赤ちゃんの体温には大人とは違った特徴があります。どのような特徴があるのかを詳しく知り、赤ちゃんが快適に過ごせるようお手伝いしてあげましょう。発熱による受診の目安と、乳幼児突然死症候群(以下SIDSと記載)の予防方法もチェック!

この記事の監修ドクター 大越陽一先生
杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウイメンズホスピタル小児科勤務。小児科専門医

大人とは違う赤ちゃんの体温の特徴

赤ちゃんの体温は、大人とは違う特徴を持ちます。そのため、大人と同じように考えてしまうと、赤ちゃんにとっては暑すぎたり、逆に寒すぎてしまうことも。温度調節は体調の良し悪しはもちろん、SIDSのリスクとも関係する可能性があります。赤ちゃんの身体に不調が起こらないよう、体温の特徴を知って適切に対応できるよう心がけたいですね。

赤ちゃんの体温は大人より高い

赤ちゃんは汗っかきで、抱っこしているとぽかぽかと湯たんぽのように温かいと感じることもありますよね。これは、乳幼児の体温は大人に比べて高い傾向にあるためです。

特に、生後1ヶ月くらいまでは比較的高めという特徴があります。個人差があるので一概には言えませんが、3〜4ヶ月くらいになってくると徐々に下がって落ち着いてくるようです。

乳幼児の体温は環境温度に左右されやすい

もうひとつの特徴に、乳幼児は体温調節機能が発達しておらず、体温が環境温度に左右されやすいということがあります。特に、赤ちゃんは体の小ささに比べて体表面積は大きく、皮下脂肪が少ないので、皮膚から熱が逃げやすいという特徴があります。そのため、大人よりも寒さを感じやすい傾向にあります。

かと言って、寒さにだけ注意すればいいかと言えば、そうではありません。赤ちゃんは熱が体にこもりやすいという性質もあります。つまり、寒い・暑いに関係なく、とにかく環境温度に体温が左右されやすいということなのです。温めすぎはSIDSのリスクを高めるとも言われているので、寒さとともに暑さにも注意する必要があります。

温めすぎがなぜSIDSのリスクを高めるのか、その理由はわかっていませんが、SIDSが起こったときの状況にはいくつかの共通点があり、そのひとつに「厚着」「温めすぎ」もあることがわかっています。原因はわからなくても、発症のリスクになると考えられる因子はすべて排除するよう努めることが大切と言えるでしょう。このように、体温調節機能が未発達である赤ちゃんは、常に大人が環境温を適正に保ってあげることが大切なのです。

発熱の目安は?平熱の測り方と受診のタイミング

大人より体温が高い傾向にあり、環境温度にも左右されやすい特徴を持つ赤ちゃん。では、発熱の目安も大人と同じように考えてはいけないのでしょうか? 体調不良による発熱の目安と、その確かめ方についてお伝えします。

体温が高い赤ちゃん、発熱の目安って何度?

日本の感染症法では、37.5℃以上を「発熱」、38.0℃以上を「高熱」としています。ただ、平熱には個人差があるため、すべての人をこれに当てはめることができないのも事実です。比較的体温が高くなる傾向にある乳幼児期では、なおさらですね。乳幼児の中には、一般的に熱が出たと判断されやすい37.0℃以上が平熱の子もおり、それは決して珍しいことではありません。

では、何かしらの体調不良が疑われる熱が出たかどうかを確かめるには、どうすればいいのでしょうか?

発熱の程度を判断するには、普段の平熱をきちんと把握しておくことが大切です。平熱を把握しておけば普段よりどれぐらい熱が高いのかがわかるので、対応の判断がつきやすいでしょう。

平熱の測り方

幼児の体温は1日のうちに1℃前後変動しています。乳児ではもう少し変化の幅が小さくなります。なお、一般的には午前4時頃がもっとも低く、午後から夕方にかけて高い状態になるとされます。そのため、平熱は体調がいいときの熱を一度測るだけでわかるような単純なものではないのです。1日に何回か測り、時間帯ごとの体温として把握しておくことで、そのときの体調をより確かに判断することができるのです。

具体的な測り方と注意点は、以下を参考にしてください。

<平熱の測り方>

・起床時、午前、午後、夜の計4回測り、その時間帯ごとの平熱として覚えておきましょう。

・食後すぐは体温が上がるので、食前や食間に測るのが適切です。

・泣いている時や後、入浴後、たくさん動いた後は体温が上がっているので避けます。

・測定は1日だけでなく、何日かおきながら2〜3日測ってみましょう。より確かな情報を得ることができます。

熱が何度高ければ受診すべき?

