赤ちゃんが生まれて2ヶ月後から予防接種が始まりますが、今回はふと湧く疑問「予防接種を受けた日にお風呂に入れてもいいんだっけ?」について解説します。接種後の注意点と併せてご覧ください。

この記事の監修ドクター 大越陽一先生
杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウイメンズホスピタル小児科勤務。小児科専門医

予防接種を受けた日のお風呂は大丈夫?

子供の頃に、「今日は予防注射をしてもらったから、お風呂は駄目だね」と言われたことを記憶している人もいるのではないでしょうか。なぜ、予防接種を受けた日の入浴が制限されていたのでしょうか? 今でも同じような決まりがあるのでしょうか?

ほとんどの場合、入浴してOK

結論から言うと、今はその必要はありません 。

確かに、かつて予防接種を受けた日の入浴がいけないと言われていた時代がありました。その理由のひとつとして、昔は家庭風呂が少なく銭湯に行く人が多かったことと関係しているようです。注射した部位は清潔に保たなければいけませんが 、当時は今とは衛生環境が異なり、感染などの心配があったと考えられます。

現在では、「予防接種を受けた後の入浴は差し支えない(問題ない)」と、母子手帳等でも明言されています[*1] 。

入浴させないほうがいいケースとは

ということで、今では予防接種を受けた当日もお風呂に入って(子供を入れて)基本的に問題ないのですが、注意した方がいいこともあります。

例えば、予防接種の直後の入浴は避けるべきとされています。具体的には、入浴は接種後1時間以上経過してからにしましょう。

また、37.5℃以上の熱がある、赤ちゃんの機嫌がよくない、いつもと様子が違う、注射した部分が腫れているといった、気になることがある時には、入浴にこだわらず、からだを拭く程度にしておいたほうがよいでしょう。高熱や痙攣(けいれん)、大きな腫れなどの異常が見られたら、入浴をやめるだけでなく、早めに注射を受けた医療機関に相談してください。

予防接種を受けた当日の入浴はほとんどの場合支障ないものの、注射した部位を強くこすらない、体力を消耗するほど長湯はしない(させない)、子供が辛そうに感じたら中止するなどに気を付けましょう。

入浴以外の注意点もチェック!

予防接種に関しては、当日に入浴してよいかどうかということのほかに、確認すべきことがいくつかあります。予防接種を受ける前と受けた後に分けて、注意点を整理してみます。

予防接種の前の注意点

予防接種を受ける前には、必ず何の病気を予防するワクチンを接種するのか、種類を確認して記録しましょう。また、子供の様子を見て、調子が悪そうではないかチェックしてください。いつもと様子が異なるようであれば、その日に接種を受けるのはやめ、別の日に変更しましょう。

その他、以下に該当する場合も、予防接種を受けられないことがあります。

 1.熱がある、または急性の病気にかかっている

 2.過去に同じ予防接種を受けて異常を生じたことがある

 3.特定の薬物や食品等にアレルギーがある

予防接種の後の注意点

・接種後すぐは急性のアレルギー反応に注意

予防接種のあとに、非常にまれながら、アナフィラキシーという急性の激しいアレルギー反応が起こることがあります。この場合、特に接種後30分以内に起こることが多いため、その際はすぐ治療できるよう、予防接種を受けてから30分ほどは医療機関の中で待機するなど、医師とすぐに連絡が取れる状態にします。

なお、アナフィラキシーの症状は、顔色が悪くなる、呼吸音がゼイゼイしている、脈が速くなる、気を失うなどです。

・激しい運動は避ける

過ごし方について、いつも通りの生活で問題ありませんが、接種後24時間は激しい運動をさせるのは避けましょう。

・帰宅後に高熱が出るなどしたら医師に連絡をとる

接種後、通常みられる反応(副反応)があります。発熱、注射した部位の赤み・腫れ、しこりや発疹などで、これらは通常数日中に無くなるので心配ないものです。

一方、ひどい腫れや高熱、ひきつけなどが起きた場合は医師に連絡をとって対処の指示を受けてください。

・翌日以降しばらくは副反応が現れる可能性

ワクチン接種によって、この次に解説する副反応が現れることがあります。生ワクチンでは摂取後4週間、不活化ワクチンでは1週間は副反応の出現に注意してください[*2]。

生ワクチンとは、病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを材料とするもので、ロタウイルス、結核(BCG)、麻疹・風疹(MR)、水痘(水ぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、ムンプス)などのワクチンが該当します。不活化ワクチンとは、病原体となるウイルスや細菌の感染する能力を失わせたものをワクチンとして材料とするもので、インフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌、B型肝炎、日本脳炎、4種混合(3種混合)、不活化ポリオ、インフルエンザなどのワクチンが該当します。

まとめ

結論としては、予防接種を受けた当日でも、特に問題がなければお風呂に入ることは差し支えありません。その際、接種後は1時間以上あけて、体を洗う際は注射部位を強くこすらないよう注意しましょう。発熱していたり、機嫌が悪いときは無理せずに入浴を控え、予防接種の注射後に何か気になる症状が見られたら、医療機関に相談してください。

(文:久保秀実/監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生労働省「母子健康手帳 任意様式」p.57
https://www.mhlw.go.jp/content/000463619.pdf
[*2]茅ヶ崎市「予防接種を受けた後に気をつけること・接種後の症状に関すること」
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/kenko/yobotaisaku/1004582.html

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます