2014年8月20日、広島土砂災害を体験しました。普段の、普通の暮らしは当たり前ではないということに気づかされ、自身の考え方も大きく変わり、人生の転機にもなりました。今回は、そんな体験に基づいた、防災に備えるためのアイテムを暮らしの中でどんな風に管理しているのかをお伝えします。

こんにちは。広島市のライフオーガナイザー®︎木原ことのです。

ある夏の日の早朝、叩きつけるようなヘリコプターの音に気づきました。恐る恐る雨戸を開けてみると、見慣れた景色は一変。景色は泥一色に変わり、あったはずの物置小屋や車は傾いていたり、なくなっていたり。夢を見ているような気持ちで、しばし呆然となりました。

そこでようやく停電していることに気づきました。テレビはつかず、もちろん、携帯もインターネットも使えません。冷や汗が出ました。

いざという時使えなかった手回しラジオ

テレビがつかず、スマホも使えない。情報が遮断されたことが分かったとき、とても怖くなりました。外のスピーカーからは、放送が切れ切れに聞こえてくるのですが、ヘリコプターの大音量で聞き取れません。

そこで思い出したのが、いつでも使えるようにとクローゼットの片隅に置いてあった手回し式充電ラジオ!

ところがなんと、ハンドルが固くて固くて回すことができません。定期的にチェックをせずに放置していたため、壊れていることに気がつかなかったのです。愕然としました。

窓の外を見ると、連なって公民館や小学校の方向へ避難する近所の方々。その時はじめて避難勧告が出ていることを知りました。

しかし状況がわからず情報もない中で、様変わりした家の外へ出るのはとても怖くて勇気が必要でした。もしもあの時ラジオを聞くことができたなら、情報収集もできていたなら安心具合が違っていただろうと思います。

今では動くかどうかのチェックを兼ね、目に止まる場所へ置き場所も変えて、日常的にラジオを聞くようになりました。 

停電で冷蔵庫が動かなくなった場合は?

日々の暮らしで当たり前に使っている冷蔵庫。明日、電気が止まるかも。と思って生活しているわけではありません。冷蔵庫の中には野菜や冷凍食品、冷凍したご飯やパン、それに肉類、豆乳や麦茶、それなりに食品が入っています。

夏の暑い中停電になったので、気温はみるみる上がりました。そんな中で役立ったのが、処分しようかと迷っていたクーラーボックス。しばらく前からアウトドアには行かなくなっていたので、まさに捨てる直前でした。

そのBBQ用のクーラーボックスへ、保冷剤やアイスノンと一緒に食品をぎゅうぎゅうに詰め込みました。隙間なく詰めることが冷たさを保つコツです。

幸いにも我が家の地域は割と早く復旧したので、食品は無事でしたが、停電時にはクーラーボックスが非常に役に立ちました。今後も、普段は使わなくても持っておくことにしました。

何を入れておけばいい? 非常用リュックの中身

今では玄関のシューズボックスの中に非常用持ち出し袋を用意しています。内容は、必要最低限。背負って走れる重さにしています。

しかしあの日はそんな準備は何もしておらず、リュックの中に何を入れるのか、とても悩みました。食品や水などは思いもつかず、銀行の通帳などの貴重品、犬用品、左肩には着替えを入れたトートバッグ、右肩には約6kgの犬という大荷物。「火事場の馬鹿力」と言いますが、まさに不思議と重さは一切感じなかったことを覚えています。

そのため今は、中身の充実度よりも軽さを優先して非常用持ち出し袋を荷造りをしました。流れる水や土砂を横切ったり、その中に入り道なき道を進んだのですが、ただ流れているだけの、底が見える程度の水の流れでも、足を取られかねない程の強い水の勢いがあったからです。走るのは当然無理でした。

もし事情が変わって、走らないと逃げ遅れる可能性がある場合、荷物が重いせいで逃げ遅れることがないようにと、必要最低限の非常用持ち出し袋をつくりました。

非常用持ち出し袋には、必要最低限の道具と水、1〜2日分の食料を、楽に持てる重さで用意しています。

非常用持ち出し袋の中身

現在の非常用持ち出し袋の中身はこちら。

首から掛けられるライト、防塵マスク、生理用品、ゴム製手袋、レインコート、折り畳み式ヘルメット、バランス栄養食、500mlの水2本。

子どもなら子供用の、持病がある人にはその器具や薬など、女性には女性に合った内容と、中身はその人によって変わってきます。家族一人ひとりに専用の非常用持ち出し袋を備えておくと、頭が混乱した中でも、サッと持って避難ができます。

身軽で逃げやすく、その人用にカスタマイズされた内容にすることが大事です。

まとめ

いざという時は、ある日突然やってきます。

最近のニュースを見ていても、みなさん一様におっしゃいます。「この地域は今まで目立った災害は起こらなかったのに」。

ですが、身の回りの人の声は今まで通り。「この地域は何十年も災害の起こっていない地域だから、これからも多分大丈夫」。

同じ県内でも、市内でも、やっぱり温度差をひしひしと感じます。

それでも、備えと知識があれば、きっとすぐに動くことができるはず。そして大切なのは、非常用持ち出し袋を買って満足することではなく、中身を使う人に合わせてカスタマイズすること。いつでも使えるように備えておくことです。

このお話が、防災アイテムを少しでも身近に取り入れるためのお手伝いとなりましたら、とてもうれしいです。