前述のように、赤ちゃんの体温は環境温度に左右されやすいという特徴があります。平熱よりちょっと熱いかな? と思うくらいであれば、室温や服装、布団の厚さなどを確認し、適度に調整してみましょう。身体を涼めることで体温が落ち着くこともあります。

ただし、急な高熱には要注意です。何の前触れもなく急に38℃以上の高熱が出るときは、体の中で大きな異変が起こったサイン。感染症や熱中症の可能性もあるので、発熱以外の症状が見られる、ぐったりしている、食欲がない、機嫌が悪いなどの症状を伴う場合は、すぐに病院を受診しましょう。熱が高くても機嫌がよく、食欲もあって元気なときは、生後3ヶ月以降であれば慌てて受診することはないでしょう。診療時間外なら、次の日を待って受診しても大丈夫です。なお、生後3ヶ月未満であれば、38℃以上の高熱が出たときは症状にかかわらず早急に受診してください。

もうひとつ重要なのが、熱の高さだけで受診の必要性を判断しないということ。

体温の高さは体調不良のひとつの目安ではありますが、体温が高いほど重症かと言えば、そうとも言いきれません。むしろ全身状態の状況の方が受診の必要性の判断には大切です。熱がそれほど高くなくてもぐったりしている、機嫌が悪い、水分摂取もできないほど食欲が低下している、発熱以外の症状がある(軽度の咳、鼻汁程度の症状のみなら緊急ではありません)ときは注意が必要です。おしっこの回数が減っていれば脱水の可能性もあるので、少しでも気になる点が見られるときは、小児科を受診しましょう。

急いで受診すべきか判断がつかないときは、小児救急電話で相談してみることをおすすめします。小児救急電話相談とは、小児科医師・看護師から赤ちゃんや子どもの症状に応じた適切な対処の仕方、受診する病院などのアドバイスを受けられるサービスです。全国同一の短縮番号#8000をプッシュすることで、お住まいの都道府県の窓口に自動転送されるようになっているので、ぜひ積極的に利用してくださいね。実施時間帯は自治体によって異なるので、あらかじめ確かめておきましょう。

こどもの救急(ONLINE-QQ) - 小児救急電話相談 #8000
http://kodomo-qq.jp/index.php?pname=n8000

このような場合はすぐに受診を

以上のことを含めて、発熱による受診の目安やタイミングについてまとめてみました。ぜひ、参考にしてください。

・生後3ヶ月未満で38℃以上の発熱があるとき。

・嘔吐や腹痛など、発熱以外の症状をともなうとき。

・機嫌が悪かったり、元気がないとき。

・顔色が悪かったり、ぐったりしているとき。

・苦しそうにしているとき。

・意識がもうろうとしているとき。

・ひきつけを起こしたとき。

・おしっこの量(回数)が普段に比べ明らかに少ない。

まとめ

乳幼児は、大人に比べて体温が高い傾向にあります。また、体の性質上熱が逃げやすく、逆にこもりやすいという特徴もあります。このように、乳幼児は大人以上に体温が環境温度に左右されやすいので、常に大人が環境温を適正に保ってあげることが大切です。SIDSのリスクを考慮し、温めすぎには特に注意しましょう。発熱の程度や受診の目安を知るために、赤ちゃんの平熱をきちんと把握しておくことも大切。日に4回に分けて測ることで、より確かな情報を得られます。万が一のときのためにも、必ず把握しておきましょう。

(文・構成:マイナビウーマン編集部、監修:大越陽一先生)

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※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます