶、玉露(ぎょくろ)などの総称です。一般的に日本で“緑茶”として販売されているお茶は、煎茶のことが多いですね。煎茶に含まれるカフェインはコーヒーに比べてもそれほど多くないので、妊娠中も神経質になることはありません。ただ、飲む場合は上限量を超えないよう心がけるようにしましょう。その他の緑茶もだいたい同じような感じで飲めますが、抹茶と玉露に関しては含有量が高いので、飲む量に注意が必要です。

(文・構成:マイナビウーマン編集部、監修・解説:坂田陽子先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

参考文献
[*1]公益財団法人世界緑茶協会「お茶の種類・お茶の分類」
http://www.o-cha.net/teacha/syurui/syuruibunrui.html
[*2]内閣府「食品安全委員会 食品中のカフェイン」
https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf
[*3]文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)15.菓子類」
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm